昨日児童文学作家の那須正幹さんの訃報が入りましたね。
「ズッコケ3人組」のシリーズは楽しんだ方も多いのではないでしょうか。
お母さんが、「これ、お母さんも子どもの頃読んだんだよ~」と
お子さんにすすめている場面を何度も見ましたね。
ご自身が3歳の時に広島で被爆したこともあり
戦争の悲惨さも書き続けてきました。
折り鶴の子どもたち 原爆症とたたかった佐々木禎子と級友たち( 那須正幹/作 高田三郎/絵 PHP研究所 1989年)
絵で読む広島の原爆(西村繁男/絵 那須正幹/文 福音館書店 1995年)
戦争へ向かうことがないか警鐘をならす作品も。
ねんどの神さま(那須正幹/作 武田美穂/絵 ポプラ社 1992年)
戦争で両親を失った少年が、戦争をする大人をこらしめる「ねんどの神さま」を作るが
大人になり、兵器会社の社長となり、自らねんどの神さまを壊してしまいます。
那須さんのインタビュー記事を読んで
那須さんの訴えに感化されこのお話を書き
ポプラ社のズッコケ文学新人賞に応募されたというこの作者。
新人賞は受賞できなかったようですが
「多数決のような「一見すると正しそうなルール」や
「疑いもなく受け入れている大前提」に対して
「あれ、本当にそれでいいのかな?」」と考えられるような作品を書いていきたいと
本書のあとがきにあります。
クラスのレクリエーションの時間に何をするかを決める時
いつも強い男子の意見が通ってしまうことに
反旗を翻した少数派の子どもたち。
「できない理由を探して、少数の意見を、小さな声をつぶすのはやめて」
多数派の意見が本当に正しいとも限らないし
それに賛同している人の中にも、実はおかしい?と思っている人がいるかもしれませんね。
こちらは神奈川新聞社が行っている、「第38回夏のすいせん図書読書感想文コンクール」の高学年の課題図書にもなっています。
チギータ!
蒔田 浩平/作 佐藤 真紀子/絵 ポプラ社 2019年