パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス★★★・8

2018年03月09日 | アクション映画ーサ行

カナダの女性画家モード・ルイスと彼女の夫の半生を、「ブルージャスミン」のサリー・ホーキンスと「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホークの共演で描いた人間ドラマ。監督はドラマ「荊の城」を手がけたアシュリング・ウォルシュ。

あらすじ:カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモードは、買い物中に見かけた家政婦募集の広告を貼り出したエベレットに興味を抱き、彼が暮らす町外れの小屋に押しかける。子どもの頃から重度のリウマチを患っているモード。孤児院育ちで学もないエベレット。そんな2人の同居生活はトラブルの連続だったが、はみ出し者の2人は互いを認め合い、結婚する。そしてある時、魚の行商を営むエベレットの顧客であるサンドラが2人の家を訪れる。モードが部屋の壁に描いたニワトリの絵を見て、モードの絵の才能を見抜いたサンドラは、絵の制作を依頼。やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領から依頼が来るまでになるが……。

<感想>2度のアカデミー賞ノミネートを誇る実力派ホーキンスが、圧巻の演技でモードに“変身”。本年度のアカデミー賞最多候補作「シェイプ・オブ・ウォーター」では主演を務め、米批評サイト「Rotten Tomatoes」で史上最高評価を記録した「パディントン2」にも出演する、まさに今が旬の演技派ホーキンス。持ち前のかわいらしさと本人が乗り移ったかのような圧巻の演技で、モード・ルイスその人になりきった。

カナダの自然の風景や動物たちをかわいらしく、色彩豊かに鮮やかに描いた画家モード・ルイスの人生をつづる。オークションでは作品が500万円以上の高値で落札されているカナダの人気画家モード・ルイスの人生を、最愛の夫エベレットとの関係に焦点を当ててつづる本作です。

家政婦と雇い主として出会ったモード(ホーキンス)と漁師のエベレット(ホーク)が夫婦になっていく姿を、郊外の一軒家での慎ましやかな暮らしと共に描き出す。ガスも電気も水道もない小さな家に暮らし、素朴で愛らしい絵を描き続けた主人公のモード・ロイスを演じたサリー・ホーキンスの演技が絶妙で上手い。

若年性関節リウマチという持病に悩まされつづけ、家族からは厄介者扱いをされたことにうんざりした彼女は、町はずれに暮らす寡黙な魚売りの男エベレットのもとで住み込みの家政婦として働き始める。

しかし、交わることが苦手な癇癪もちのエベレットは、モードを飼っている犬以下の役立たずと罵しったり、人前で彼女をぶん殴ったりと、最低な男であった。それでも、彼が、モードが絵を描くことをダメだと言わないことに気をよくして、彼女は自分が好きな絵を描くことが出来るここが、安息の居場所なのだ。雑貨屋の主人が、「こんな絵は子供でも描ける」と言ったのを、エベレットが帰り道で「馬鹿野郎」と言うのを嬉しそうに聴くモード。

二人は、時にぶつかり合いながらも、お互いを大切に思うようになったモードとエベレットは、小さな結婚式を挙げる。教会を出たモードはエベレットに腕を絡ませ、エベレットも渋々応じる。その後、モードはエベレットが押す荷車に揺られて自宅へと帰り、2人は寝室で静かにダンスを踊る。

無骨で他人を拒絶しがちなエベレットが、仏頂面ながらもモードへの愛を示し、「今日だけだぞ」とダンスに応じるなど、2人が夫婦として歩み始めたことを伝える感動的なシーンとなる。

孤児院育ちで人付き合いが悪い男、いつも不機嫌な荒くれ夫を演じたイーサン・ホークが、妻の絵が意外な値段で売れることに驚き、それからは、彼女が絵を描くことに文句を言わずに見ているだけで、本当は心が優しい男を演じている。

それに、リウマチで背なかの丸まったモードになり切り、昔、子供を妊娠し、死産をしたことを打ち明ける。出て行けと意地悪オバサンが、死ぬ前に打ち明けてくれたのが、実は、子供は金持ちの家に、お金で売られたと言うことを聞かされる。ラスト近くに、夫がその子供が住んでいる家を見つけて、モードを連れて行く姿にほっこりとする。それにしても、モードの歩き方などもサリー・ホーキンズの熱演がやはり素晴らしい。

「一組の古い靴下みたいね。片方は伸びてヨレヨレで、もう片方は穴だらけ。色も灰色に。あなたは真っ白なコットンよ」(モード)、「じゃあ、お前はロイヤルブルーだ。それかカナリア色」(エベレット)と、ぶつかることの多かった2人が互いを認め合うセリフも中々の好演であった。

それと、モードが画家ならではの言葉で「私は窓が好き、鳥が横切ったり、蜂がきたり、毎日、違う命がいっぱい。いろんな命がひとつのフレームにいるの」というモード。窓というフレームを通して、風景を見るとは。生涯を振り返り「しあわせだった」と。ラストで、実在した二人のモノクロ映像から受けた印象が素敵でした。

 2018年劇場鑑賞作品・・・45アクション・アドベンチャーランキング

 映画に夢中

トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/29640752