パピとママ映画のblog

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あやしい彼女 ★★★.5

2016年04月11日 | アクション映画ーア行
日本でも評判を呼んだ韓国映画「怪しい彼女」の中国版「20歳よ、もう一度」に続く日本ローカライズ版。73歳の頑固おばあちゃんが、ひょんなことから姿だけ20歳の娘に若返り、やり残してきた青春を取り戻そうと奮闘する姿を描くファンタジー・コメディ。主演は「夜のピクニック」「君に届け」の多部未華子。共演に倍賞美津子、要潤、小林聡美。監督は「舞妓 Haaaan!!!」「謝罪の王様」の水田伸生。
あらすじ:73歳の瀬山カツはワガママで無神経な毒舌おばあちゃん。地元商店街ではいつもトラブルの元凶となる鼻つまみ者。女手一つで育て上げた娘の幸恵とバンド活動をしている孫・翼の自慢話に周囲は辟易。そんなカツの唯一の理解者が、昔なじみの中田次郎。彼女を一途に慕い、どんな時でも味方になってくれていた。ある日、幸恵と喧嘩して家を飛び出したカツは、見知らぬ写真館にふらりと足を踏み入れる。やがてふと気づくと、いつの間にか20歳の時の自分に若返っていたのだった。そしてひょんな成り行きから、大鳥節子と名乗り、次郎の家に居候することに。やがて、のど自慢大会がきっかけで翼のバンドにスカウトされたカツ。かわいい孫のためとひた肌脱ぐことに。一方、音楽プロデューサーの小林拓人も同じようにカツの歌声に魅了され、その行方を捜していたのだが…。

<感想>韓国版の怪しい彼女も観ましたが、日本版の方がよく出来ていると思う。というのも、主人公のおばあちゃんカツを演じた倍賞美津子さん、久しぶりに観ましたが演技が上手いです。オードリー・ヘップバーンに変身した、若返った多部未華子の綺麗で可愛いらしさに、歌も上手いし演技も上手いし驚きました。

多部ちゃんは、3カ月のボイストレーニングを経て、吹き替えなしで日本の懐メロ「見上げてごらん夜の星を」を歌うのだ。心が洗われる澄んだ歌声と、キレ味のあるキュートな一挙一動、表情の七変化には驚き、彼女の魅力を堪能できる映画ですね。

多部の元の姿を倍賞美津子が、若くして夫を亡くし、シングルマザーとして働きながら娘を育て、辛い青春時代を振り返りながら歌う「悲しくてやりきれない」には、つい涙がほろりですから。

音楽プロデューサーに要潤が扮しており、二人のラブラブシーンも見られますからね。
おばあちゃんカツの娘役を小林聡美が扮しており、母親の町内で浮いた存在であること、いつも孫を甘やかしてる。娘が出版社で編集長をしていると鼻高々で言いふらしていることも。娘には母親がウザク感じてしまい、つい母親を疎んじてしまうのだ。

それでも、家出をした母親を探していく内に、まさか20歳の若返った母親と遭遇する場面では、孫が交通事故で輸血が必要となり、血液が当てはまるのが祖母のカツだけだと。そこへ駆け付けた20歳若返ったおばあちゃんのカツが、孫のために輸血を申し出るのだ。血液を全部出し切ると、もとの73歳のおばあちゃんに戻るのに、それを承知で孫の為にと。

娘役の小林聡美を多部未華子が抱きしめる場面では、年下の多部から母性愛が溢れだしているように見えるのだ。今回は多部未華子のハマリ役と言っていいし、この演出も上手い。

近所の銭湯の主人とは幼馴染の中で、その銭湯のパートをしているカツ。そこへ来る近所のおばさんに金井克子が扮しており、派手なメイクで町内のカラオケのど自慢で「恋の奴隷」を歌ってくれる。

ラストでは、元の73歳のおばあちゃんに戻ったカツが街を歩いていると、今度は銭湯の主人が、写真館に入り20歳に若返ってやって来て、おばあちゃんに戻ったカツに誘いを掛けて来るのだ。
韓国映画を巧みに下町人情劇に生かしており、古い街の写真館というのも、どこか神秘的な雰囲気があったものだが、そこは過去の世界の映画風景にも通じるタイムトンネルのような役割を果たしているようだ。

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