著者が書いているように「老いも若きも、貧乏人も金持ちも、のっぽもちびも、善人も悪人も、みんなその「特別な日」を年に一度だけ与えられている。すごく公平だ」だからと言って何だと思う。
素直に喜べないへそ曲がりな自分がいる。
村上春樹の短編、
物語は回想から始まる。
二十歳の誕生日を迎えた女の子は、誕生日もまたアルバイト先のイタリア料理店で働いていた。その日、店のフロア・マネージャーが体調を急に壊し、代わりに彼女がフロア・マネージャー以外誰も姿を見た事の無いオーナーに夕食を運ぶ事になる。時間通りに食事を運んだ彼女はオーナーに年齢を尋ねられ、今日が二十歳の誕生日であると言う。彼女はオーナーに誕生日を祝福のしるしとして一つだけ願い事を叶えようと言われ、戸惑いながらも一つの願い事をする。
回想する彼女に「僕」は尋ねる。願い事は叶ったのか、願い事に後悔はないか