「乗鞍モンスターvol２」

「つらら」を見ると、いつも小さい時のことを思い出す・・・・

昔住んでいた家の向かいに良くつららが出来る場所があった。
それを朝早く起きて、兄貴と競い合って取った事。
冷たい手をハーハー温めながら、雪だまを作り、つららに当てっこした事。

小さい頃家族で良く行った、湯檜曽温泉の「林屋旅館」の軒下にぶら下がった大きなつらら・・・・

埼玉生まれの埼玉育ちである僕にとって、「つらら」や「雪」は本当に宝物の様な存在であった。天気予報で「雪」マークが出ると、次の日の朝を待ちわびた。
雪の日の朝は窓から外を見るのが好きで、飽きもせず水墨画のような世界を眺めていた。時折雪かきをする近所のおじさんを見つけると、新雪を蹴散らす悪者と勝手に思い込み、腹を立てたりもした。
下校途中に、より積もった空き地を見つけ出し、泥の混じった今考えると汚らしい雪を必死で集め、雪合戦やかまくら、雪だるまを作った。
他のグループと重なったら、雪の取り合いだった。

とにかく幼少期の頃から自然の中で遊ぶのが何よりも好きで、その中でも取り分け「つらら＆雪」遊びは特別であった。

今、僕は雪にあふれた乗鞍に住んでいる。
多い日は一晩に、１メートル近くも降り積もる。
車を動かすのも一苦労、除雪作業はかなりの重労働。
雪国の厳しさを味わっている。

しかし、いまだに誰も踏み入れていない雪原。モコモコと木に降り積もった雪。
そして、何よりも「つらら」を見ると、いきなりテンションが上がってしまう。
どうやら、小さい頃から全く変わらぬ「僕」がいるみたいだ。

皆さんはそんなものってありますか？