「レッドクリフ」「ウォーロード 男たちの誓い」の金城武が、18歳年下の料理人見習いの女性に翻弄される若手実業家を演じるロマンティックコメディ。金城がジン、「シチリアの恋」のチョウ・ドンユイがションナンを演じるほか、「レッドクリフ」でも金城と共演した台湾の人気女優リン・チーリンが出演。2017年・第30回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映で「こんなはずじゃなかった!」のタイトルで上映された。
あらすじ:ビジネスにも食事にも常にパーフェクトを求め、世界の味を知り尽くした実業家のルー・ジン。彼が買収に成功した上海の名門ホテルで有名料理長が提供する料理はどれも彼を感動させるものではなかったが、見習いシェフのションナンが編み出す斬新なレシピだけはジンの舌を満足させた。ジンが指定したテーマに合わせ、完璧な料理を次々と提供していくションナン。2人は食を通して心を通わせていくが、ジンたちの前にションナンの才能を軽々としのぐ美人シェフが現れる。
<感想>物語は、グルメな大富豪が恋した相手は、世界一のトラブルメーカー!?金持ちでイケメンで潔癖症の男、色気はないが明るくて才能溢れる貧乏な女とかわいい犬。劇中では、金城武が流暢に中国語を話しているのも当然であり、水を得た魚のように、コメディ演技にも拍車がかかっていた。
今作では偏屈な富豪という役柄なもんで、甘さは減少してたけれど、相変わらずのイケメンぶりにご対面。でもね、どうしてか竹野内豊と見分けがつかないくらい似ていた。しかし、面白かったです。
ヒロイン役は、チャン・イーモウ監督に見出され『サンザシの樹の下で(2011年)』でデビュー、"中国13億人の妹"と呼ばれる中国若手No.1女優チョウ・ドンユイ。歳の差恋愛を描いた本作ですが、18歳下の女性に翻弄される金城武の姿はとってもキュート。そして、「レッドクリフ」の超絶美女リン・チーリンも。
『ウィンター・ソング(2006年)』など"恋愛映画の巨匠"と呼ばれるピーター・チャン監督がプロデューサーを務め、チャン監督作である『ウォーロード/男たちの誓い(2009年)』、『捜査官X(2012年)』で編集監督を務めてきたデレク・ホイが初メガホンをとりました。
彼の仕事は、ホテルを買い取るためレストランの下見に来た金城は、厨房では下っ端扱いのシェフ、ヒロインの料理を気に入り、そこから始まるラブコメ。
大富豪のお抱えシェフには、美人のリン・チーリンが演じており、料理の腕もピカイチで、ジンのお気に入りだったのが、どういうわけか、自由な発想で斬新なレシピを編みだす見習いシェフのションナンだけが、ジンの舌を満足させることに成功する。
お互いに顔をあわせることなく、ジンがテーマを決めて料理をオーダーすると、ションナンもプライドをかけて完璧な逸品を次々と編み出していく。その“対決”が、ヒートアップすればするほど彼女に会ってみたいと思い始めるジン。
その彼女は、ドジでまぬけで破天荒な性格の女。どうみても高級志向のジンには似合わない。それがどういうわけか、自分の好みの食事を作ってくれるのに、心を通わせていく。
挙句の果てに、ションナンのボロアパートまで訪ねて来て、毎晩泊まり込みそこで食事を作らせ、その後は彼女の部屋のソファで朝まで爆睡してしまうのだ。
毎日、仕事が終わると、傘をステッキがわりにしてスーツケース持参でやって来る。そのスーツケースの中身は、なななんと、日本のインスタントラーメン袋入り「出前一丁」である。それも、夜中に小腹が空いたときに、自分でお湯を沸かして、時間通りにゆで上げ、その湯を捨ててから、またきれいな湯でスープを作れば、とてもすっきりとした味わいのラーメンの出来上がり。これはイケル絶対に真似してみたくなる。
このジンの楽しみの一つである完璧なインスタントラーメンの作り方。本編では3回ほど登場しますが、それがどれも微笑ましい場面なんですから。
ですが“食”を通して心を通わせはじめた二人の前に、ションナンの才能を遥かに超える美人シェフのリン・チーリンが現れるのです。これは、誰でも嫉妬しますよね。どうみても、ジンの妻のような設定なんですからね。
それに、父親も出て来て、それが厳しいのなんの、食事をする時は、食事をしながら新聞を見たり、仕事の話をしては折角の豪華な食卓の席がまずくなってしまう。
息子のジンが、ションナンのボロアパートで過ごした時の食事は、ションナンがいつも目の前で、お喋りをしながら楽しく食事をする。初めは鬱陶しかったジンも、いつも一人で豪華な食事を食べていたら、きっと寂しくてあまり美味しくなかったに違いない。
笑ったのが、フグの料理を作りフグの毒に当たった2人が、笑いながらバスに乗り込み、雨が降って無いのに降っているような錯覚がして、始終笑い転げている2人の姿が、お似合いでした。フグ料理は、免許を持っていないと料理ができないのにね。舌の痺れでロレツが回らなかったり、全身が痺れて死んでしまうなんて結果にならなくて良かった。
だから、お抱えの美人シェフのリン・チーリンも、彼に恋をしているようで、今まで自分が料理を作って満足していた彼なのに、他の女性が作った料理に興味を示したことに、女心としては何かを感じたはず。
食事は家族揃って、賑やかなに団欒しながら食べると、食欲も進むし、どんなおかずでも美味しくて直ぐに無くなってしまう。ジンもまだ幼い頃に、今みたいに金持ちでもなく、質素なアパートに暮らしていた時、ションナンのアパートのベランダに、西陽が入って夕焼けが綺麗だったことを思い出す。
父親に叱られて仕事をさっさと済ませて、次の仕事にかかれと、食事中に言われるも、あのションナンとボロアパートで、笑いながら楽しく食事をしたことを思い出し、昔自分たちも住んでいた、西陽の当たるベランダのアパートに、ションナンを連れ出して、仲良くインスタントラーメンを食べながら交わす話には、「このまま朝までいようか」というジンからのプロポーズでした。
全編、料理マンガのようなストーリー展開も面白く、久しぶりの金城武のコメディを観た。またシリアスなサスペンス『捜査官X(2012年)』のような、映画にたくさん出演して欲しいですね。
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