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北コーカサスへの旅 その10

2013年06月15日 | ロシア

スターリー・パルク

「北コーカサスへの旅」も、いよいよ終わりに近づいて来た今、

何を書こうかと考える。


最も書き留めておきたいと感じたのは


一番お世話になった場所、


ダーチャ



そこでの日々について綴ろうと思います。




ダーチャの朝はいつも、鶏、犬、鳥の声が私を夢から起こし、目覚めると決まって最初に明るい太陽の光が挨拶してくれました。


蜂蜜と一緒に食べるひまわりの種

このデザートを食べて、ようやく一日が始まります。


お花に水やりをして


日に日に、大きく広がる葡萄の葉に、昨日までの大きさを思い浮かべ


ツボミから目覚めた美しいお顔に感動し


巣を創り始めた蜂と、そっと距離を置く


望遠鏡で見る太陽


手作りの、鳥の餌箱




この山には私達を含め、27世帯のダーチャがありました。

週末だけダーチャで過ごす人もいれば、ここで牧畜業を営んでいる人もいました。


山に放たれた牛



私は牛見たさに、山の上まで追いかける事にしました。



森の中が一番涼しかったです。


流れる小川


さるのこしかけ


トカゲ

見えました?


恥ずかしがり屋さん


アカシアの花 もうどれだけ撮っただろう

森を出ると、そこにはただただ広い高原がありました。




Mow!!牛のすぐ近くまで来ました。


何匹かはこっちに気付いていた様だけど、変わりなく草を食べ続ける牛たち


しかし


牧羊犬に気付かれる

その近くに仲間の牧羊犬が4、5匹いたので、私達は近くにあった木の茂みに隠れました。

そこには、すでに人が歩ける道が出来ていて




どんどん歩いていくと、

まるで、

ええ、きっと、

わたし、

おとぎ話の中に迷い込んだのかもしれません。










言葉は出ませんでした。

私の中の時間が、そこで止まっていたからです。

ただもう、この自然と調和できている、その瞬間が愛おしくて、永遠に続いてしまえば良いのに。



水中の虫を捕まえる鳥、すごく大きな声で鳴いているのに、近寄るとピタッて止む蛙の声、水面を打つ風の音、

こんなに飾らない、素になった自分の顔、久しぶりに見たかもしれない。




私の心を奪った草花。お名前、何て言うの?


コーカサスの山々

本当はここで写真を撮ろうか撮らまいか、うずうず迷っていました。
この目で見た美しさ、心を揺るがされた感動は、私の撮る写真には納まり切れないって分かっていました。


ここの夕日


緑の多いこの山ですが、実は白も多いのです。
なんと、この山には、大理石がゴロゴロと転がっていました!!


大理石


まさに大理石の「山」


大きいの、踏んじゃった~~~☆てへぺろ(ゝω・)



「ここの大理石いっぱい持って帰って日本でお店開きなさい!大金持ちになれるから(笑」って冗談言われました。

いや、まんざらでもないな(笑)


さて、

私が日本に帰国する2,3日前、ここダーチャのお庭に、今年初めての苺が熟しました。




大きさが不揃いで可愛い


いただきます


農薬の一切使われていないフルーツを食べる贅沢


また夜は、色んな星を見ました



土星、木星、スバル、月



私の一番のお気に入りは土星でした。
土星の輪っかが可愛くって、毎晩、毎晩「ねぇ、望遠鏡出して」って、おねだりしていました(笑)

自然の中で暮らしていると、空を見る割合が高くなりました。
夜空を見上げるって、素敵だな~~うっとりりんって思った方!!
仮にもし、夜空を見上げる度に「あ!!UFOだ!!」って一々叫ばれたら、どう思います??うっとりする??

私が、このロシアでの生活で最も驚かされた事は、なんと言っても、ロシア人の多くが「宇宙人を信じている」事でした。

テレビをつければ宇宙人についての番組が流れて、家族団らんでその番組を見る。

夜空を見上げれば「あっ!!UFOだ!!」と誰かが叫ぶ。

え~っと。(;´д`)ゞこほん。

彼らの話によると、もうすぐ地球は水瓶座の時代に近づいており、その為に自然や人々の感情に変化が起こっている。
だから今、宇宙人は地球人を助ける為に、頻繁に地球に来ている。
この前ウラルで隕石が爆発したのも、宇宙人が助けてくれたんだ!!




だそうです・・・。

ロシアって凄いな~って思った。もちろん、色んな意味で。
私だったら、確かに、地球人がいるって事は宇宙人もいても不思議じゃない。
でも、この広い宇宙で同じ時間に存在するかどうかは疑問に思うし、まず空を見て、星か何かが動いたとしても、それがUFOだとは確信しないと思う。
もうロシア人の心は宇宙に向いていて、つまり宇宙に目を向けている人って言うのは、地球上の国境とか、肌の色とか、恐らく彼らの辞書にはないんだと思う。
ある意味、凄い人達だと思った。


また、私の滞在中にこんな話が出ました。

「北方領土の事なんだけど・・」


私はロシアで勉強した身だから、日本に帰って来て質問されるのは、決まって、まず北方領土。
これは当然かもしれないし、私が日本にいる限り、ずっとついて回る質問だと思う。
色んな思考の人達がいるのが当然で、家族を奪われた方々の気持ちも考えて、安易に発言は出来ないと口をつぐんできました。

ここで初めて、ほんの少しだけ、北方領土について触れます。


大多数のロシア人は北方領土問題について知りません。
また、ロシアにとって北方領土がどういう意味を持つのか国民は知りません。
国家から知らされていないのです。
私自身は、大好きなロシア人の友達とはずっとずっと仲の良い関係を続けて行きたかったから、ロシアで北方領土について話そうとは全く考えてもいませんでした。
でもお父さんもオリガも、皆がその話をしたがっているようでした。

「私達ロシア人は北方領土なんて、早く日本に返せば良いのにって思っているのよ。
北方領土を持っていても、利益になっているのは国家だけなの。私達ロシア国民には、何もならないのよ。
国家とロシア国民が同じことを考えているとは、必ずしも一致しないの。
本当は私達は皆、日本人と仲良くなりたいの。
お願いだから、国家のやっている事で、私達ロシア人を嫌いにならないで」

私は、ただただ、オリガの話す一言、一言に重みを感じて聞いていました。


私が言えたのは、

オリガも、お父さんも、お爺ちゃんも、お婆ちゃんも、周りにいる皆の事、私は大好きだよ。

これだけでした。

どんなに、どんなに自分の心の中を探っても、答えはこれしか見つからないのです。


私はこの通り説明下手で、人を感動させる話術なんて、これっぽっちも持っていない。
ただ出来るのは、この目で見て、この耳で聞いて来た事実を話すだけ。
それでも、このブログが日本とロシアの関係に何かプラスになればと、淡い希望を抱かせて書いているのでした。

長い長~い「北コーカサスへの旅」、いよいよ次回が最終回です。





2013年7月26日(金)
ピアニストYuriと北川翔でお届けするロシアン・バラライカ・ナイト♪
六本木の夜がロシアン・ナイトに変身します。
是非お越しください♪
ご予約アドレス noimy3uka@yahoo.co.jp
コメント (12)
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