パピとママ映画のblog

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ホーンズ 容疑者と告白の角 ★★★★

2015年05月10日 | アクション映画ーハ行
スティーヴン・キングの息子でもある作家ジョー・ヒルの小説を実写化したサスペンスホラー。出会った者に真実を語らせる力を秘めた角を生やした青年が、恋人を殺害した犯人を捜し出していく。メガホンを取るのは、『ミラーズ』『ピラニア3D』などのアレクサンドル・アジャ。主演は『ハリー・ポッター』シリーズなどのダニエル・ラドクリフ。その脇を『シン・シティ 復讐の女神』などのジュノー・テンプルら、実力派が固めている。奇怪なストーリーもさることながら、頭に角を生やしたダニエルの姿も見もの。
あらすじ:恋人メリン(ジュノー・テンプル)を何者かに殺害された上に、容疑者にされてしまったイグ(ダニエル・ラドクリフ)。苦しい日々を過ごす中、彼の額に突如として角が生えだす。次第に太く大きくなっていく角に恐れおののくイグだったが、その角にどんな相手であろうとも真実を語らせてしまう不思議な力があることに気付く。角を使ってさまざまな者たちの思惑を引き出し、そこから生まれる新たな疑惑に直面するイグ。やがて事件の真相に近づいていくが、それはあまりにも悲痛で凄惨(せいさん)なものだった。

<感想>原作がスティーヴン・キングの息子でもある作家ジョー・ヒルで、あの過激な演出での「ピラニア3D」の、アレクサンドル・アジャが監督と聞けば、誰もが超ダークなイメージの映画を期待してしまうだろう。それが、チラシで見る通りの角が生えた男の物語なのだ。
「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが主演で、元、魔法使いの彼に角を生やさせ、邪悪なパワーを使わせるというアイデアが、いかにもアレクサンドル・アジャ監督らしい。以前の作品「ウーマン・イン・ブラック亡霊の館」でもホラー映画であった。
恋人殺害の容疑をかけられつつ、角のパワーで恐るべきキャラへと変貌していく主人公のイグを演じている。やはり、見た目はハリーの童顔で気弱な感じがする。それでもラドクリフの年齢は26歳の大人なのに、背も低いし童顔なのが作品を選んでしまうようだ。

頭に生えた角は悪魔のシンボルではなくて、人生で誰もがたどる「暗い道」を表しているという。角が生えた主人公は、悪魔になるわけじゃない。パワーが備わって、ダークな場所へと足を踏み入れる。角のパワーで人々が本心をさらけ出す演出には、ちょっと引いてしまったが、人間誰しも内面に隠している邪悪な心が潜んでいるから。

イグの頭に生えた角を病院へいって診察してもらうと、医師はノコギリで切ってしまおうという。普通はレントゲンとか撮って、頭の脳に異常がないか調べるだろうに。その医者は麻酔をしてノコギリで本当に角を切ろうとするのだ。ですが、医者と看護婦の邪悪な心が出て来て、二人でセックスをやり始めるではないか。誰もがその角を見ると、心の中に潜んでいる淫乱の欲求を抑えきれずに欲情するのだ。これは、悪魔のせいなのかもしれない。

少し安易な考えかもしれないが、主人公は自分をメリン殺しの犯人に仕立てたことに怒り、真犯人を見つけようとその角を利用して友人たちや仲間を調べることに利用するのだ。
何故、主人公のイグの頭に角が生えたのだろうか、それは彼が殺されたメリンだけを生涯愛すると誓ったのに、浮気をしてしまったことにも関係あるようだ。家族も父親は音楽関係の仕事をしているようで、長男がその仕事を引き継いで、バンドを持ちトランペットを吹いている。母親は、息子の角を見て、自分の子供ではないと、家から出て行け、顔も見たくないと捨て台詞は本心なのかも。
街に出て情報を集め始めた彼に、ダイナーのウェートレスのヘザー・グラハムが、嘘をついて新証人として名乗り出る。

最後にメリンと出会った場所だった、ダイナーなので、そこには兄のテリーも来ていて、イグがメリンにプロポーズをしようとするも、断られてしまい店を出ていくのだ。だから、兄のテリーが車でメリンを送ったのだが、森の入り口で薬づけになって眠ってしまい、朝には助手席に血だらけの石が置いてあったのだ。薬をやっている兄のテリーもメリン殺しの犯人かもしれない。

しかし、イグは兄のテリーに薬を全部飲ませて薬漬けにして、殺してしまおうと考えるも、命拾いをした兄のテリーが、ラストでイグの味方をするのが救いだ。薬の力は恐ろしい、何も記憶がないという兄のテリーも被害者かも。
回想で挿入されるメリンとの美しくも切ないラヴストーリーに、真犯人探しの緊迫したサスペンスもブレンドされて、信じがたい展開がクライマックスに用意されています。
私の大嫌いな蛇がたくさん出て来て、いかにも地獄絵図のような展開が繰り広げられます。まさか、親友のあいつが真犯人とは、そういえば十字架を拾ったのは主人公のイグで、十字架のチェーンを直したのはあいつだった。
しかし、その親友との戦いで、車に押し込まれ油をまかれて火を付けられ、海へと沈んだイグが蘇るとは、それも大火傷を負った身体で、まるで地獄の悪魔のように見えた。
友人も、彼女が大好きで、イグに彼女を獲られてしまいその腹いせもあったのだろう。それにしても、そこまでして彼女を自分のものにしたいとは、男のヤキモチも怖いよね。
ラストの、ラドクリフの壮絶を極めた熱演とともに、真犯人の壮絶な死が蛇に巻かれて、口から蛇が入っていくという残酷な危険な世界が、地獄へと引きずり込まれていくような、このラストがまた長いシーンで、これでもかと言うくらいしつこく描いて、ホラーの世界観が楽しめます。
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