「乗鞍だね～」

雨が止み、神々しいまでに光り輝く乗鞍を仰ぐ。
残念な事に豊富に残っていた雪は溶け、大河の一滴となり、急峻な谷に注ぐ。
谷に注がれた水は、渓流域に達し勢いを増し、梓川、犀川、千曲川、信濃川・・・・
そう日本一の河川へと姿を変えるのだ。
俺の雪をどうしてくれる！！
などと言っても仕方ないが、明らかに冬の装いであった彼女が、急に春服に脱がされた気分・・・・
この時期の雨って奴は本当に憎いが、仕方ない。
雨あってこそ生きていかれるんだから。

しかし！いつ見てもハイマツの緑と残雪の白、おまけに空の青はたまらない。
しかも足下には水芭蕉・・・・

「これぞ！正しき乗鞍の春到来！！」
といった所。
これからが忙しいんだ～

残雪交じりのフキノトウから始まり。
タラノメ。
ハリギリ。
ギョウジャニンニク。
ユキザザ。
アケビッパ。
ヤマブドウッパ。
コゴミ。
ゼンマイ。
ウド。
コシアブラ。
シャク。
ワサビ。
極めつけは僕の大好物のワラビ・・・・

毎日が収穫祭のキンキンBEERをあおるのだ。

天麩羅に御浸し。
サバ缶煮。
炊き込みご飯に、シーチキンマヨ和え。

たまらんね～
こんな時、田舎に住んでいて良かった・・・・

「大自然に心から感謝！感激！！」
と思わず叫びたくなる。

そうそう、そろそろ残雪とハイマツの話に戻そう。
明日も３名のバックカントリージャンキーたちが乗鞍に降り立つ。
天気は快晴。
少々気温は冷えるが、そのほうがハイクアップしやすくて◎。
一気に登って、乗鞍の沢を滑り倒すのだ！
場所は乗鞍フリークには御馴染み「朝日沢」「蚕玉沢」「摩利支天直下」の３本を予定。

どちらも広大で、なかなかの急斜面。
ハイマツと残雪が織り成す、まるで白色の蛇行した大河を滑りぬけるような感覚。
これこそが、今の時期ならではの絶景。
もちろん！純白の１枚バーンも素敵だが、今の方がスピード感と達成感は得られる。
この時期を好んで足繁く通うマニアも多い。

ということで、そろそろ波田の自宅に帰り、明日の準備に取り掛かるとしよう！
明日は５時起き。
５時半出。

最近の夕暮れはすこぶる趣がある。
家の前を流れる梓川の河畔林から響くカエルの大合唱。
まるで春雨を待ちわびた歓声のように夜遅くまでその歌声は続く。

良いもんですよ。
BEER片手に表に出て、カエルの声に耳を傾ける。
肴は小鯵の南蛮漬けに、タケノコの筑前煮。
これがまた合うんだな～
２杯目は高地のお客さんから頂いた、四万十川の栗焼酎「ダバダ火振」。
円やかな口当たりに毎晩意識不明で撃沈・・・・

何て幸せな1日の締めくくりなのでしょうか。

皆さんはどんな春をお過ごしですか？