北の大地 冬の旅

　茫々と広がる　海浜砂丘　はるか先には白い灯台　砂崎岬です。
　
　車を止めて砂浜に降りました。　海の上には　オオセグロカモメの大群が　風に流されて迷わないよう　必死になって飛翔しています。

　カモメの行方を追いながら　ふと　自分の来し方を振り返っていました。　　　　
　私は根っこからの浪速っ子。　教育勅語で学んだ昭和1桁世代です。　大阪に本社が所在する会社に３７年間勤め上げて定年を迎えた純粋の大阪人。

　子供も巣立ち　妻と二人の生活。　
　さーてと 定年後の生きがいの地を　何処にしようかなーあと、田舎生活に　ばくぜ～ん　と憧れていました。

　そんな頃　通勤時の満員電車に揺られながら　日経新聞の広告に目をやっていました。　　北海道南部　駒ヶ岳山麓　内浦湾沿い　自然の豊かなのリゾート地。　　よさそうなとこやなー。　なぜか心に釘ずけられました。
　
　そして　定年1年前に　その土地を訪ねました。

　それから13年が過ぎました。　６０代になると　風に押されるように時が流れていきます。　耳元に響くような速い時の流れです。