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「ミッドナイト・イン・パリ」「ブルージャスミン」のウディ・アレン監督が1930年代のハリウッドとニューヨークを舞台に、2人のヴェロニカに翻弄される青年のほろ苦い恋と成長を描くロマンティック・コメディ。主演はジェシー・アイゼンバーグ、共演にクリステン・スチュワート、ブレイク・ライヴリー、スティーヴ・カレル。
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<感想>現在81歳であり、ほぼ1年に1本の割合で新作を発表しているウディ・アレン監督。47本目の長編となるこの作品は、第69回カンヌ国際映画祭のオープニング作品としてプレミア上映されたという。と同様にオープニングを飾った「ミッドナイト・イン・パリ」(11)や、昨年。招待作として上映された「教授のおかしな妄想殺人」(15)まで、カンヌでの上映は12本に登るというから驚く。
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そして、ウディ・アレン監督の映画には、いつも彼の人生の一部が投影されているといっていい。登場人物に彼の家族の名前が登場したりと、実際に彼が人生で遭遇した事件を織り込んだ、時には自身の恋愛体験を持ち込んだりと。
そうですね、「アニー・ホール」のように、それは彼の人生そのものではなく、かなり脚色されているのだろうが、それでもどこかに、アレン風リアリティがあって、それが映画の説得力を高めることも多いと言っていいでしょう。
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あらすじ:1930年代、黄金期のハリウッド。業界の大物エージェントとして活躍する叔父のフィル・スターン(スティーヴ・カレル)。ある日、ニューヨークの姉から電話があり、息子のボビーがハリウッドで働きたいというので面倒を見て欲しいと頼まれる。ブロンクス生まれのボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、叔父のフィル(スティーヴ・カレル)を頼ってLAへやって来る。そこで秘書のヴォニー(クリステン・スチュワート)に恋をするが、実は彼女は叔父の愛人だった。
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失意のうちにニューヨークへ戻ったボビーは、ギャングの兄が経営するナイトクラブのマネージャーとして成功し、頭角を現わしていく。優雅なブロンドヘアーのヴェロニカ(ブレイク・ライヴリー)と恋に落ち妻にするが、そこに秘書のヴォニーが現れる。
しかし、叔父のフィルが一旦妻との離婚話が進まず、失意のヴォニーがニューヨークへとやって来る。ボビーは結婚しようとヴォニーにプロポーズするも、叔父のフィルが離婚を決意して、ヴォニーは一転してフィルとの結婚を考えるのだ。
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ウディ・アレン監督の分身とも言える、アイゼンバーグ演じる主人公のボビー。アイゼンバーグの成りきりアレン監督具合が絶好調でありました。「ソーシャル・ネットワーク」で鍛え上げたマシンガントークもキレキレで、叔父フィルの美しい秘書ヴォニーには「トワイライト 初恋」で大ブレイクしたクリステン・スチュワートが選ばれている。
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ハリウッドのアイドルには珍しく、ほとんど陰鬱な表情が有名なクリスティンの、明るくチャーミングな面を引き出した初めての作品かもしれませんね。
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そして、ヴェロニカ役には、ヴォニーとは対照的な、華やかなブロンド美人のブレイク・ライブリーが、「ゴシップガール」でブイブイ言わせた彼女が、ふくよかなバツイチのマダムを演じている。
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夢のハリウッドにグラマラスなスター、LAは輝ける都市だが、この作品の中のボビーは、結局はニューヨークに居場所を見つけて、ニューヨークの洗練された社交界に身を落ち着けるのである。ボビーがウディ・アレン監督の分身であることは容易に想像できるが、ふたつの対照的な都市への眼差しも、ウディ・アレンの嗜好が反映されているといってもいいでしょう。もしあのとき、人生の岐路でもう1つの道を選んでいたら、今の私は……?
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本作では見目麗しいダブル・ヒロイン、クリステン・スチュワートがシャネルの衣装に身を包み現れます。今までのボーイッシュなイメージから抜け出して、クールで頭のいいヒロインを好演する。一方、アレンの「ローマでアモーレ」にも出演していたアイゼンバーグの素朴な演技は、かつてのアレンを思わせ、特にモーテルの部屋での娼婦とのコミカルなやりとりなど、まるで彼そのもののようでもある。
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それに、後半でのニューヨークでのナイトクラブでの描写。ハリウッドでの生活に見切りをつけた主人公は、故郷に戻って兄のクラブの仕事の手伝いをする。そして成功を手にするのだ。そこでもまた、美しい女性ヴェロニカに心惹かれていく。
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ただし、映画の主軸は主人公とふたりのヴェロニカとの恋のゆくえである。ニューヨークで再会した恋人たちが、セントラルパークを馬車で通りすぎる場面は、「マンハッタン」の再来とも思える美しさで、ストラーロのカメラワークが冴えわたっています。バックの音楽が心地のいいスィングジャズに乗って、すれ違う恋人たちの、何処か切ない思いが託される。もう、至福の時間であります。
2017年劇場鑑賞作品・・・100
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<感想>現在81歳であり、ほぼ1年に1本の割合で新作を発表しているウディ・アレン監督。47本目の長編となるこの作品は、第69回カンヌ国際映画祭のオープニング作品としてプレミア上映されたという。と同様にオープニングを飾った「ミッドナイト・イン・パリ」(11)や、昨年。招待作として上映された「教授のおかしな妄想殺人」(15)まで、カンヌでの上映は12本に登るというから驚く。
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そして、ウディ・アレン監督の映画には、いつも彼の人生の一部が投影されているといっていい。登場人物に彼の家族の名前が登場したりと、実際に彼が人生で遭遇した事件を織り込んだ、時には自身の恋愛体験を持ち込んだりと。
そうですね、「アニー・ホール」のように、それは彼の人生そのものではなく、かなり脚色されているのだろうが、それでもどこかに、アレン風リアリティがあって、それが映画の説得力を高めることも多いと言っていいでしょう。
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あらすじ:1930年代、黄金期のハリウッド。業界の大物エージェントとして活躍する叔父のフィル・スターン(スティーヴ・カレル)。ある日、ニューヨークの姉から電話があり、息子のボビーがハリウッドで働きたいというので面倒を見て欲しいと頼まれる。ブロンクス生まれのボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、叔父のフィル(スティーヴ・カレル)を頼ってLAへやって来る。そこで秘書のヴォニー(クリステン・スチュワート)に恋をするが、実は彼女は叔父の愛人だった。
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失意のうちにニューヨークへ戻ったボビーは、ギャングの兄が経営するナイトクラブのマネージャーとして成功し、頭角を現わしていく。優雅なブロンドヘアーのヴェロニカ(ブレイク・ライヴリー)と恋に落ち妻にするが、そこに秘書のヴォニーが現れる。
しかし、叔父のフィルが一旦妻との離婚話が進まず、失意のヴォニーがニューヨークへとやって来る。ボビーは結婚しようとヴォニーにプロポーズするも、叔父のフィルが離婚を決意して、ヴォニーは一転してフィルとの結婚を考えるのだ。
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ウディ・アレン監督の分身とも言える、アイゼンバーグ演じる主人公のボビー。アイゼンバーグの成りきりアレン監督具合が絶好調でありました。「ソーシャル・ネットワーク」で鍛え上げたマシンガントークもキレキレで、叔父フィルの美しい秘書ヴォニーには「トワイライト 初恋」で大ブレイクしたクリステン・スチュワートが選ばれている。
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ハリウッドのアイドルには珍しく、ほとんど陰鬱な表情が有名なクリスティンの、明るくチャーミングな面を引き出した初めての作品かもしれませんね。
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そして、ヴェロニカ役には、ヴォニーとは対照的な、華やかなブロンド美人のブレイク・ライブリーが、「ゴシップガール」でブイブイ言わせた彼女が、ふくよかなバツイチのマダムを演じている。
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夢のハリウッドにグラマラスなスター、LAは輝ける都市だが、この作品の中のボビーは、結局はニューヨークに居場所を見つけて、ニューヨークの洗練された社交界に身を落ち着けるのである。ボビーがウディ・アレン監督の分身であることは容易に想像できるが、ふたつの対照的な都市への眼差しも、ウディ・アレンの嗜好が反映されているといってもいいでしょう。もしあのとき、人生の岐路でもう1つの道を選んでいたら、今の私は……?
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本作では見目麗しいダブル・ヒロイン、クリステン・スチュワートがシャネルの衣装に身を包み現れます。今までのボーイッシュなイメージから抜け出して、クールで頭のいいヒロインを好演する。一方、アレンの「ローマでアモーレ」にも出演していたアイゼンバーグの素朴な演技は、かつてのアレンを思わせ、特にモーテルの部屋での娼婦とのコミカルなやりとりなど、まるで彼そのもののようでもある。
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それに、後半でのニューヨークでのナイトクラブでの描写。ハリウッドでの生活に見切りをつけた主人公は、故郷に戻って兄のクラブの仕事の手伝いをする。そして成功を手にするのだ。そこでもまた、美しい女性ヴェロニカに心惹かれていく。
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ただし、映画の主軸は主人公とふたりのヴェロニカとの恋のゆくえである。ニューヨークで再会した恋人たちが、セントラルパークを馬車で通りすぎる場面は、「マンハッタン」の再来とも思える美しさで、ストラーロのカメラワークが冴えわたっています。バックの音楽が心地のいいスィングジャズに乗って、すれ違う恋人たちの、何処か切ない思いが託される。もう、至福の時間であります。
2017年劇場鑑賞作品・・・100
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