日本とシンガポールの外交関係樹立50周年を記念して製作されたヒューマン・ドラマ。日本人の父とシンガポール人の母の間に生まれた主人公が、両親のルーツをたどるべくシンガポールへ旅立ち、やがてそれぞれにゆかりの食を通してバラバラになった家族の再生を目指す姿を描く。主演は「昼顔」の斎藤工、共演に伊原剛志、松田聖子。監督は「TATSUMI マンガに革命を起こした男」のエリック・クー。
あらすじ:群馬県高崎市。真人はラーメン屋を営む和男の息子。ある日和男が急死し、遺品の中から真人の母メイリアンの日記と、シンガポールに住む母の弟からの手紙を発見する。母は真人が10歳の時に病死していた。真人は両親が出会った地であるシンガポールへと向かう。そして知人のシンガポール在住フードブロガー、美樹の協力で母の弟のウィーの居場所を突き止めた真人。ウィーが営む食堂でバクテー(肉骨茶)を食べ、懐かしさに涙を流す。やがて真人は、母と祖母の間に結婚を巡って大きな確執が生まれていた事実を初めて知るのだったが…。
<感想>本作は日本のラーメンとシンガポールのバクテーという国民食=ソウルフードをモチーフに、2ケ国3世代の家族の絆を描いた珠玉のドラマです。
斎藤工扮する真人は、ラーメン屋を営む日本人の父(伊原剛志)と、シンガポール人の母親(ジネット・アウ)との間に産まれた。しかし、急死した父親の遺品の中から、20数年前に亡くなった母親の日記を見つけて、若き日の両親の足跡を辿るべくシンガポールへと渡るのです。
そこで彼は日本とシンガポールの痛ましい歴史から、両親の結婚は許されず、母親が家族と断絶したまま亡くなったことを知るわけですね。
第二次世界大戦時、日本軍はシンガポールを統治していた。シンガポールでは、それを史実として学んでいることを、日本人の私たちは殆ど知らない。観光で訪れる多くの日本人が、マリーナベイ・サンズに行き、屋台で食事をし、SNS映えする写真を撮り、シンガポールを知ったと思って帰国する。
大事なことは、シンガポールの方々がその歴史を知りながら、私たち日本人に対してウェルカムと言ってくれること。それを知らないこと自体が問題だと思いましたね。
そんな戦争のことや、二国間の微妙な関係を描くことは、難しくなかったかと斎藤工さんは良く聞かれたそうですが、それは全くなかったそうです。
例えば博物館でのシーン、フイルムに収められたのは、日本兵の残虐な行為を聞いて驚いたリアルな感じ、戦後に育った私たちは、初めて目にすることばかりであり、日本軍がどれだけ他の国の人たちに酷いことをしてきたのかを知り、胸が痛みます。
松田聖子が、フードブロガーの美樹さんとして出演していており、年齢の割にには若く見えて、とにかく白い顔の化粧にびっくり。そんなにファンではないので演技は普通です。他に女優さんがいなかったのか、もっと自然な演技をする女優さんの方が良かったのではないかと感じました。
シンガポールでは、真人は両親の結婚に反対をした祖母に逢いに行きます。簡単には会えなくて、何度も足を運び、その度に若いので祖母に対して怒りをぶつけます。どうして、両親の結婚を許せなかったのか、確かに戦争ということもあり、父親が日本人ということに対しての偏見を持っていたようですね。
孫が日本から会いに来たのに、会ってくれない。いらいらが募り、つい祖母に怒りをぶつける若い真人。それに、シンガポールの食であるバクテーの作り方を祖母から学びたいということも伝えます。
祖母は真人を門前払いをして嫌った。それは、夫を日本兵に殺されたのだった。それに、日本人の男と結婚した娘も赦すことができないし、孫である真人とも頑なに会おうとしないのだ。そこで真人はラーメンとバクテーをミックスさせた料理を作って祖母との和解を図ろうとする。
何度も足を運び、願いが叶ってやっとお婆ちゃんの心が和らぎ、孫の真人に会ってくれるシーン。頑固ではあるが、本当は優しい心の持ちぬしだった祖母。何度もバクテーを作り、味をみてもらい、そのバクテーを日本に持ち帰って、ラーメンの上に乗せようという真人の計画も上手くいったようですね。
父親の弟に別所哲也が扮してました。祖母にはビートリス・チャンが出演していました。ソウルフードであるバクテー(肉骨茶)の味とは、いったいどんな味なんでしょうね。何時の日かシンガポールへ旅行へ行ったら、そのバクテーを食べてみたいと思いましたね。
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