「ゴールデンスランバー」など、伊坂幸太郎作品の映画化で定評のある中村義洋監督が、伊坂の中編小説を原作に、別々の人生を歩んできたプロ野球選手と平凡な青年が辿る数奇な運命を描く。出演は、中村作品の常連で「ゴールデンスランバー」の濱田岳、「極道めし」の木村文乃、「ALWAYS 三丁目の夕日’64」の大森南朋。

あらすじ:今村(濱田岳)と若葉(木村文乃)の出会いはビルの屋上だった。そのきっかけとなったのは、一本の電話。2人が出会う少し前、ビルの屋上から飛び降り自殺をしようとしていた若葉は、死ぬ前に恋人に電話をかけた。ところが、留守電に吹き込まれたメッセージを聞いていたのは、彼女の恋人の家に空き巣で入っていた今村とそのボス。
“これから死ぬ”という彼女を放っておくことができず、今村は“キリンに乗っていくから!”と、わけのわからない言葉を発して、若葉のいるビルへ向かったのだ。これによって自殺を思い止まった彼女は、今村と同棲を始める。

ある日、今村の空き巣の仕事を見てみたいと同行する若葉。忍び込んだマンションの一室は、プロ野球選手の尾崎の部屋だったが、今村は野球漫画を読んだり、ソファでくつろいだり、何かを盗む様子は全くない。若葉が金目のものを見つけて帰ろうと促してもなかなか動かない。
と、そこへ電話のベルが鳴り、家主の尾崎に助けを求めるメッセージが。若葉と出会ったときと似ている、と今回も放っておけなくなった今村は、メッセージを残した女の元へ向かう。尾崎の代理で助けに向かった今村と若葉だったが、そこには思わぬ出来事が待っていた……。
意外な事実を知って腹を立てた今村と若葉は、帰り道にポテトチップスを買い、車の中で食べる。その時の若葉の“コンソメ食べたい気分だったけど、塩味もいいもんだね。間違ってもらって、かえって良かったかも”という何気ない言葉に、泣きじゃくる今村。
なぜ、彼は泣いたのか?そもそも、なぜ、今村は尾崎に執着するのか?すべての理由は26年前、2人の赤ん坊が生まれたあの日に遡り……。若葉は、今村が憧れる兄貴分の黒澤(大森南朋)からある事実を聞かされる。(作品資料より)

<感想>こちら仙台では4月7日より先行上映。見ようかどうしようかと迷ったが、見てしまった。物語は、同じ生年月日に生まれた空き巣狙いと、プロ野球選手の運命を、独特のユーモアを交えて描いています。68分という短い時間なので、あっと言う間に終わってしまったという感じがした。
伊坂×中村作品というと、お馴染みの濱田岳が母親思いの熱血青年を演じ、泥棒の兄貴分である大森南朋も出演という、それに濱田岳の母親には石田えりが、濱田岳の彼女に木村文乃が演じている。そうそう、泥棒仲間にもう一人おじさんがいたわね。空き巣仲間のボス的存在なんだけど、あまり出番がありませんが中村監督自身だったのですね。後で調べて分かったんだけど、映画監督って結構自分の作品に出たがるのよね。
面白いかというとそうでもない。見る人によってニュアンスが違ってくると思う。私には面白いとか、感動したとかそんな印象はなかった。
物語的には、前にも使われているだろうと言う、赤ん坊取り違え事件が内容の核心として重要な部分である。ただし、主人公の仕事が空き巣ということだけはちょっと変わってるのかな。

とんでもない仕事で、主人公自体は親にも言えない仕事で、その泥棒を通じて知り合った兄貴分がこれまたいつも何を考えているのか分からない演技で、メリハリのないヌボ~とした表情の大森南朋。
まぁ、主人公の今村が空き巣に入ったのが、自分が大ファンの野球選手の尾崎のアパート。その部屋で電話が鳴り、その電話を取ってしまい、またもや前に空き巣に入って電話を取り、人助けをしてしまったこともあり、電話の女性に会いに行くのです。
その女は援助交際相手が、ストーカーのように付きまとって困っているということ。だが調べて見ると、ストーカーはその女の美人局で、客を取っている女の部屋へ行き脅して金を巻き上げる男だったのだ。
まぁ、そんな展開もあるのだが、肝心なのは野球選手の尾崎と主人公が同じ生年月日ということで、今村が口癖にいう母親の言葉を思い出し「同じ日に生まれて、あちらは有名なホームランをかっ飛ばす野球選手で、お前はと嘆く」、それで大森南朋に生まれた産院を調べてもらうと、なんとそこには赤ん坊取り違え事件が有ったという事実が判明する。
濱田岳と大森南朋の絶妙な間合いのセリフとリズム感、伊坂×中村のコンビだからできる独自の世界観に引き込まれます。
そんなこと今さら知っても、母親は自分を愛してくれるし、尾崎の方だって自分がまさか、今村の母親が本当の産みの母だってことなど、事実を証明しても今さら関係ないと言えば嘘になるけどね。

ほじくってもいい事ないし、本人たちが今の生活を満足して幸せに暮らしているなら、それでいいじゃないの。それで、今村が落ち込んでいる出番のない野球選手の尾崎を、代打でもいいから出場させるように奮闘するのですね。これは笑った。
それと、タイトルの「ポテチ」のこと。これは車の中で今村と若葉がポテチを食べながら、塩味とコンソメ味でもめるシーン。若葉が間違えて手渡したんだけど、今村が泣きながら言う言葉「間違えてもらって良かったよ」と、これは自分と尾崎選手が産院で赤ちゃん取り違え事件があったことを示しているんですね。
見所となる一番とも言えるラストシーン、野球場で尾崎がホームランを打つ瞬間、今村が叫ぶ「ホームランを打ってみろ!ここだぞ~」と、スタンドの奥で手を大きく振りながら応援するシーンでは、皆が球場のエキストラのみなさんと一体化した気分になれます。そのホームランは、球場の外へと球が飛んで行き、もう一人の空き巣のボス(中村監督)の手に収まります。これは奇跡といっていいでしょうね。
2012年劇場鑑賞作品・・・36
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あらすじ:今村(濱田岳)と若葉(木村文乃)の出会いはビルの屋上だった。そのきっかけとなったのは、一本の電話。2人が出会う少し前、ビルの屋上から飛び降り自殺をしようとしていた若葉は、死ぬ前に恋人に電話をかけた。ところが、留守電に吹き込まれたメッセージを聞いていたのは、彼女の恋人の家に空き巣で入っていた今村とそのボス。
“これから死ぬ”という彼女を放っておくことができず、今村は“キリンに乗っていくから!”と、わけのわからない言葉を発して、若葉のいるビルへ向かったのだ。これによって自殺を思い止まった彼女は、今村と同棲を始める。

ある日、今村の空き巣の仕事を見てみたいと同行する若葉。忍び込んだマンションの一室は、プロ野球選手の尾崎の部屋だったが、今村は野球漫画を読んだり、ソファでくつろいだり、何かを盗む様子は全くない。若葉が金目のものを見つけて帰ろうと促してもなかなか動かない。
と、そこへ電話のベルが鳴り、家主の尾崎に助けを求めるメッセージが。若葉と出会ったときと似ている、と今回も放っておけなくなった今村は、メッセージを残した女の元へ向かう。尾崎の代理で助けに向かった今村と若葉だったが、そこには思わぬ出来事が待っていた……。
意外な事実を知って腹を立てた今村と若葉は、帰り道にポテトチップスを買い、車の中で食べる。その時の若葉の“コンソメ食べたい気分だったけど、塩味もいいもんだね。間違ってもらって、かえって良かったかも”という何気ない言葉に、泣きじゃくる今村。
なぜ、彼は泣いたのか?そもそも、なぜ、今村は尾崎に執着するのか?すべての理由は26年前、2人の赤ん坊が生まれたあの日に遡り……。若葉は、今村が憧れる兄貴分の黒澤(大森南朋)からある事実を聞かされる。(作品資料より)

<感想>こちら仙台では4月7日より先行上映。見ようかどうしようかと迷ったが、見てしまった。物語は、同じ生年月日に生まれた空き巣狙いと、プロ野球選手の運命を、独特のユーモアを交えて描いています。68分という短い時間なので、あっと言う間に終わってしまったという感じがした。
伊坂×中村作品というと、お馴染みの濱田岳が母親思いの熱血青年を演じ、泥棒の兄貴分である大森南朋も出演という、それに濱田岳の母親には石田えりが、濱田岳の彼女に木村文乃が演じている。そうそう、泥棒仲間にもう一人おじさんがいたわね。空き巣仲間のボス的存在なんだけど、あまり出番がありませんが中村監督自身だったのですね。後で調べて分かったんだけど、映画監督って結構自分の作品に出たがるのよね。
面白いかというとそうでもない。見る人によってニュアンスが違ってくると思う。私には面白いとか、感動したとかそんな印象はなかった。
物語的には、前にも使われているだろうと言う、赤ん坊取り違え事件が内容の核心として重要な部分である。ただし、主人公の仕事が空き巣ということだけはちょっと変わってるのかな。

とんでもない仕事で、主人公自体は親にも言えない仕事で、その泥棒を通じて知り合った兄貴分がこれまたいつも何を考えているのか分からない演技で、メリハリのないヌボ~とした表情の大森南朋。
まぁ、主人公の今村が空き巣に入ったのが、自分が大ファンの野球選手の尾崎のアパート。その部屋で電話が鳴り、その電話を取ってしまい、またもや前に空き巣に入って電話を取り、人助けをしてしまったこともあり、電話の女性に会いに行くのです。
その女は援助交際相手が、ストーカーのように付きまとって困っているということ。だが調べて見ると、ストーカーはその女の美人局で、客を取っている女の部屋へ行き脅して金を巻き上げる男だったのだ。
まぁ、そんな展開もあるのだが、肝心なのは野球選手の尾崎と主人公が同じ生年月日ということで、今村が口癖にいう母親の言葉を思い出し「同じ日に生まれて、あちらは有名なホームランをかっ飛ばす野球選手で、お前はと嘆く」、それで大森南朋に生まれた産院を調べてもらうと、なんとそこには赤ん坊取り違え事件が有ったという事実が判明する。
濱田岳と大森南朋の絶妙な間合いのセリフとリズム感、伊坂×中村のコンビだからできる独自の世界観に引き込まれます。
そんなこと今さら知っても、母親は自分を愛してくれるし、尾崎の方だって自分がまさか、今村の母親が本当の産みの母だってことなど、事実を証明しても今さら関係ないと言えば嘘になるけどね。

ほじくってもいい事ないし、本人たちが今の生活を満足して幸せに暮らしているなら、それでいいじゃないの。それで、今村が落ち込んでいる出番のない野球選手の尾崎を、代打でもいいから出場させるように奮闘するのですね。これは笑った。
それと、タイトルの「ポテチ」のこと。これは車の中で今村と若葉がポテチを食べながら、塩味とコンソメ味でもめるシーン。若葉が間違えて手渡したんだけど、今村が泣きながら言う言葉「間違えてもらって良かったよ」と、これは自分と尾崎選手が産院で赤ちゃん取り違え事件があったことを示しているんですね。
見所となる一番とも言えるラストシーン、野球場で尾崎がホームランを打つ瞬間、今村が叫ぶ「ホームランを打ってみろ!ここだぞ~」と、スタンドの奥で手を大きく振りながら応援するシーンでは、皆が球場のエキストラのみなさんと一体化した気分になれます。そのホームランは、球場の外へと球が飛んで行き、もう一人の空き巣のボス(中村監督)の手に収まります。これは奇跡といっていいでしょうね。
2012年劇場鑑賞作品・・・36
