ミスハコの黒海
5月10日
この日は午後からゲレンジークの海岸を散歩しました。
ゲレンジークに出掛ける前に電話が鳴り、お婆ちゃんが呼んでいると言うので、街のお婆ちゃん家に寄りました。
お婆ちゃんはいつも会う度に、お菓子や、緑茶、ロシアの小さなお土産、また「これでダンスにでも行ってらっしゃい♪」と、お小遣いまでくれました。
お婆ちゃん、私、盆踊りしか踊れない(ノω・、)
何よりも貴重だった体験は、スターリン時代の、苦しくて、怖くて、怯えて過ごした時代を、ときどき目に涙を浮かばせながらも、惜しまず私に語ってくれたのでした。
お婆ちゃんがこの日、今から来れるかと会いたがっていたので、急にどうしたんだろうと不思議に思いながらも会いに行きました。
83歳になったお婆ちゃんは、もう病気なのですが、いつも、そしてこの日も、綺麗にお化粧をして、真っ赤な口紅の塗ったキスで出迎えてくれました。
「ここに座りなさい」
私はテーブルの前のソファに座るように誘導されて、お婆ちゃんはその横に座りました。
奥からお爺ちゃんが出てきて、一つ、箱をテーブルの上に置きました。
「この魚とり網はおじいちゃんの手作りなのよ」
さすが元船乗り
今でも時々海に出ると言うお爺ちゃんの、手作りの網に見惚れながら、ゆっくり縄を解きました。
指示されたように箱を開けると・・
あっ・・・!!
私は昨日の市場(北コーカサスへの旅 その8)で、買おうか買わまいか、グジェリ陶器の前で悩んでいた姿をしっかりお父さんに見られていた様でした。
「あなた、これ欲しかったんでしょ」
お婆ちゃんが嬉しそうに、そして私が口を開くのをワクワクしながら待っていると言う表情で、顔を覗いていました。
しばらく固まっていた私の口から、やっと出た言葉が
「もう!!お父さん、喋ったな(笑)」
やられた~って表情をしながらお婆ちゃんを力いっぱい抱きしめる私と、嬉しそうに応えるお婆ちゃんの姿。
その場にいる皆が幸せそうな表情をしていました。
お婆ちゃんに「今日はゲレンジークの海岸を散歩する」と伝え、出発しました。
*ここからしばらく、私の個人的な趣味の世界にお付き合い頂く恐れがあります。
最近のブログで「地層オタク」になった事をカミングアウトした私ですが、まだ隠している事があるんです。
「地層オタク」ってタグに、「バス停オタク」と「モザイク画オタク」を足して欲しい
ロシアのバス停:
ソ連時代に造られたバス停は各地域によってオリジナルである。
モザイク画:
モスクワやサンクト・ペテルブルクの地下鉄の駅構内にも見られるように、ロシア人はモザイク画が大好き!!
ゲレンジークの海岸に着くまで、しばしバス停とモザイク画をご堪能下さい。(え?興味ないって??)
バス停:1 (滞在したダーチャのバス停)
バス停:2 (ノヴォロシースク市内)
バス停:3
バス停:4
バス停:5
バス停?:6
バス停:7 あと0.001秒早くシャッター押してれば(><)
モザイク画:1 グリコ
モザイク画:2
モザイク画:3
モザイク画:4 トイレ
ゲレンジーク
ゲレンジークの海岸はΩ型の湾になっている事から、とても穏やかな海でした。
鳥の餌箱 中に松ぼっくりが入っている
この街にも、戦争で亡くなった方々の記念碑が建てられていました。
この記念碑の横に資料館があったので、入ろうとドアノブを握ると、
むむぅ?開かない・・。
「今日は休館日なのかな?それともお昼休みかな?」
ドアの横に書かれている案内表をよく読みました。
休館日:木曜日以外
つまり、木曜日しか空いてないんですね(`・з・)ブー
資料館は諦めて、この海岸でゆっくり、何も考えずに過ごす事にしました。
日本料理「アヤシ」と書かれた看板。
きっとアヤシイって言いたいのかな・・?
扇子が中国(笑)
ゲレンジークはロシアのリゾート地で、非常に温暖な気候の街。
夏は暑くて、秋は温暖、冬も穏やかで雪はあまり降らない事から、ロシア各地から海水浴やスパなどへ観光客が集まります。
普段、東京の満員電車の中で往復している私も、ここゲレンジークでは、ゆっくり座って、どこへ行くでもなくゆ~っくり歩いて、噴水の傍でバナナ食べて、シャボン玉で遊ぶ子供達を眺めて、自由で、気持ち良さそうに飛ぶカモメを目で追ったり。
そこには確かに、平和で幸せな時間がありました。
また別な日は、アナパと言う街へ行きました。
アナパもリゾート地であるが、ゲレンジークが都市ソチ方向に位置しているのに対して、アナパはアゾフ海の入口近くに位置する。
アナパの海岸近くで「人生最高」という表情で寝ていた猫w
ロシア人の好んで使う口癖が、人生最高!!
私もこれから頻繁に使おう(笑)
でも近寄ったら「なんだよ~ぉ」って不機嫌そうにされた(笑)
古代のゴルギッピアの発掘現場
ゴルギッピア:
紀元前6世紀、シンダのあった場所に古代ギリシア人が植民し、ケルチ海峡周囲を治めるボスポロス王国の王の名を採ってゴルギッピアと名づけた。
アナパの隣町(と言うより村!!)ヴィティャゼヴォの砂浜
ヴィティャゼヴォで見た、太陽の光輪
まだ冷たかった
海のすぐ傍に山々が並ぶアナパ、ノヴォロシースク、ゲレンジーク。
そこは、私の生まれ育った岡山と良く似た地形でした。
穏やかな波を打つ黒海は、まるで、幼い頃からずっと眺めていた瀬戸内海の様にも感じられるのです。
公園に咲いてた草花
日本に発つ前日は、ノヴォロシースクが名残惜しくて、一日中市内を歩いていました。
ユーリー・ガガーリン資料館
ノヴォロシースクの遊園地
ロシアのおとぎ話:バーバヤガー(やまんば)の家
花壇のセンスが謎
微妙な鳥の家
不気味な乗り物。 ミッキーかわいくない。。。
コイン入れたら上下に動く車
バーバヤガーとツーショット
こんな気味の悪い遊園地、本当に子供達が遊ぶのだろうか・・。
う~ん、やっぱりロシアって謎。
最後の夜は、そのままずっと黒海沿岸に残って、海を見て過ごす事にしました。
ノヴォロシースク沿岸にある円形の超高級マンション
このマンション、実は、誰一人と住んでいないのです。
理由は、
「ここの地盤は柔らかいから、人が入ったら建物が倒れてしまう」
と、マンションが出来上がった後に気付いたから。
やってる事、おかしすぎるっヽ(゜Д゜三゜Д゜)ノ
それ、設計する時に調べるよね??
噴水の前で踊る恋人達
それを優しく見守る海の女神
公園で「わたあめ」を注文する女の子。
「わたあめ」はロシア語で
сахарная вата(砂糖の綿)
サーハルナヤ ワタ
や、
сладкая вата(甘い綿)
スラートカヤ ワタ
日本語の「綿」は、ロシア語も「ワタ」と発音します。
日本の子供達も、ロシアの子供達も、幼い頃の思い出に「わたあめ」があるのは一緒なんだね。
もうすぐで、この旅シリーズも終わるけど、
まだ、つづく(´・ω・`)ノシ
2013年7月26日(金)
ピアニストYuriと北川翔でお届けするロシアン・バラライカ・ナイト♪
六本木の夜がロシアン・ナイトに変身します。
是非お越しください♪
ご予約アドレス noimy3uka@yahoo.co.jp