パピとママ映画のblog

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神様のカルテ2 ★★★.5

2014年03月28日 | か行の映画
嵐の櫻井翔と宮崎あおいが夫婦を演じ、ヒットを記録したヒューマンドラマ『神様のカルテ』の続編となる感動作。今回はそれぞれの事情を抱えた3組の夫婦の関係を軸に、悩んだり傷ついたりしながらも命に対して真摯(しんし)に向き合う人々の姿を紡ぎ出す。前回同様櫻井と宮崎が夫婦にふんし、藤原竜也と吹石一恵が主人公の親友夫婦として登場。さまざまな苦難をくぐり抜け、一層成長する登場人物たちの姿に勇気をもらう。
<感想>櫻井翔が演じる栗原一止という医師が主人公の本作は、リアルな医療ドラマという側面を持ちながら、同時に人生とは何であるかを詩情豊かに描いた物語でもある。本作「2」では、櫻井翔くん演じる地方の病院に勤める若き医師、一止が悩み苦しみながらも末期ガン患者の最期に寄り添い、その死を見届けるとともに、妻・榛名との間に命を授かることで、新たな未来へと希望が繋がっていくという物語。

そんな新しい物語のキーパーソンとして現れるのが、一止の務める病院に転任してきた大学時代の同期の医師、辰也。演じる藤原竜也と櫻井は初共演だというのだ。いや懸念していた藤原くんの芝居の力の入った弁舌に、櫻井くんが食われてしまうのか心配しましたが、意外と上手く自然に打ち解けあってましたね。中でも、自分の生活を犠牲にしても患者に尽くそうとする一止が、退社時間を過ぎればすぐに帰宅し、時間外の呼び出しにも応じない辰也に腹を立てて、頭からコーヒーをかけてしまうシーンに、ドキリとしました。

でも、彼には事情があって、離婚した妻との間にできた娘を引き取り、子育てしている彼。どうしても、娘のお迎え時間があったり、家に帰っても食事の支度や洗濯など家事をしなければならなかったというわけ。離婚した元妻には吹石一恵が。
このことは、恩師の貫田内科部長が知っていたことで、彼も過労で倒れるも精密検査でガンだと判る。貫田医師役の柄本明さん、どんな役どころも巧く演じているが、今回は末期ガン患者の役どころを飄々と演じていました。

それに、このシリーズにおいて、宮崎あおいが演じる栗原榛名は、なくてはならない存在である。病院で何日も泊りがけで働いている時も、その妻である榛名の温かな眼差しに彼の心がいつも包まれていることが感じられるから。
台詞は、夫に対して敬語使いをしているのが不思議ですよね。何もしてあげられないけれど、一止をただ見守るという、愚痴みたいなことは言わないで、何も言わずに相手を思いやる包容力というか、心で通じあっていればおのずと相手の考えていることも分かるというのだ。

これは、「舟を編む」での宮崎あおいさん演じる香具矢がそうだったように、夫婦でもお互いを尊重しつつ愚痴も言わずに、“あうん”の呼吸で相手の心を重んじる演技に感心しました。この作品の中での夫婦も、同じだなぁって、そんな「相手を思いやる心」口に出して文句を言わない、喧嘩のない夫婦って理想ですよね。

それは、貫田医師の妻、市毛良枝が演じた彼女が、夫の死を目の前にしてじっと耐え忍び、今まで辛いことがあっても夫を信じて付いてきたことを、何も言わなくても心で通じ合っていれば言わんとすることが分かるということ。
感動シーンでは、病院の屋上で輝く「24時間営業、365日」という看板、それに病院内の電気を一斉に消して、満天の星空を眺めるシーンには、本当にこんなにも綺麗な星空が見えるのだと涙が自然に出て来てしょうがなかった。東北の震災の時にも、ライフラインが全面ストップして、5日間くらい街の灯りも消えて、夜には満点の星空を見上げて感動したことを思い出します。
病院はビジネスの場だという事務局の人たち。金儲けこそが大事と言わんばかりの医療組織では、瀕死の重傷者が運び込まれても、手の打ちようがない患者はたらいまわしで死を迎えるばかり。入院患者でも糖尿病の患者が食事療法を守らない。ベッド数は限られているので退院してもらおうという魂胆。病院の在り方に憤りを感じつつも、働く医師たちや、看護師たちの労働時間の大変さに頭が下がる思いです。

今回では、一止の成長をすごく感じました。一人の医師として、まだ葛藤はもちろんあるけれど、「1」ではしんどそうな顔をしている時間が多かった気がした。それを経て、自分を追い込むことで、それが一止の変化にも表れるというような。それを経ていたからこそ、精神的にも大きく成長した一止が感じられました。
他の出演者たちにも、御嶽荘に越してきた屋久杉くんの濱田岳、画伯の原田泰造、西岡徳馬、吉瀬美智子、池脇千鶴、要潤など、「1」の共演陣が出演しております。
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