5月の大雨により激坂区間で崩落があり、下山ルートが代用されることになった。坂バカには悲しい話だろうが自分にとってはとても気楽になった。5月に体調を崩し1ヶ月間自転車に乗れず未だに少し倦怠感が残っている。
前日にコースの下見でCP1まで試走した。激坂区間はないがそれなりに傾斜があり、マイペースで走らないと途中で終わってしまいそうだ。
レース当日は快晴で気持ちも晴れやか?。スタートして昨年のコースとの合流地点までは900m距離が伸びたが、傾斜が緩くなったのでかかった時間はほぼ同じ。あとは自分との戦いなのだが、CP2を通過したあたりからペースダウンし完走したもののタイムは過去最低。
ゴールした直後は「もう、気持ちだけでは走れない歳になったんだな」と思っていたが、レースを振り返ってみると、気持ちで走っていることなんて全くなかった。抜かれても気にしない。前の選手も追いかけない。完走だけ目指して無理しない。ヒルクライムはイーブンペースで走るのが鉄則だがレースを楽しむことは全くなく、ただひたすら耐えているだけだった。
普段の生活の中で「常にベストな選択」ばかり考えていて、気遣いや妥協を繰り返いしながら現状でのベストな結果を出す。そんな自分をリセットするためにレースに参加して、たとへ500位だろうが前の選手を追いかけて同じクラスのゼッケンに抜かれたら抜き返す。そこには妥協や選択はなく無心でゴールを目指すのみ。
いつのまにか歳のせいにしてしまい、一番大切なことを忘れてしまっていたのかもしれない。
たかが娯楽。されど娯楽。