これから会う人の事を思いながら皇居の上から差し込む夕陽を眺めていた。今日は重要人物の出入りが多く廻りはSPだらけ。見知った人もいて少しは緊張を和らげられるが、待ち合わせ場所のソニービルで起こるであろうことが頭を離れず仕事も手につかない。ただ時間だけを消化しているだけ。その時数台の車が横着けされ先導の車から数人出てきてでかいアメ車のドアを開ける。<ありがとう>のだみ声を発し身長はないが押し出しのいい人物が降りてきた。宰相 田中角栄だ。”こんな日に来なくていいのに"とは思っても自分で決められる事情でもなく仕事優先。
何とか仕事を終え足取り重く数寄屋橋へ。
何とか仕事を終え足取り重く数寄屋橋へ。