パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

人生の約束 ★★★.5

2016年01月13日 | アクション映画ーサ行
「池中玄太80キロ」「菊次郎とさき」をはじめ数々のTVドラマを手がけてきたベテラン演出家・石橋冠が初めて撮り上げた映画作品。主演の竹野内豊、江口洋介のほか、西田敏行、ビートたけし、柄本明はじめ豪華キャストが結集。 あらすじ:会社の拡大にしか興味のないIT関連企業CEOの中原祐馬。その頑なな態度が原因で、創業からの盟友でかけがえのない親友でもあった航平とも、会社から追い出す形で決別してしまう。それから数年後のある日、祐馬の携帯に航平から何度も着信がある。無視し続けた祐馬だったが、胸騒ぎを覚え、航平の故郷・新湊へ向かう。だが既に、航平は病に倒れ帰らぬ人となっていた。航平の義兄・鉄也からは、祐馬の冷たい仕打ちをなじる言葉を浴びせられる。そんな祐馬の前に、航平の一人娘・瞳が現われる。存在すら知らなかった航平の忘れ形見に驚く祐馬は、瞳からある頼み事をされるのだったが…。

<感想>初共演だという竹野内豊×江口洋介、40代の俳優としても男性としても円熟味を増すばかりの文句なしの“いい男”ふたりが、何もかもが正反対の男二人が紡ぐ、真摯で愛すべき人生の応援歌であります。

竹野内豊さん演じるIT関連企業CEOの中原祐馬。今までの人生、ある意味でずっと強がって自分を偽って生きて来たんだと思います。会社を大きく成長させることだけに心血を注いできたわけで、そのために失ってきたものも多くて、その一番大きなものが亡くなってしまった親友の航平なんですね。

外見はスマートでも彼の生き様はカッコイイとは思いませんね。彼がそんな自分の生き方を見つめ直す映画でもあるので、初めはなんてヤツなんだと、全然かっこよくないじゃないか。いい男台無しじゃないか、と。ですが、かつての親友の故郷を訪ねて、その土地の人たちと触れ合い、少しづつ何かが変わっていくわけなんですね。回想シーンで、航平が裕馬に言う台詞で、「立ち止まらなきゃ見えないものがある」と、本当の友達だからこそ言える言葉だと思うんです。

それが、富山の江戸時代から続く「新湊曳山まつり」を題材にした物語となって、人と人の繋がり、絆を強く感じるようになる、とっても心地の良い作品になっている。
親友の航平が最後に「曳山」で繋がりたいと、15年ぶりに帰郷したことを聞かされるも、航平の心情を全く汲み取れない祐馬は、ぶしつけな態度のせいで亡き親友の兄貴、江口洋介に殴られ、激怒されてしまう。おまけに海にまで落とされてびしょ濡れだよ。

航平の娘から、祭りに使われる曳山と呼ばれる山車を取り戻して欲しいと頼まれます。祐馬は勘違いをして、四十物町(あいものちょう)の曳山が西町へ行ったことを知り、「金ならいくらでも出すと」取り返そうと掛け合いに行くも、お金じゃないと西町の会長柄本明に叱られてしまう。

会社側の人間では、若い社員に松坂桃李くんと、秘書の優香ちゃんが、とても感じが良くて、優香ちゃんは社長の祐馬を好きだったのではと、そんなことには気づかない鈍感な祐馬に呆れます。

航平の故郷の四十物町では、街のスナックのママに美保純が、街の女に小池栄子が、西田敏行の奥さんには室井滋、そしてちょいと出の検察の刑事にビートたけしさんが、立川志の輔さんも出てましたね。

日本古来のお祭りは、多くの地域でいろんなお祭りが催されており、そこでは、町内の人たちが仲良く協力をして祭りを執り行います。最近では、ご近所さんとも交流がなく、家族も遠く離れて暮らしていれば疎遠になり、あまり人と人の繋がりを重要視しなくなりました。それでも、なんなく暮らしていけるからなんですよね。

私は、富山の「新湊曳山まつり」は、TVで何度か見た事はあるのですが、映画の中で、こんなに迫力のある男の祭りだとは知りませんでした。人と人、物と物、家族と家族、友人と友人、みんなが繋がって心と魂を合わせて祭りを執り行うことを。繋がると言う言葉で表現される、様々な思いが胸を熱くさせてくれます。
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