香酔山
大和富士と貝ケ平山に挟まれた標高795mの山です。
麓には水神さんが祭られています。
今日は神社の水祭(みずまつり)ということで、神社の役員さんに同行して登ってきました。
登山口は、廃道になった国道369号線です。
1週間前に下見に来られた時は、まだまだ雪が残っていて長靴を超すぐらいやったとか。
この雨ですべて融けてしまったようでした。
5分ほどで稜線に上がります。
このあたりは林道の作業道がしっかりとしているので、道に迷っても下っていけばどこかしらに降りることができるようです。
今回の役員さんで最長老は79歳とか。
現役バリバリで森林での作業をされているそうです。
地理にも明るくて、この山は〇〇さん、これは△△さんが売らはってん!
と、ハイペースで歩きながら息も切れずに説明されていました。
枯れ木が現われてきました。
ここは10数年前に山火事で燃えたところです。
ちょっと痛々しいですね。
身の丈ほどもあるササをかき分けて進みます。
ガスが無ければ、どんな展望が広がっているのでしょうか?
突然現れた石造物
なんて書いてあるのでしょうか?
時間をかけて調べてみたいと思います。
さて今回、香酔山に登った理由は・・・・・・
手元の[地名伝承論~大和古代地名辞典~】によると、香酔山に関して以下の記述があります。
「香酔山中には俗称【臍の水】があり、傍に竜神(水神)を祀る。この聖井に雨を祈れば必ず霊験ありという。
香酔は【香水】か(仏語では聖水)。
三輪山狭井の水を【神水(こうすい)】として神聖視される。
香酔山は水源の山である。
同郡古市場、宇陀水分神社の記録によると、【高見山】を【高水山(こうすいやま)】とあるように一種の信仰地名の佳字化したものであろう。」
香に酔う山と書いて香酔山
このあたりにはスズランの自生地もあるので、もしやスズランの花の香りが充満しているのでは?
っていうロマンもあったのですがね(笑)
年季の入った石段を登っていきます。
小さな祠が現われました。
ここが、竜神(水神)さんを祭っているそうです。
そして、その横には・・・・・
岩の間から清水がこんこんと湧き出ています。
これが臍の水のようです。
地元では香酔山は「リョウサン」と親しみをこめて呼ばれており、毎年この時期に今年一年水害が無く、水に恵まれて豊作でありますようにと祈念するために役員さんを中心として参られています。
また、山腹には平安時代にお寺があったそうで、今も広いダイラを確認することができます。
そのあたりのことは、旧榛原町の発掘記録「赤瀬遺跡発掘調査概要報告書」に記載されていました。
「香酔山中腹には、平安時代の山寺・番酔寺との伝承がある平坦面群があり、地元では「リョウサン」詰りが行われている。
香酔寺は『日本霊異記』に記された「真木原山寺」とも考えられているがその詳細は明らかでない。」
真木原山寺に関しては以下のサイトに記載されています
http://roshin789.blog.fc2.com/blog-entry-159.html
ここがそのダイラでしょうか?
ここから離れたところにも石垣が積まれたダイラがあるそうです。
また、こんな情報もあります。
九州国立博物館に所蔵されている「重要文化財 緑釉四足壺(りょくゆうしそくこ)」
これが、ここ香酔山で出土したものらしいとのこと。
平安の頃は、この辺りはどんな風景やったのでしょうか?
当時の情景を思い馳せながら山をあとにしたのでした・・・・・・・。
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