めいぷるアッシュEnnyの日々是好日

囲碁徒然



1年に1回程会う人にやってるの?と聞かれ
最近(ずっと)やってませんが毎週NHK録画して
見ていますと。秒読みを聞いていると眠くなって
しまうと言ったら笑ってました。


最近、「永遠の0」、「海賊と呼ばれた男」のベスト
セラー作家百田尚樹が今度は江戸時代 の囲碁の
世界を描いた「幻庵」(げんなん)上下巻を出した。
(この作家さんの文は クドイので読みたいと思わ
ないがアマゾンで100円切ったら読もうか)本人は
六段程打つらしい。

本因坊秀和の碑 西伊豆にて



昨年GoogleのアルファGOが世界のトップ棋士韓国の
李世ドル(イ・セドル)と対局、結果は4勝1敗で最後の
牙城と思われていた囲碁もコンピュータの軍門に
降った!!!
アルファGOはその前にヨーロッパチャンピオンに
完勝していた。イ・セドルは初戦で負けた時の
コメントはまだ余裕があった。
「負けるとは思わなかったので、とても驚いた。
今回は序盤でのミスが最後まで響いた」 「こんなに
完璧な囲碁を打つとは思わなかった」

李世ドルは負けるなんてこれぽっちも思って
いなかったようだ。

2連敗した時のコメント
「きのうは驚くだけ驚いたが、今や言葉もない。完敗
だ」 「弱点がなかった」 「アルファ碁は今日、ほぼ完
璧な囲碁を打った。」 「少しでも優勢だと感じる時
が一度もなかった」 「全力を尽くして、少なくとも一
勝はしたい」

3連敗した時のコメント
「何と言っていいか分からないが、まず謝りたい」
「多くの人たちの期待に応えられず、申し訳ない。」
「こんなにすごい圧迫感、負担感を感じたことは
ない。私の力不足だった」 「3局目に私が負けた
ので、勝者は決まった。だが、人間については
心理的側面を考慮する必要がある。どうか、4局目と
5局目も興味を持って何が起こるかを見届けてほしい」
「アルファ碁が優れているというのは正しいが、
少しずつ弱点を露出したので神の境地だというには
難しい。きょうの敗北は李世ドルの敗北であって
人類の敗北ではない」 「(アルファ碁の能力を)評価
するには第3局までよりも、第4局と5局
の方がいいだろう。多くの人に見てほしい」

しかし2局目3局目も負けて3連敗。囲碁界に大激震が
走った。プログラムと大量のデータに負けた。
アルファGOの打つ手は人間から見ると不思議な
手だった、全然理解が出来ないのだから。


藤沢秀行先生は亡くなるまで棋道を究めようと
していた。
豪放磊落であり強烈な努力をした人。
1年を4局で過ごすいい男と呼ばれた。当時碁界で
読売棋聖戦のタイトル料は3千万4局勝てば
防衛出来る。
毎年棋聖戦に備えアルコールを絶った。
そこには常に血が通っていた。

米長邦雄の妻が藤沢の妻を訪ね、米長の妻が「うちの主
人は週に5日帰ってこないのですが」と藤沢の妻に相談
したところ、藤沢の妻は「うちは3年、帰りませんでし
た」と答えた。
逸話はキリがない程ある。


碁会所に行ってもまだ6段で打てる。
しかし自分の打つ手は半分化石化しているが、形、
大局観は陳腐化しないと思っている。
よく時のタイトル保持者にファンが江戸時代の棋聖、
本因坊秀和、秀策、秀栄が現代に蘇って戦ったら
どうなるでしょうか?と、答えは現代の碁を研究
されたら今のタイトル保持者は勝てるか判らないと。


中高大とやって来たが、学生時代囲碁部の時が
楽しかった。何が楽しかったって毎週女子大の
囲碁部と練習した事^ ^ ^ ^
それでもある年、全国8ブロックの団体戦、中部地区で
優勝して全国4位になった、東大野郎、阪大野郎、東北
野郎には勝てなかった、会場は聖地?市ヶ谷の
日本棋院会館。東大野郎は日の丸の鉢巻、鉢巻野郎だ。
戦う前にコンプレックスにやられていた。
1年の時は中部地区の3部リーグ、そこから上がって
行った。

棋譜を並べるという事。
今から30年程前は宇宙流とか大竹美学とか殺し屋加藤
コンピュータ石田、二枚腰の林、藤沢秀行先生の破天
荒?いや厚いゆえの破壊力のある碁が流行っていた。
そういう人達の棋譜を並べるという事は至福のひと時
なのである。200年程前の棋譜も自分の手に形とか
方向を覚えて貰うのに並べた。体が覚える。

これからはコンピュータ同士の棋譜を並べるのか?
モンテカルロ木探索(Monte Carlo Tree Search
MCTS)というアルゴリズムで動く。
嫌だなぁ。顔がない、声が無い、温もりがない、泥臭く
ない、機械は疲れないだろ、味がないなぁ

ブレードランナー、レプリカントの様に
人間のように生きたいと思うのか、シュワちゃんの
映画のように人間を抹殺するのか、それとも
鉄腕アトムのようになるのか?


求道派と勝負派
勝負には負けたが碁には勝ったと、そこには美学が
あった。今の碁打ちは勝ちを何より優先し勝ちに行く、
有利になれば戸締りをする、勝つには半目勝てば
いいから。沢山勝つ必要はないのである。
昔は求道派と呼べる人が沢山いた、形勢が有利でも
緩む事なくギリギリの手を放つ、しかし時には
それが打ちすぎになり逆転を招く。
そんな碁は面白い。


イ・セドルは4局目に勝利した。
その時のコメント

ひと勝負に勝っただけでこのように祝いを受けるとは思
わなかった(笑)。 今回の対局をする前に私が4-1あるい
は5-0で勝利をする事と話した。 事実私が3-0で先んじ
てひと勝負を敗れたと仮定するならば、とても痛かった
だろう。 かえって3連敗にあって勝利したのでこのよう
にうれしい事はない。 この喜びは今までに何とも、そ
して今後も何とも代えがたいものだろう。 本当にうれ
しい。 皆さんの応援のおかげで今日ひと勝負でも勝っ
た事ではないかと考える。 感謝申し上げる。

ひとまずAlphaGoが露出させた弱点は二つある。 基本
的に白番よりは黒番を大変とするのではないかと思う。
今日予想できない手が出てきた時一種のバグ形態で数手
進行された。 考えることが出来なかった手に対する対
応力が落ちる。 白よりは黒を難しがるという点もAlphaGoの弱点だ。

三連敗は国内対局のプレッシャーが大きな問題ではな
い。 基本的に私の実力が不足が原因。

衝撃が最初からなかったとは申し上げることができない
が、 対局を中断する状態ではなかった(笑)。 もちろん
結果が良くなかったためにそのような話が出てくるよう
だ。 そこまで大きいダメージを受けた事ではなかった
と申し上げる。

最後の5局では黒番で勝ってみたい。 白番で勝つことよ
りは黒番で勝つ方がさらに値打ちがあるので 最後の5局
は黒番で打ちたい。グーグルに提案する。

白78のワリコミは私は実際簡単な手だと考えた(笑)。
だが思ったより難しくて今回また負けるのではないかと
思った。 その手を打った理由はそこしか打つところが
なかったためだ。 その手以外はない手であった。
そのように称賛を受けてかえって戸惑う。


イ・セドル九段の1勝4敗に終わったが
これからもコンピュータとの勝負は続く。

下田にて

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