乗鞍高原・上高地情報

乗鞍高原と上高地の四季の自然の姿を現地に滞在するガイドが紹介します。

「男達の背中」

2007-01-22 10:52:25 | 乗鞍アドレナリン日記
見よ!!この哀愁漂う男たちの後姿を。
左前方に主峰「剣ヶ峰(3026m)」。
右前方にパウダーエリア「富士見岳」!!
天気は上々。
雪質もまずまず。
気持ち良くない訳がない。
体の奥から沸き立つ興奮が抑えきれず、思わず発狂!!

乗鞍高原温泉スキー場かもしかゲレンデから急登すること約3時間。
広大な雪原「位ヶ原」に辿り着く。
見渡す限り、360度「山!山!!山!!!」
山しかない。しかし、それが心地よい。
俗っぽい生活臭は微塵も感じない。
まさに「神々の戴(いただき)」と呼べるにふさわしい景観。
普段、神とは全く無縁な生活をしている僕にとっても、神の存在を感じざるを得ない。
山は得体の知れない力を放つ。
先人たちが、山を信仰の対象として崇めてきたことも、当然のこととうなずける。
とくに冬の山は、眩しいまでの新雪をまとい、光り輝く。
「神々しい」とはこういう時に使いたい。

さて、被写体である2人に、これから何が待ち受けているのであろうか?
「シール外して!!パイプの煙~♪(雪山賛歌)」
幼い頃、うちの親父が歌っていた。
僕も曲のテンポが心地よく、耳に残っている。
当時歌詞の内容も、意味も理解せずただ聞いていた。
「シール外して?」「大体シールって何?貼る物なの?」こんな程度だった。

しかし、数年前にバックカントリー中毒になってから、この歌のこのフレーズの意味する事を深く理解した。

ヒーヒー&ゼーゼー言いながら頂きを目指す!
時には、途中来た事を後悔する瞬間さえある。
次第に開ける景色に励まされ、やっとの事で目的地へ。
眼下に広がるただただ白い雪。
眺めつつスキー板に貼ったシールをはがし、至福の一服!!
夢にまで見たシーンが訪れる・・・・
(*シール=スキー板などの滑走面にナイロンやアザラシの毛皮などを接着し、雪面を歩けるようにした道具。かなりの斜度でも登る事が出来る優れもの。脱着も容易である。)

つまり、この2人の身には、今まさに最高の瞬間が訪れようとしているのである。
「2人とも!この感動を手にしたら、二度と普通の生活に戻れなくなってしまうぞ!!」

僕の心配をよそに、2人はパウダーワールドに消えていった・・・・
谷間には奇声と笑い声がこだました・・・・












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