パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ジャックと天空の巨人 ★★★★

2013年03月26日 | アクション映画ーサ行

天まで届く豆の木の先には巨人の国があった!イギリスで生まれた童話「ジャックと豆の木」をベースに、人間と巨人の壮絶な戦いを描く3Dアドベンチャー。監督は「X-メン」のブライアン・シンガー。出演は「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のニコラス・ホールド。新人女優のエリーナ・トムリンスン、「人生はビギナーズ」のユアン・マグレガー等。

あらすじ:農場で働く18歳の青年ジャックは、自分の馬と引き換えに不思議な豆を手に入れる。ある雨の晩、地面に落ちた豆は急成長し、巨大な蔓がジャックの家を貫いて天空まで伸びてゆく。丁度その時、ジャックの家にいたのが、城から逃亡していたイザベル姫。ジャックは天空に消えた姫を救うため、国の衛兵エルモントやロデリック卿とともに、雲の先まで伸びた豆の木を登っていく。

木のてっぺんまで登りきった一行が目にしたのは、浮遊する空の島。驚きはそれだけではなかった。そこに暮らしていたのは、太古から生きる凶悪な巨人族だったのだ。巨人の圧倒的な力を前に、エルモントたちはなすすべもなく捕まるが、難を逃れたジャックは巨人の巣窟に潜入し、囚われのイザベル姫とエルモントを救出する。ジャックたちは無事に地上へ戻り、豆の木は切り倒された。
だが事態はそれで終わらなかった。腹黒いロデリック卿が、王家に伝わる“伝説の王冠”の魔力で巨人たちを支配し、地上の侵略に乗り出したのだ。
巨人たちは新たな豆の木を伝って、次々と地上へと降り立ってゆく。その数、じつに100体以上。迎え撃つのは、ジャックを含む少数の人間たち。地上の運命をかけた一大決戦が幕を開ける。
<感想>「ジャックと豆の木」は日本でも最も知られた童話のひとつだが、作者は不詳。元々はイギリスに伝わる昔話で、地方ごとに別バージョンもあるという。主人公は母親と二人暮らしの少年ジャック。彼が手に入れた魔法の豆は巨大な木となり、天空にある巨人の城へ伸びていく。金の卵を産む鶏、金銀財宝、ハープを盗むが、・・・というのがおなじみのストーリー。豆の木のモチーフは、漫画やゲームなどに様々な形で転用されているが、ストーリー自体をここまで大胆にアレンジしたのは今回が初めて。
やたら大仕掛けで入り組んだストーリーが主流の昨今のファンタジー映画の中、本作はとにかくシンプル。陰謀やサプライズもあるにはあるが、巨人族との真っ向勝負に的をしぼった胸のすくような展開こそ一番の魅力ではないかと。
豆の木に登って巨人と戦う話なら「豆の木」だけでいいのでは、ということではない。全体のテイストが実は「巨人たいじ」の方なのだから。巨人から逃げ回る話ではなく、ジャックが巨人たちにバトルを挑み、刺したり、絞めたり、溺れさせるわ、ぶった斬るわと前編がアクションで、全編が阿鼻叫喚というなにげに激しくも、グロイ話になっている。出てくる巨人も定番の知能が低いデクの坊から二つ頭に、魔術師と手を組む狡猾な策士までバラエティ豊かで、そんな巨人退治のエッセンスがシンプルな本作のスパイスになっているのだ。
さらに前半は「豆の木」のジャックだったのが、しだいに「巨人退治」へと成長してゆく姿も見どころの一つです。原題が「巨人たいじのジャック」であったことからも、その比重のたかさが分かる。監督はブライアン・シンガー、おとぎの世界を舞台にした本作では、正義と悪をきっちり区分けして、得意のパンチを効かせた語り口で、ダイナミックなアクションで押しまくる。
映画の目玉である巨人たちは醜悪で残忍、雑食性で人間の肉が大好物という設定。巨人に捕まった人間は、着衣のままパイ生地に巻かれて鉄板で焼かれるのだ。彼らにとっては人間などお菓子のロールパイくらいにしか思ってない。おまけに二つ頭の双生児ファロン将軍を筆頭に、どいつもこいつも血の濃そうなフリーク仕様。
後半で彼らは群れをなして地上に降り立ち、ご馳走どもを追い回すのだ。
城塞でのド派手な攻防戦など息つくひまなく繰り返されるスぺクタルは圧巻。狡猾でそれなりに知能も高いし、暴れるだけの怪獣とは一味違う頭脳プレイも披露する。
これら巨人たちは、俳優たちの表情まで取り込むお馴染みのパフォーマンス・キャプチャーで撮影。メインで暴れる二つ頭のファロン将軍は、ここ数年ファンタジー映画には欠かせない大活躍のビル・ナイが演じている。
ジャックとイザベル姫の恋物語、腹黒いロデリック卿にはスタンリー・トゥッチと、トリッキーなその腹心のコンビなどの設定に加え、人間が隠れた岩山を巨人が叩き壊したり、城門をめぐる攻防戦、これはユアン・マクレガー扮するエルモントの大活躍。城内での追いかけっこに、ラストバトルの戦法など見どころ満載で面白かった。
2013年劇場鑑賞作品・・・55  映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ