乗鞍高原・上高地情報

乗鞍高原と上高地の四季の自然の姿を現地に滞在するガイドが紹介します。

「僕らの愛する位ヶ原山荘!」

2013-11-05 12:03:15 | 乗鞍アドレナリン日記

僕の愛する「位ヶ原山荘」・・・・

そこは星降る宿とも、天空の楽園とも、バックカントリーの聖地とも、ジャンキーの溜り場とも称される山小屋。

僕も一年中を通してここには大変お世話になっている。

春は残雪期ツアー基地として。

夏は子どもキャンプ修行の場として。

秋は嫁のバイト先として(笑)。

冬はお馴染み「白き頂」を目指す中継地として。

季節ごとに様々な顔で、様々な恩恵を受けている。

またここの小屋番のM氏が良い味を出してるんだな~

多くを語らず・・・・不言実行!かと言って時折エスプリの効いたジョークも・・・・

(僕とは正反対!「多くを語り、有限不実行」:反省)

ナインティーナインのヤベッチを思わせる喋りに、笑い方。

そんな人柄と人望に多くの関係者を虜にさせる魔力がM氏にはある。

山荘と一心同体。

M氏がいなければこの小屋の存在は薄れるし。

この小屋がなければM氏の存在は薄れないが、らしくない。

小屋の前で手を振り、台所に立ち、薪ストーブに手をかざす氏の姿こそが乗鞍の日常風景。

あたかも遠い昔からこの光景がここにあり続けているかのような錯覚にまで陥る。

「小屋番」とよく山小屋の主を表現するが、まさに!位ヶ原の番人とは氏のこと。

今でも思い出す・・・・

M氏「峰~真冬に山荘営業したらお客さん来てくれるかな?ていうかツアーで来る?(その当時の山荘はシーズン通して定期的に営業をしていなかった。冬何て言うまでもなく、まさに冬眠状態)」

PJ「勿論!僕は大賛成です!!行きますよ!!!来ますよ!!!!僕らのようなジャンキーたちが・・・・」

こんな会話を交わしたのが8年前。

もうかれこれ長いお付き合いをさせて頂いている。

そんな馴染み深き愛する小屋も10月一杯でCLOSE。

11月からは来る厳冬期営業に向けてしばしの休息・・・・

小屋番のM氏は勿論のこと、、使い古した味のある建物も、小屋の設備も、そして乗鞍の山々も・・・・

1ヶ月半後に待つバックカントリー&雪山シーズンに備えて、英気を養うのである。

というこで、この小屋に入りびたりここのライフスタイルをこよなく愛する数人の山小屋有志が集まり小屋締め作業に従事。

簡単に「小屋締め作業」と言ってもやることは複雑。

ライフラインを断つことは勿論、薪割、風雪に耐えるための戸締り、道具のメンテナンス、遭難者防止のための道標作りなどなど。

一心不乱に斧を降り続けるT氏。

その姿はまるで体格の良すぎる武士が刀を振り下ろすかのよう。

次から次へと単なる「木」を、見る見るうちに「薪」に変えていく。

ちなみにT氏を積雪期の乗鞍で見かけていない方は、まだまだ乗鞍初級者。

仲間の間でも「積雪期の乗鞍に行けばT氏、Y氏、そしてPJに逢わない日はない」と噂されるほど。

僕はまだ職業だから大目に見るが、T氏の出没頻度は大目に見れない(笑)。

出逢った方は、見た目と裏腹なすこぶる紳士的なT氏の人柄にたちまち虜になってしまうだろう。

次から次へとテレマーカーに変身させてしまう恐ろしき魔力を持つ。

お次は遭難者防止のための道標作り。

この竹に赤地の布を取り付け、山荘までの要所に固定していく。

僕もこの赤布に何度勇気づけられ、安堵感を抱いたことであろう。

頬ずりしたくなるくらい山屋にとっては有難い存在。

この作業をこれたまたテキパキと慣れた手つきでこなすY氏(写真は僕・・・・)。

この男も伊達じゃない!T氏に負けじ劣らずの乗鞍BCジャンキー!!

とにかく陽気で、その全体像はまるで清々しき秋空のように広く、高く、どこまでも澄み渡っている。

僕の様にガツガツ喋るわけでもなく、僕の様にしゃしゃり出る訳でもなく、必要な時に必要な分だけ思いっきり熱く語る。

瞳の奥には少年を匂わせ、時に男臭い大人の眼差しを持つ兄貴肌。

ちなみに兄貴!この作業の後は日本海にワラさ釣りで船に乗り込むとの事(勿論趣味で!)。

格好良すぎる・・・・

さてさてこの道標の話に戻ろう。

マイナス10を軽く超える暴風雪の中、涙も鼻水もザックの中の水も凍り、内臓まで寒さが伝わりかけたその時。

この赤い布たちが手招きをし始める。

「こっちが山荘だよ!そっちじゃないぞ!!もう近くに山荘はあるぞ最後まで慌てず、俺について来い。」

まるでそう言っているかの如く僕らBCファンを先導する。

とは言え安堵感は生まれるものの、依然として烈風は収まることなく相変わらず生きた心地がしない中、ようやっと山荘の姿が浮かび上がる。

皆で歓喜の雄たけびをあげ、握手をし合い足早に厳寒に進むと?

ガラッ!

「お疲れ様でした~凄い風だったでしょ~ヒヒヒヒヒヒヒ・・・・・ていうか峰!相変わらず声が山中に響き渡ってたよ!全く~ヒヒヒヒヒヒ・・・・」

こんな調子ですこぶる晴天だろうが、すこぶる荒天であろうが同じ口調で氏は笑顔で迎え入れてくれる。

この後小屋に入り、凍てついたウェアを脱ぎ捨て、豆炭炬燵に入るのがいつものド定番!

内臓まで寒さを感じ、コチコチになった物体が、徐々に溶け出し自分の体へと変化していく瞬間こう思う。

「生きてて良かった・・・・」

後は実際来てからの「お・た・の・し・み」。

「お楽しみ!(滝川クリステル風)」。

てなことで今回はその一部をお手伝い。

後は僕の大得意な「酒宴」のお手伝いをすることとなった(笑)。

それでは落ちも整ったところで今日はここまで!

厳寒の山岳エリアに静かに佇む「位ヶ原山荘」。

そしてそこに生きる「M氏」。

皆さんもこの冬!こんな出逢いはいかがでしょう?

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (イチキ)
2013-11-05 18:41:46
お疲れ(^-^)/
PJ の仲間はみんな癒し系だな!!そして素晴らしい人間力!!仕事っぷりも良いね!!
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その通り! (PJ峰)
2013-11-06 08:34:50
本当にその通り!
真の意味の癒し系は誰もいないが・・・・(笑)
皆さんの人間力とバイタリティーにはいつも尊敬の眼差し。
俺も「類は友を呼ぶね~」なんて言われるような男を目指すよ!!
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Unknown (木崎のライアン)
2013-11-06 21:21:16
漢だねぇ~
そういう意味のカッコいい漢になりたいね。
まずはビビりを…
治らね~だろうなぁ~(笑)

その赤い旗は命を繋ぐね。
慣れてるPJですら安堵する赤い旗だからね。
会ったことがあるわけじゃないけど触れてはいるから管理する人には感謝だね。
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漢・・・・ (PJ峰)
2013-11-07 07:48:16
確かにそんな男臭い「漢」になりたいね・・・・
とは言えビビりは治らんよ!
ライアンはその重き十字架を背負いながら生きていくんだよ(笑)。
一生な!!
それじゃ、今週末から俺らの地元に帰るからシクヨロ~
いや~今から里山の郷愁が楽しみだ。
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