パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ジュピター ★★★.5

2015年03月30日 | アクション映画ーサ行
アンディ&ラナ・ウォシャウスキー姉弟による、16年ぶりの完全オリジナルのSFアクション大作。宇宙最大の王朝に支配されている地球。家政婦として働くジュピターは、何者かに襲われたことをきっかけに、自身がその宇宙を支配する王朝の王族であることを知る。
王朝ではバレム、タイタス、カリークというアブラサクス家の3兄妹が権力争いを繰り広げており、それぞれが自身の目的のためジュピターを狙っていた。ジュピターは、遺伝子操作で戦うために生み出された戦士ケイン・ワイズに助けられながら、アブラサクスの野望から地球を守るために戦いに身を投じていく。ケイン役に「G.I.ジョー」のチャニング・テイタム、ジュピター役に「ブラック・スワン」のミラ・クニス。ジュピターを狙うバレム役には「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインが扮している。ウォシャウスキー姉弟にとって原作のないオリジナル作品は「マトリックス」シリーズ以来で、初の3D作品。

<感想>SFアクション大好きなので期待して2Dで観賞。ですが、最悪な展開になっているとは、確かにVFXやCGの力で宇宙空間の映像美はバッチリでしたが、物語が、まさかのお家騒動とは、地球にいたヒロインが実は宇宙を支配する王家の娘で、後継ぎの女王であることから始まり、その母親がじつは女王で宇宙を支配していた。木星にある銅像が、ジュピターそっくりでなるほどと。

それに姫を守る遠くの星からきた傭兵のケインは、耳が尖っているオオカミと人間のハーフで、全宇宙を巻きこむ争いに立ち向かう。ケインには、実は背中に羽が生えていて、それが王族に噛みつき投獄され羽を取られたみたい。ですが、お姫様とは結婚できないけど、好きになったから必死に守ってやるというお話。

お互いに惹かれあっているも、格差婚は出来ないし、でもキスシーンはたくさんありますからね。ラストで、ケインに翼を返してあげるジュピターと、“反重力ブーツ”を履いたジュピターが、空を自由に飛びまわるシーンが見られます。

お姫様のジュピターには、ミラ・クニスが、結婚式の衣装は、花をモチーフにした素敵なドレス姿のミラが美しいです。
なかでも序盤のシカゴ上空で展開する、傭兵ケインと敵戦闘機との壮絶なチェイスが目を見張ります。ワイヤーアクションとVFXを融合させ“反重力ブーツ”という設定により、空中で自在に舞うケインの姿は、実際にワイヤーで上空に吊られて撮影されたもの。ケイン役のはチャニング・テイタムが実際にスタントに挑んだ究極のリアルアクションでもあるのだ。

族の中では、地球の母親を人質にとる長男のパレムには、オスカー受賞のエディ・レッドメインが邪悪な悪役を声を低くしての怪演。彼の冷酷非道な性格の裏にあるどこかマザコン的な一面には、思わず背筋が寒くなります。
末っ子のタイタスには「ノアの約束の舟」のダグラス・ブースが扮しており、美貌の維持に余念がない長女カリーク(タペンス・ミドルトン)が、ジュピターの命を狙う。

そして、ケインの元上司のスティンガーにはショーン・ビーンが、だが、王家の相続継承者が雇った賞金稼ぎに襲撃され、長女のカリークの王宮へと連行される。その他にも、ジュピターが王家の資格を得るために訪れる連邦本部の大臣役に、テリー・ギリアム監督が特別出演している。どこかレトロなお役所を思わせる舞台とキャラクターは、彼の「未来世紀ブラジル」の世界観を思い出さずにはいられない。
そして、「クラウドアトラス」からジェームズ・ダーシーが、ジュピターの父親役で出演しており、気性の荒い宇宙人の賞金稼ぎラゾ役で、ペ・ドゥナがアクションを披露してくれている。

末っ子のタイタスは、雇ったケインを拘束してジュピターに結婚を要求するわけ。けれど、彼女は継承者たちが人類を滅ぼそうとしていることを知り、ケインと人類を救うためにある決断をするのだが。というのも、彼らが若若しくていられる不老長寿の水とは、驚くなかれ地球人たちを亡き者として、人間の生き血や体内の水を吸い上げたものがその不老長寿の水なのだ。
これまた「マトリックス」っぽい設定なのだが、ジュピターの母親が生贄になるところを、彼女が長男のパレムの言うことをのんで、殺されそうになる。だから、ジュピターは人類の救世主なのだ。

巨大な宇宙船やバイク型戦闘機、戦闘用の人型ロボットなど、ウォシャウスキー作品らしいスタイリッシュなガジェットが溢れているのに驚いた。特にケインが飛行に使う反動力ブーツは、高速で自在に空中を飛び回る優れもの。
そして、全編に渡り様々なクリーチャーが登場します。大きなトカゲのような爬虫類系の兵士や、尖った耳が特徴のエルフを思わせる宇宙船の乗組員たち。ふくろうっぽい顔の王族の側近などなど。SFの映画の真骨頂のようなキャラたちに目を見張ります。

オマージュと言えば、木星の巨大な衛星都市のシーンでは、宇宙空間に浮かぶ大小無数の宇宙船の中に、あのスタンリー・キュブリック監督の「2001年宇宙の旅」に登場する宇宙ステーションが浮かんでいるのだ。

それから、ウォシャウスキー姉弟監督のマニアックさ、特に感じさせるのが、ケインとスティンガーが敵陣に突撃する際に乗り込むのが、もうそれは「パシフィック・リム」の、あの“人型の機動兵器”である。一応これまでの無骨なものとは一線を画したデザインで登場しているのだが、「スターウオーズ」とか、何だかパクリし放題に見えました。このほかにも未確認のオマージュが存在するのだが、いくつ発見することができるのか、なんていうのも楽しいかも。
「クラウドアトラス」
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