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日本のいまを考える#53  いま、言葉のちからを考える ~その2



祝日は国旗を掲揚しましょう。


★精神学協会「日本のいまを考える」から転載

『精神学協会』
http://www.godbrain.com/gb/letter/



■日本のいまを考える#53


● いま、言葉のちからを考える ~その2


注:西部氏の講義動画は現在、削除されています。

一月二十一日に亡くなられた西部邁さん、その前日の一月二十日に放送された講義がありました。

   2018年1月20日放送
   「言論をめぐって」 西部邁ゼミナール長による特別講義【1】
   https://youtu.be/5kwFfCNUZeI  

その放送内容は、下記のとおり紹介されています。
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 日本人のコモンセンス「良識」を取り戻して欲しいと、近代化・大衆化に批判を差し向け、物事を総合的に捉えようと言論活動をしてきた西部邁ゼミナール長が語る特別講義。
 40代に入り「言論」というものに本気で取り組んだ西部邁氏が、戦後の知識人の中で最も尊敬する一人である福田恆存が呟いた「言論は虚しい」。
単純な模型のようなものが大量に流行するアメリカ流の近代化・大衆化に対する批判を差し向け、国家観、歴史観、人間観の全体像を総合性・一貫性・誠実性を持って捉えようと雑誌・TV・講演・塾と30年以上にわたり言論活動体を続けた西部邁ゼミナール長が「言論」をめぐって語る特別講義。

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「言論は虚しい」という絶望的な感覚は、頭脳明晰な方にとっては特に、真剣に取り組めば取り組むほど、胸に迫るものがあるのは事実だと思います。ごく普通の庶民でも、どうしてこんなにも危機感が伝わらないんだろう、と思うくらいなのですから、多くのデータやインテリジェンスの情報をお持ちの方々にとっては、さぞかし歯がゆくもあり、「こりゃ駄目だ」と思われるのも仕方がないと感じます。

一方で、私自身は、この世界において言論が虚しいのは当たり前という感覚もあります。
言葉の定義そのものから一人ひとりの感覚は違いますので、伝わり具合の度合いが異なるだけ、という風にも認識し、自分自身のチャレンジとして、伝え方の研鑽を日々積んでいきたいと思っています。

私としては、人生は言論のためだけにあるわけではないと考えておりますので、ご自身の美学に酔うことなく、後輩たちのためにも、まだまだ活躍していただきたかったです。

生前最後のメッセージとなったのは、

   2018年1月27日放送
   永訣!西部邁先生の生前最後の言葉 特別講義【2】「現代の日本社会」
   https://youtu.be/BBAzaFabRZg  

そして、こちらもぜひ、ごらんください。

   2018年1月13日放送
   『プライマリーバランスの大嘘』
   https://youtu.be/6D3AX75K78w  

安倍首相自身は、PB黒字化目標が間違っていることはよくご存知のようですが、財務省とPB黒字化推進の方々の岩盤はかなり固いようで、PB黒字化目標をはずすには、多くの代議士からの提案や後押しが重要な局面のようです。代議士を動かすのは地盤の市民であったりするわけで、地域の代議士たちに声をかけ、言葉として伝え、陳情していくことから始まるといえるのかもしれません。

西部さんをこのような形で見送らなければならないのは、とても残念です。

年を重ねていくと、若いころには考えもしなかったことが現実にやってきて、老いた親を看ることや、自分自身の健康不安など、時にはこれ以上の生き恥をさらすのは嫌だと思うような機会も自然ともたらされます。
人は生涯現役で生き抜き、その過程で絶望を希望に変える知恵をもつことが、自らを活かす術だと思います。

今週は、友人と共に、宮中の勤労奉仕に上がらせていただいておりました。
今上陛下は今年のお誕生日をお迎えになると八十五歳におなりです。
天皇皇后両陛下の御会釈(おえしゃく)に預かりましたが、深い慈しみのお心と輝くばかりの神々しさに圧倒され、御下問(ごかもん)の内容にも、一つひとつの所作の美しさにも感動いたしました。
言葉にならないほど、ありがたい機会をいただき、感謝しかありません。

いま、世界には君主国が二十八カ国あるそうですが、このような素晴らしい天皇陛下のしらす、世界最大の君主国に生まれさせていただけたことに、感謝の心がますます湧き上がります。

天皇皇后両陛下は、毎日のご公務に加え、災害などがあると、現地のみなさんの悲しみに寄り添われ、助けに入る人々への慰労もあわせ、受入れ側に負担を掛けぬよう日帰りでお出かけになります。
週刊誌や新聞が、皇室に関して、どんな酷い記事を書こうと、そうした心ない国民に対してもお心を配られます。
「おおみこころ」というものは、そうしたものと感謝して、私たちも「おおみたから」として、まさに、生涯現役のお手本といえるお姿そのものに見習いたいと思います。

前回は、「アンパンマンのマーチ」のことを書きましたが、友人とアニメソングの話で盛り上がっていたら、「こんなものがあった!」とびっくりするようなテーマソングを教えられました。

-----------------------------友人のメールから

   こんな歌もあったんですね~思い出しました。
   レインボーマンの敵「死ね死ね団」の歌、完璧金権主義+共産の歌ですね。
   https://youtu.be/pHd9gKOJ5jg  

   同じ川内さんが世に知られるきっかけになった「月光仮面」はおでこに三日月が、
   その後作られた「レインボーマン」はおでこにお日様があります。
   太陽の化身の他にも6つに変身できる象徴としてのレインボーマンというヒーロー
   名。
   虹は西洋では「GAY」の象徴でもありますが、大きな意味では
   「多様性」「和」=みとめあいを表したともいえますよね。

-----------------------------ここまで

レインボーマンのテーマソングにある「死ね死ね団をやっつけろ・・・」という歌詞で、「死ね死ね団」という敵役の存在は耳にしたことがありますが、敵役の歌の存在は知りませんでした。
ご存知ですか? 「死ね死ね団のテーマ」 
びっくりしました。画面を見て思わず、書き取ってしまいました・・・

「死ね死ね団のテーマ」  作詞 川内康範

  黄色い豚めをやっつけろ 
  金で心を 汚してしまえ
  死ね死ね死ね 
  日本人はじゃまっけだ
  黄色い日本 ぶっつぶせ
  死ね死ね死ね 世界の地図から 消しちまえ
  死ね死ね死ね 死ね死ね死ね

  死ね死ね死ね 死ね死ね死ね死ね 死んじまえ 
  黄色い猿めをやっつけろ、夢も希望も奪ってしまえ、
  地球の外へ ほおりだせ 黄色い日本 ぶっつぶせ
  死ね死ね死ね 世界の地図から 消しちまえ
  死ね死ね死ね 死ね死ね死ね

昭和四十年代後半かと思いますが、子供たちのアニメソングのなかにこのような歌詞があったとは、驚きました。

言霊の思想からしたら、現実化を引き寄せないように避ける、忌み嫌う言葉が満載です。
子供たちがこのような歌を、そうとは知らずに歌っている状況というのは、非常に不吉な、空恐ろしいものがあります。
現在なら、あっという間に情報が人々の間をかけめぐり、非難殺到となるでしょう。

言霊的には芳しくありませんが、突き詰めてしまえば友人の言葉通り、「愛の戦士レインボーマン」(川内康範原作)の内容が、「日の丸日本代表レインボーマンと金権グローバリスト+共産との戦いの物語」で、レインボーマンの敵役となる「死ね死ね団」は、その歌詞にある存在を認識した上で描かれているのかもしれません。

森進一さんの歌でヒットした昭和歌謡、「おふくろさん」の作詞でも有名な川内康範さんですが、ユニークな方だったというだけでなく、論壇には立たずとも、憂国の士でいらしたのだとあらためて感じました。

結局人々が「戦う」のは、人というよりは「イズム(主義)」であったり、考え方、生き方の「思想哲学」なのだと私は思っています。
はっきりした主義主張や思想哲学を持たない方々は、ちょっとしたきっかけで誘導されやすくなります。
小泉政権時代に言われた「B層」の扱いのように、次元の低い「感情」による誘導のされ方は、論理的でないため、さらに悪質な争いになりがちです。

しっかりと自分自身が志をもって生きるには、よく考えて、よく生きることが大事です。それは学力や偏差値とはまったく関係ありません。

日本のアニメが世界で好まれるのは、その登場人物の繰り広げる世界観に、「和を以て尊しと為す」にはじまる「十七条憲法」と通じる基本精神があるからなのかもしれません。
それは、慈しみの心であったり、恥を知る文化であったりという土台の上に成り立つ、愛、勇気、正義を生きる姿でもあります。

外国人があこがれる日本の、その芯を失いつつあるいまの日本。
魂を揺り起こし、もう一度、一人ひとりの人生目標と共に、自らが考える理想社会のあり方を見直す必要があるのではないでしょうか。
日ごろ漠然と考えていることを言葉の形で書き出し、あらためて見直すという作業をぜひ、やってみてください。
言葉にして書き出すと、第三者の目で見直して、反省したり軌道修正したりすることができます。


平成三十年二月二日
阿部 幸子
協力 ツチダクミコ
協力 白澤 秀樹

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