乗鞍高原・上高地情報

乗鞍高原と上高地の四季の自然の姿を現地に滞在するガイドが紹介します。

「DEEP!裏山BCレポート!!」

2015-01-16 16:25:24 | 乗鞍アドレナリン日記

今日は乗鞍のライバル企業ノーススターとのコラボ企画の日!

「峰君!いつもBCツアーでどんなリスクマネージメントしてる??」

「ヤマケンさん、ビーコンのトレーニングはどこまでやります??」

「それじゃ一回コラボしてBCトレーニングする??」

「やりましょう!乗鞍安全BCツアーの為に!!」

てなことで企画された題して!「乗鞍岳BCリスクマネージメント研修会」。

場所は当初、乗鞍岳→平湯エリア→野麦エリアなどなど巡り・・・・巡り・・・・

色々と安全の事、ツアーリングの事、ガイディングの事、何よりもリスクマネージメントの事。

それはそれは色々と考え最終的に投票権を得たのが「煩悩の塊」!

「どうせ研修会やるならアドレナリン出したくない?」

「うす!」

ここら辺の波長がドはまりするところが、やはり同志の証。

勿論、両社安全安心のBCライフをお客様に提供するのが使命ではあるが、やはり何よりも遊びのプロ。

ではではどうせ山に分け入るなら、遊びながらアドレナリンを出しながら真面目な所はとことん真面目に話し合い、協議しあい、ディスカッションしていこうと決意。

そんなアドレナリンジャンキー&パウダージャンキーの二人がチョイスしたのが、まさに裏山中の裏山「見晴峠」!!

古くは乗鞍銀山で働く鉱員達が日々の疲れを癒すために「名湯白骨温泉」を目指し通った・・・・

歴史の匂いプンプンの古道・・・・

そんな古き佳き時代に思いを馳せつつ、僕らをエクスタシーに誘う道具達を持ちつつ二人は行くことに。

しかし今も昔も山を登る人間の心理は同じ。

そこに収穫物やエクスタシーが待っているから・・・・

そして何よりも「そこに山があるから」。

スタートはまだまだ日の当たらないそこそこの上質パウダースノーを巻き上げ心地よいラッセル。

さすがは!泣く子を黙らせることなく、ニコニコ顔にしてしまうライバルカンパニーのボス!!

力強いラッセル&ルートファインディングに脱帽。

如何に後続者のストレスを省き、無駄のないルートを選択しながらメリハリのあるハイクアップ。

ちなみにヤマケンさんはボードを割りまくった、最近人気急上昇中のスプリットボード&シール。

PJ峰はテレマークスキーにシールの出で立ち。

お互い慣れた道具を使いこなしガンガン登り、ガンガン語り合い、汗だくになって先を急ぐ・・・・

途中、親子3頭+単独の雄3頭=計6頭のカモシカに出逢う!ていうか出逢いすぎ!!

有難味も珍しさもなく、彼らも自然のまま、赴くままの行動を続けている姿に感動・・・・

このエリアの自然の懐の広さに感謝。

ちなみにこの日はパウダー降雪後のド!ピーカン!!

とは言え嫌~な南岸低気圧がこの夜に本州に襲来し「かみゆき」を降らせる予報が・・・・

まさに!嵐の前の静けさとはこのことか!!

ということで、気温はうなぎ上り、温度計は勿論プラスを指しグングンと急上昇。

「ん?ということは?」

そう!ご想像の通り!!雪がドンドン緩み、重くなり雪崩の兆候があちらこちらに出始める時間帯。

まさかこんなにも早く緩みだすとは?!

出発前に地元を知り尽くした親父さんの一言。

「今日は風がいけねえ!あぶね~から急斜面には近づくなよ!!雪崩れるぞ・・・・」

その予感は的中!さすが乗鞍で生まれ、今日まで育ってきた男の言う事は違う。

これくらいの急斜面をトラバースするとあちらこちらでスノーボール雪崩が多発!

あっちでゴロゴロ・・・・こっちでゴロゴロ・・・・大きいものは成長して直径1.5メートルにも及ぶ。

あんなのが激突してきたら谷まで落とされ、大怪我になりかねない。

BCツアーで日頃雪をメカニズムしながら運営している二人だからこそ慎重に、慎重に足下に積もる雪の構造をディスカッションしながら、時には雪層をチェックしながら行動。

こんな状況になるのは二人も想定の範囲内であるが、これ以上進むのは無謀!と判断。

「たかが遊び!また生きてりゃいつでも来れるのさ!!」の精神で勇気ある撤退を心がける。

それでは!それでは!!ここからがアドレナリン劇場のはじまり~はじまり~

さあ!俺の胸に飛び込んで来い!!と言わんばかりの待ちに待った至福の瞬間が訪れた。

最大斜度40近い小さな、マニアックな沢を二人でセッション!

今までため込んできたアドレナリンは体内を音速で駆け巡り、雄叫びとなって体外に放出される。

植生もシラカバにカツラ、トウヒの大木とこの上ない配置。

雪は腐る寸前だがまだまだ日陰には重いパウダーが残る・・・・

そこをお互い貪欲に攻め倒しエクスタシーを求めるのだ。

ちなみに滑走時間10分。

ストレスなく滑れた総距離たったの300m弱。

その後沢沿いに藪を掻き分け、岩をすり抜け、時に雪に埋もれ10数分・・・・

なのに?!

この笑顔!!!!!!!!!!!!!!

これだから山は、バックカントリーは止められない!

ゲレンデでは決して味わうことの出来ない魔物が棲んでいる!!

こんな素晴らしきBCライフを還暦まで、いやいや80、90、100歳まで楽しんで行きたい。

心からそう思う1日であった・・・・

無論それには安全&安心が一番。

山を甘く見たり、軽率な行動を取ったり、何となく山にゲレンデ外に飛び出すなんて以ての他。

最近この手のNEWSがお茶の間を賑わしているが、僕らガイドは勿論、山も望んでいない!

山は死ぬ場所ではなく、楽しむ場所。

その為には自分の身の丈を知り、大自然に謙虚に真面目に取り組む事。

これしかない!

近道も裏技もなく、己の経験値と知識、そして日頃の行いが90%を占める。

残りの10%は上記を全うした上に生まれるラッキーなのかもしれない・・・・

それでは皆さん!残り少ないパウダーシーズンを思う存分安全に楽しみましょう!!

いや~次はどこの山に分け入ろうか?

山に登れば登るほど、袋菓子の如く妄想もパンパンに膨れ上がっていく・・・・

BCライフ!フォーエバー!!

 

 

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
御礼 (たけちゃん)
2015-02-14 19:48:02
 この間の土曜日(2/7)の午後は、妻がひとりでスノーシューツアーに参加(旦那の私はスキー)しました。帰ってきた妻の第一声が「ガイドが峰ちゃんやった」。
 お世話になりました。とても楽しかったようです。
 かく言う私も、かれこれ5~6年ほど前になりますが、3月にバックカントリーツアー入門コースに参加したことがありますが、そのときのガイドも峰さんで、そのガイドとしてのパワーで楽しませてもらった記憶があります。
 冬の乗鞍には毎シーズン出かけていますので、次回ガイドしてもらうことがあればよろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿