今回は終末もの。すでに10年以上前のタイトルだったことにびっくり。
カテゴリーに違わず、タイトルはそのままで「こんなにも優しい、世界の終わりかた」です。
生きていく事に不器用な主人公が、薄幸ともいえる環境の女の子を好きになって、学生時代から大人の世界に、じれったく進んでいく二人の愛情模様の軸を主軸に書かれて行く小説です。
とはいえ、小説の中の現在の時間軸は、青い光に包まれてしまうとすべてそのままの状態で固まってしまう、っていう青い静寂の終末世界。
そんな世界の中、主人公が意を決して、その女の子に一生懸命会いに行くっていう話の軸が、読者をどきどきさせながら、物語の先へ先へ、っていう感じでページをめくる手が進んでいきます。
ネタバレはしないですけど、ハッピーエンドともいえるし、バッドエンドともいえる感じの終わりかたです。後は読み手次第がこの後を想像してくださいね、っていう感じです。
ぴかてん的には、良かったねという気持ちが6割と、これからの事を考えるのが怖いなぁ、っていう気持ちが4割ですね。
万人にお勧めできるかっていうと、終末ものという事で、そのカテゴリーが好きな人なら、っていう条件付きかな、っていう所かな。
恋愛ものとしたら、おすすめしてもいいですが、ベースの世界感が終末に向かっていくので、どうしても主人公たちの未来が、ぴかてんの思う幸せな状態にはならないだろうなっていう所でお勧めの際にはその一言が付く、条件付ですね。
作者は市川拓司さん。この人の作品で、過去に読んだことのあって覚えているのは、「いま、会いに行きます」です。
これは、中村獅童さんと、竹内結子さんの共演する映画で有名になりました。
この小説は、2004年に映画にもなっているのと、原作と雰囲気が離れていないので、おすすめ出来る小説と映画です。
そんな小説のレビューと、ちょっとした映画の紹介でした。
そういや、しばらく映画、観てないなぁ。