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北コーカサスへの旅 その7

2013年06月07日 | ロシア

KGBの昇級試験

前回にしろ、前々回にしろ、「北コーカサス」シリーズ、全体的にトイレ・ネタが多いので

「引いたわ」

って方も大勢いらっしゃるかと思います。

今回は「トイレ・ネタばかりじゃないよ」って証明と共に、歴史的な、新石器時代の神秘、

「ドルメン」について書こうと思います。

※ドルメン
日本語で支石墓。
新石器時代から初期金属器時代にかけて、世界各地で見られる巨石墓の一種である。


5月8日

この日、作曲家のウラジスラフとは曲を作る約束をしていました。

「厚いズボンは持って来てる?ズボンの下にタイツを履くと良い!!それから上はセーターを着なさい!!」

私は「曲を作るのに、何を考えているんだろう」と不思議に思いましたが、ウラジスラフは実に張り切っている様子でしたので、素直に聞こうと努力しました。

「鞄にテープレコーダー入れて、ビデオカメラ入れて、あとカメラ2台入れて、この望遠鏡も入れて、ペットボトル2本必要だね、それとりんご4個にバナナ4本、木の実に、あっ、ユリの好きなヨーグルトも入れようか♪イクラの缶詰も入れちゃおう!!」


イクラの缶詰は冷蔵庫に戻して下さいщ(゜ロ゜щ)


今日は曲作りが、ピクニックになるかもしれない・・


そう悟った私は素直に諦め、言われるがままに車に乗る事にしました。

しかし車が私の大好きな街ゲレンジークに再び入ると、



その余りにも美しい光景から、私は地層オタクになってしまいました。

地層愛好家協会、会員募集中です







車の窓から入る心地良い風に癒され、美しい地層を撮るのに夢中になっていましたが、ついに車が停まりました。
「ここからは歩くよ!」
私達は車から下り、森の奥へ、奥へと歩き始めました。


甘い香りを発見


香水はお花で充分

歩いてすぐに小さな滝が現れました。




宝石色の水


画像から音が聞こえてきそう



森の本屋さん

恐ろしい看板↓



工事中
気をつけて渡ってね


(((((( ;゜Д゜))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク

他に橋がなかったので、恐怖心むき出しで渡りました。

いや、もちろんウラジスラフを先頭にたてたのは事実です

しかし橋を渡ると天国のような、幸せな、少し次元が違う光景が待っていました。


ここで暮らす子供達

草花で遊ぶ女の子達と


水辺で遊ぶ男の子達

この森の中で普通に暮らしている人達がいて、私はそこでロシアの古い楽器ヴァルガンを買いました。



私はこのヴァルガンを買うまでに

「ケイコ・マツイ知ってるか?」

と聞かれ、

「いえ、セイコ・マツダなら知ってる!」と返事するも、

ひたすらケイコ・マツイのCDを視聴させられました。

繊細で、大変美しい曲で、もっと聴いていたい気持ちもあったのですが、せっかくロシアに来たのだし、何も今ここでケイコ・マツイを買わなくても良いんじゃないか・・

後に調べるとケイコ・マツイと言う方は松居慶子と書くジャズミュージシャンでした。


次に目に入ったお店は絵の具で塗られた木のプレートを売っているお店でした。
私が日本から来たと知ったオーナーは
「2年前の東日本大震災をテレビで観た日に、私はすぐに日本の為に絵を描いたの。明日私の家に遊びに来なさい!」と招待してくれました。
でも、その前に寄ったお店も
「色んな種類の楽器が置いてあるから、家に来なさい!」と招待され、どのお店に立ち寄っても彼らの家に招待される為、すべてを断らなければなりませんでした。

お店地帯を過ぎると、ついに現れました。


ドルメン

でも私が最初に見たドルメンの姿はこうでした↓



ポーズを取ったまま、この方達は全くこの場から離れないのです。

あの~、写真撮りたいんですけどぉ~。

数十分待ってみたものの、全然立ち去る様子がない事を判断し、取り合えずこの方達にも入って貰って記念写真撮りました。



今気付いたのは、後ろのお姉さんを上手くウラジスラフが私の背中に隠して撮ってくれていた事です(笑)



どうもこの場所は日本で言うパワースポット?に似た意味があるようです。
ドルメンの中に入ってお経を詠むように低い声で歌ってる(?)人、ヨーガをする人、瞑想する人・・。
ウラジスラフ曰く「人々は宇宙と対話している。エネルギーを整えている。新しいインフォメーションを得ている」
正直、私にとって、もう全てが

( ゜д゜)ポカーン

  ( ゜д゜)ポカーン

    ( ゜д゜)ポカーン

の連続でした。

そして私が最も恐れていた事が起きました。

「じゃ、僕も瞑想するわ」





・・・・・・・( ´゜д゜`)?


戸惑っている私に、彼はこう付け加えました。

「ユリにも瞑想、教えてあげるよ!」

いえ、結構です!!



迷う事なく即効でお断りをした私は、急に一人残された感に襲われ、ポツーンと、なんだか虚しくなって、ただただリンゴを齧る事に専念しました。
皮ごと丸かじりするリンゴの、シャキシャキと鳴る音が、この時は余計に響きました。
しかしながら、その孤独感はある音を境にパッと消えるのでした。

周りに人は何人もいるのに、一人だけポツーンと残されている私の、本当に近く、私の、この耳元で、小鳥が歌ってくれました。
その瞬間、今までの人生の中で、私の耳の中の神経のどこかの部分が、おそらく、初めて振動したのではないか。
こんな「音」が、この世にあったんだ・・と、でも周りにいる人たちは瞑想とかヨーガの世界に入っている為、この初めての出来事は、その時は誰にも伝えず、私一人で独占する事にしました。

そして瞑想から覚めたウラジスラフを待って、私達は再び森の奥へ進みました。





日本人だからなのか、苔に惹かれます


盛り上がっているのは、お墓だそうです。



森を開けた所には黄金色に輝く絨毯が当たり一面に覆い被さっていました。



そこには素敵な出会いがありました。


あら




ぐへへへへ




名残惜しく見送ってくれました。

しばらくは、わんちゃんとの別れに寂しさを感じていましたが

次は


ぬぇこにゃん

背伸びして甘えたポーズを取る

結局、歩く度に可愛いお友達が増えました


滝まで500m

もうすぐ次の滝が見える
順調に、確実に進んでいた私達でしたが、この足を阻むものがありました。



(((((´;ω;)))))ガクガクブルブル


尊敬するロシア国土交通省の方へ、

橋を直して下さい。



色んな事があったけど、でもでも、遂に辿り着きました!!





実はこの滝には「おまじない」があって、ここで泳いだ者は直に結婚する、と言われています。
ウラジスラフの友達は「ここで2回泳いで、2回結婚した」と言っていました。



2回結婚したなんて、嬉しくなーーーーーい( `Д´)ノノ┻┻;:'、・゛





私達はしばらくここでナッツを食べたり、小鳥を眺めたりして休んだ後、再び奥へと歩く事にしました。



テントを張り、ここで一夜を過ごす人々


木の出っ張った部分を上手く鼻に見せかけた落書きw

日本語訳:
自然を綺麗にする人を、神様自身が祝福する



 ヘラクレス
 お風呂
アフロディーテ
 小川

う~ん。なんとも神秘的な看板だ。。



私達は、ただまっすぐ進む事にしました

そこに現れた風景は・・





息を呑む美しさでした。



丸太の隙間から覗く小川

橋を渡り水辺へ下りてみました。


水の色、

 地層の模様、

  それらが全てが調和して、




写真から見る視覚以外に、川の声、揺れる木の葉のささやき、鳥達の会話、汚れのない空気、イタズラに冷たく触る水の精が・・
そこに存在していました。

自然が創る美に勝るものは、ないのかもしれません。



つめたい


小さな命の力強いパワー


もう、ここ住んじゃう?
夏だったらお風呂、この川で済むよね?


そんな空想話をしたのは、この場所に少しでも長く居たいと思う、時間稼ぎの為からでした。
でも日はどんどん沈んでいて、もう戻らなければなりません。
何度も、何度も、この場所を振り返りながら、小走りで山を下りるのでした。



木の根が空洞を創っていました。

ムスカは好き。


緑のトンネル

ここを、くぐると・・・


雄大な山々が顔を出す。




「お~い!!」


誰かが私達を呼びました。

「こっちに来なさい!私達に加わりなさい!」

よく見ると、さっきケイコ・マツイを薦めたCD屋のおじさんでした。

おじさんは自分の息子達と遊んでいる様子で、それもアーチェリーをして遊んでいました。


落ちた弓の場所を犬が教え、それを拾って来る子供達

大空へ飛ぶ弓矢の姿が、もう私の目からはすぐに消えてしまうのに、それに対し、おじさんや子供達の眼は非常に良いのです。
こんな大自然の中で暮らしていたら、眼が悪くなる事の方が難しいのかもしれません(笑)

暗くなる前に車に戻らなければいけない・・。

私達はおじさんにお別れを言い、この平和な場所を去る事にしました。


なんとか日が沈む前に、車の停めてある近くまで来たのですが、


ねぇねぇ・・


なでて

この場所は危険です。
もう私帰れなくなっちゃう(涙)
本当は、本当は、私だって、ここに住めたらって、確かに考えたんだよ・・。


車に乗り、

いよいよこの森と、本当にお別れなんだ。

ノヴォロシースクへ走ります。

すると今度は


ドデーーーーン

これ分かるかな?

ウ シ です。

牛に通せん坊され、進めない


最後まで魅力的な場所でした。

何よりも、あれかな。

あの写真、今回は自重しようって決めてたけど、やっぱり載せよっ♪

滝の場所にあったんです。


トイレが

きっと、気持ちイイんだろうなぁ~



天然ウォシュレット







つづく。



|ω`*)ノ"



2013年7月26日(金)
ピアニストYuriと北川翔でお届けするロシアン・バラライカ・ナイト♪
六本木の夜がロシアン・ナイトに変身します。
是非お越しください♪
ご予約アドレス noimy3uka@yahoo.co.jp
コメント (20)
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