パピとママ映画のblog

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15時17分、パリ行き★★★・8

2018年03月08日 | アクション映画ーサ行

「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」の巨匠クリント・イーストウッドが、2015年にヨーロッパで起こった無差別テロ「タリス銃乱射事件」で現場に居合わせ、犯人を取り押さえた3人の若者を主役に、事件に至るまでの彼らの半生を、プロの俳優ではなく本人たちを主演に起用して描いたドラマ。

あらすじ:2015年8月21日、オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう高速列車タリスの中で、銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる。しかし、その列車にたまたま乗り合わせていた米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカラトス、そして2人の友人である青年アンソニー・サドラーが男を取り押さえ、未曾有の惨事を防ぐことに成功する。映画は、幼なじみで親友同士のスペンサー、アレク、アンソニーの3人が出会った少年時代や、事件に遭遇することになるヨーロッパ旅行の過程を描きながら、ごく普通の若者たちが、いかにしてテロリストに立ち向かうことができたのかを明らかにする。

<感想>巨匠クリント・イーストウッドの最新作、テーマはヨーロッパの国際高速鉄道で実際に起きた無差別テロ未遂事件。一夜にして英雄となった普通の米国人3人の若者は、テロリストに何故に果敢に立ち向かうことができたのか?・・・。

554人の乗客が乗る列車内で起きた“タリス銃乱射事件”の実話を、3人の若者がそこに至るまでの人生を追いながら、事件の全貌に迫っていく。そこで主人公の若者役を演じるのは、なんと3人の「本人」たち。もちろん3人ともプロの俳優ではなく、ごく普通の素人なのだ。

英雄的行為を行った若者3人を、本人たちが演じるということに、意外と不自然さがなく、しかもカリスマ性のなさがテーマにあっている。しかも彼らが演じるのは、自分たちのテロ当日の行動だけではない。そもそも3人が何時、何処で知り合い、普段は何の仕事をしていて、なぜ旅行をしていたのか。物語は3人の子供時代にまで遡り、その壮大な人生の「交差点」を振り返っていく。

3人は幼少時代からの幼馴染であり、学校では揃って問題児で、校長室に呼び出されることもしばしば。だが、スペンサーには「いつか人の役に立ちたい」という想いがあり、やがて米空軍へと入隊する。

2015年の夏休み、3人はヨーロッパ旅行に出発し、手持ちカメラでダラダラと撮られるヨーロッパ観光旅行が結構楽しいのだ。ベニスやヴァチカン、ローマのコロッセオなどの観光旅行を丁寧に撮影しているのも良かった。

旅先で一人の爺さんの話で「アムステルダムはいいよ」というアドバイスに従って観光を楽しみ、そして8月21日、アムステルダム駅からパリ行きのタリス高速鉄道列車へと乗り込む。まるでそこにいるのが彼らの運命だったかのように。その間に幼少時代の彼らの物語が入り込み、やがて、フィクションとノンフィクションの境界は曖昧となる。

そして我々観客が「世界を救う」ということはこういうことだったのかと。ですが、イスラム教に対するキリスト教の優位を描いていると誤解されかねない危ういさがあるが、それを除けば美しい青春映画だ。とてもじゃないが、とっさにとったスペンサーの行動に、銃を持った犯人目がけて飛び込むという判断に、銃が放たれ、それが彼の身体を突き抜けていたらと思うとゾッとする。犯人を捕らえて離さないスペンサーも、首や腕をナイフで切り刻まれて大怪我をする。先に、一人の乗客が犯人に首を撃たれ重傷を負うが、助かって良かった。

「15時17分 パリ行き」は、ヒーローを知り尽くしたイーストウッドが、2018年の世界に贈る、究極のヒーロー映画となった。そこでは、3人のヒーローがとてもいい表情をしている。こんなヒーロー映画は観たことがないと言っていい。

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