PRESSMAN GOGO

オートバイスポーツ、トライアルを中心にディレクター生野涼介が日々の気がついた事、取材した時の思いなど、日常のブログです。

Amazon PrimeVideo

2020-02-24 18:10:11 | 映像 DVD
トライアル映像の、新しいメディアが出来ました。
Amazon PrimeVideoでトライアルが見られます(^^) 
力を貸してくれたTrial Exchange高橋明男さんに、感謝。

最初にアップしたのは、およそ10年前の作品
「猪名川サーキット物語」です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08524C8DV/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E7%8C%AA%E5%90%8D%E5%B7%9D%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%88%E7%89%A9%E8%AA%9E&qid=1582377462&sr=8-1.

ストリーミング購入は1000円ですが、レンタルだと100円(30日間・視聴開始後48時間有効)なので、気軽に見られます。
トライアルファン、トライアルを知らない人にも拡散してね〜(^^)/


最初にこの作品を選んだのは、トライアル大会を知らない人にはその楽しみ方や勝負の機微、知っている人には今では見られない懐かしのライダーなど、歴史的観点から見て頂ける作品だからです。

これまでも「テッペンTrial」で1シーズンの総集編は作っていましたが、ひとつの会場を時間軸でつなぐという方法は初めて。
企画の発案は、ぱわあくらふとの小玉健二さんでしたが、結果年間総集編などでは見えてこない色々なドラマが描けて、作りながらわたくしもビックリでした。
そうそう、あったあった、あんな出来事、こんな事件…。なるほど、これがあそこに繋がるのかあ。






登場ライダーは、今でも大活躍の小川友幸、黒山健一、野崎史高らに加え、
今では全日本トライアルでは完全に、あるいは滅多に見られない藤波貴久、渋谷勲、山田哲也、白神孝之、成田匠、小森文彦、佃大輔、三谷英明、井内将太郎、田中善弘、尾西和博、坂田匠太、西本良太…






さらには萩原麻里子、西英樹、高橋摩耶までも。
ほらほら、あなたもすぐに見たくなって来たでしょう?


作品の最初の方は、まるで黒山健一が主人公のように見えます。
この当時僕の事を黒山ファンだと誤解する人もいたのですが、僕は特定のライダーではなくて純粋にトライアルファンであります。
ただ当時の黒山選手は、クリーンでも5点でも転倒でもただのインタビューですら、映像的に映えるものをたくさん持っていました。
映像作家は「絵の力」を第一に考えますので、彼を中心とすることは間違いではなかったと思います。




もちろん他の選手のドラマも、時代を追ってたくさん。








今では全日本トライアル近畿大会は、猪名川サーキットでは開かれなくなりました。でもひとつの時代を作った会場として、今でも確かな存在として残っていると思います。


CM動画は、こちらに再アップ。
https://youtu.be/TJ4kZnAf4y0

Amazon PrimeVideoでの旧作公開はこれからも続けていきます。
見たい作品、買いそびれていたビデオがあったら、リクエストもよろしく!

南牧20km耐久トライアル

2019-09-28 14:02:07 | オートバイ
えっとね、あなたに言っておかなきゃいけないことがあるの。
去年のあの日の出来事…
あれが原因で、あのね…できちゃったの…

というわけで、約1年前取材の「南牧20km耐久トライアル」のDVDができちゃいました。


野崎史高選手に誘われて撮りに行った、この大会。
当初は「変身!トレールテクニック」新作の特典映像にでもするつもりでした。
でも本編の制作が、野崎選手のスケジュールなどからなかなか進まないので、その前に特典だけでも作っておこうかな。
と思って手を着けてみたら、これが絵に力があってねえ。

「スーパートライアル」と違って、いろんなカテゴリーからの一般ライダーですが、みんな命の限りに頑張っています。
映像の奴隷というお仕事のわたくし、映像に命令されるままに繋いで行ったら、およそ80分の作品に。
これじゃとても特典映像としてDVDにくっつけられないので、独立したタイトルとして発売することになっちゃった次第です。
2019年10月7日発売開始。本体価格2,700円(税込み2,970円)

以下DVD解説文より。
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まだモトクロスやエンデューロと話帰る前の形を引き継ぐトライアルレース「南牧20km耐久トライアル」。
何時間にも渡り100kgの鉄の塊をひたすら押し上げる、相当に過酷なレースである。
選手たちに課せられるのは、セクション減点に加え、容赦のないタイムペナルティー。
頑張っても何の得もないれーすなのに、なぜわざわざ苦しむのか。
参加者の半数以上が努力むなしく失格となるが、しかし完走者はもちろん、リタイアライダーにも、その顔には不思議な満足感が漂う。
ゲストライダー、野崎史高、成田亮の圧倒的な走りにオンボードカメラの映像も加え、生きていることの意味、価値をも感じさせる魂のレースの全貌を描く。
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CM動画は、こちらです。
https://youtu.be/KwgW3xy4W8Y

数年前に「サンデーファミリートライアルin平谷」を撮らせてもらった時も感じましたが、MFJではないトライアルには、当然ながらMFJにはない魅力があります。
自分も参加できる、自分も走れると言う意味で「会いにいけるトライアル」の世界をお楽しみ下さい。

スーパートライアル2019 R1近畿大会

2019-08-14 22:51:50 | 映像 DVD
忘れた頃に新発売!
「スーパートライアル2019 R1近畿大会」のDVDが完成いたしましたので、ご案内!!

一昨年は第3戦まで、昨年は第2戦までしか出せなかった「スーパートライアル」
それでも試合の撮影自体は全戦していたのですが、今年撮ったのはホントにこの開幕戦のみ。

というわけでもう本当に最後かもしれない「スーパートライアル」
次世代への期待を込めまして、この選手をジャケットにしてみました。

比較的地味な試合でしたが、構成を以前の選手別の編集に戻したため、思ったより面白くまとめられたと思っております。
このへんはやっぱり「演出」あってのもの。現場で見ているだけではわからないドラマを描け、ディレクター冥利につきるというものです。

以下、DVD紹介文より。
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昨年前人未到の6連覇を達成した小川友幸。11年も続いたゼッケン3から、ついにランクアップした野崎史高。今年は3番を着けるも、全戦出ればタイトル奪還も十分可能な黒山健一。他、全18人にもふくらんだスーパークラスを待ち受けるのは、雨を見込んで易し目に作られたセクション群。わずかなミスが大きく結果を動かす、超神経戦が始まった。
それぞれの想いをこめた駆け引きを描く優勝争いに加え、カメラは躍進華々しい氏川政哉、ついに4番に上った柴田暁らの闘いも追いかける。
そこには全ての選手が挑み続ける高く大きな滑る壁、トライアルというスポーツの真髄が見られた。

2019年JTR R1近畿大会レポート<スペシャルセクション>

2019-04-29 10:29:37 | トライアル
2019年JTR 開幕戦もスペシャルセクションを迎えます。
18人のうち上位10人の出走枠に入ったのは、以下の選手たち。

 1位 野崎史高 2点
 2位 黒山健一 6点
 3位 小川友幸 8点
 4位 小川毅士 24点c12
 5位 氏川政哉 24点c9
 6位 柴田 暁 26点
 7位 斎藤晶夫 34点
 8位 藤原慎也 47点
 9位 成田 亮 51点
 10位 武井誠也 52点

再昇格の武井選手は、もう帰り支度をしていたところに出走の知らせを聞いてびっくり。

目標は相変わらず「怪我しないように走ります」ですが、9位の成田亮選手とは1点差。もしかしたら、まだ上が狙えるかもしれません。

SS第1は、崖の登り降り。


武井選手はここを3点で粘り切りました。


次を走る成田選手は、途中で止まってしまい、5点。

これで順位が入れ替わりました。


もし5点をとると武井選手に3点差にせまられる藤原選手は、3点で走破。


斎藤選手も3点で登ります。


ここまで6位の柴田選手。5位の氏川選手とは2点差なので、逆転の希望があります。

柴田選手は1点で上がりました。

5位につける氏川選手は、ここまで毅士選手とは同点。さらに先に走った2点差の柴田選手に1点で登られ、巨大なプレッシャーをかかえてのセクションインです。

結果は5点。柴田選手に抜かれ、ひとつ順位を下げてしまいました。

1点で登った柴田選手とは、ここまで2点差の毅士選手。3点をとると同点に追いつかれ、5点だと逆転されてしまいます。

結果は3点。氏川選手は引き離しましたが、柴田選手に追いつかれてしまいました。

そして優勝を争う、トップ3人。
 1位 野崎史高 2点
 2位 黒山健一 6点
 3位 小川友幸 8点 

ところが友幸選手は、ここでもミスをしてしまいます。


この失敗で、友幸選手が最終SS2をクリーン、野崎選手がSSをふたつとも5点でも、優勝には届かないことが決定してしまいました。

自分がここをクリーン、野崎選手が5点なら、トップを奪い返せる黒山選手。

結果は3点。優勝の行方は、野崎選手の走りに委ねられます。

最後のトライで挑んだ野崎選手。

しかしここを2点で登り、黒山選手を引き離します。


いよいよ最後の最後、SS2を迎えて、ここまでの減点です。

 1位 野崎史高 5点
 2位 黒山健一 9点
 3位 小川友幸 13点
 4位 小川毅士 27点c12
 5位 柴田 暁 27点c10
 6位 氏川政哉 29点
 7位 斎藤晶夫 37点
 8位 藤原慎也 50点
 9位 武井誠也 55点
 10位 成田 亮 56点

勝負のSS2は、第11セクションの改造版です。


SS1で成田選手を1点リードした、武井選手。

1点で走破。

これで成田選手は最後を0点でも、クリーン差で武井選手には追いつけません。

結果は3点でした。

藤原選手は、すでに8位が確定。もしここで5点をとっても、武井選手に逆転はされません。

結果は2点。

7位が確定している、斎藤選手。

途中で岩から落ちてヒヤッとしましたが、足着きはこの1点のみでアウトしました。

SSの失敗で順位を落とした氏川選手ですが、まだ柴田選手、毅士選手を逆転できる可能性を残します。

斎藤選手より手前の岩で落ちてしまいますが、なんとか立て直して3点でアウトです。

これでもし5点をとっても、クリーン差で氏川選手をかわせる柴田選手。

2人が足を出したポイントはノーミスで走り、ついにクリーンが出るのか!と思った出口直前で、ありゃまあ、の1点です。

「足を着いてはいけない、と思うと着いてしまうのが、トライアルなんです。しょんぼりです」

続いて入る毅士選手は、もし2点以上をとると柴田選手に逆転、5位に落ちる立場に追い込まれました。

しかし、このセクション初めてのクリーンで走破。4位を守り切りました。
ゴール後のインタビューでは「雨が降らなくて良かったです。セクションがハードになっていたら、骨折した指が持たなかったかもしれません」とのことでした。

そしてトップ3の闘いです。
 1位 野崎史高 4点
 2位 黒山健一 9点
 3位 小川友幸 13点

残念ながら優勝の可能性をなくしている、友幸選手。

気力が尽きたのか、最終セクションもいつもとは違う精彩を欠く走りで3点。

野崎選手とは4点差。逆転優勝にはクリーンしかない、黒山選手。

インから・アウトまで、完璧な走りでクリーン。

野崎選手の走りを待ちます。

5点さえとらなければ優勝の、野崎選手。

斎藤選手、氏川選手、友幸選手が危なかったポイントでは、先に足を出して1点で走る安全策。

最後はきれいに決めて、ついに優勝を手に入れました。





 優勝 野崎史高 減点6c17
 2位 黒山健一 9c19
 3位 小川友幸 16c17
 4位 小川毅士 27c13
 5位 柴田 暁 28c10
 6位 氏川政哉 32c9
 7位 斎藤晶夫 38c8
 8位 藤原慎也 52c8
 9位 武井誠也 56c6
 10位 成田 亮 59c6
以下SS不出走
 11位 磯谷 玲 55c3
 12位 久岡孝二 56c3
 13位 吉良祐哉 60c6
 14位 平田貴裕 65c3
 15位 永久保恭平 66c3
 16位 山崎頌太 70c2
 17位 岡村将敏 71c1
 18位 砂田真彦 79c1


雨が予想されたためやさしめに設定されたセクションで競われた、超神経戦。
拮抗する実力を持つ3人の中で、どうして今回野崎選手は勝てたのでしょうか。
もしかしたらそれは2人のチャンピオンが、どうしても勝たなければいけない、という至上命令と宿命を背負っていたのに対し、野崎選手はチャレンジャーとしての立場で走れたからなのかもしれません。


ここを制した野崎選手は、人生初めての開幕戦での優勝です。
野崎選手は「いつもの年は出だしが悪くて、シリーズ中盤から後半に向けて調子を上げていく、という展開でした。でも今年は、最初から1番という重荷をかついで戦わなければなりません。これからちょっと、重圧がすごいと思います」と語ります。

この優勝がシリーズを通して、吉となるのか凶なのか、
野崎選手にとっては、テクニックではないメンタル面でのトライアルが始まります。


会場では表彰式が終わるとほぼ同時に、ついに雨が降り出しました。

2019年JTR R1近畿大会レポート<2ラップ目>

2019-04-28 09:33:35 | トライアル
大会当日朝の予報では、午前9時から降り出すとなっていた雨。
でもスーパークラス1ラップ目終了までは、降らずに耐えました。
スマホの天気予報を見ると、午前中は曇りに変わり、雨の降り出しは12時からになっています。
そーかー、やはり2ラップ目は降るか。


雨対応でやさしめに作られたセクションで、選手たちは厳しい神経戦を闘います。
1ラップが終わった時点で、優勝争いは
 1位 黒山健一 0点
 2位 野崎史高 2点
 3位 小川友幸 6点
の3人に絞られてきました。

1ラップ目第9セクションのミスで3位に落ちてしまった、友幸選手。

ライバルからのプレッシャーを避けるためでしょう、2ラップ目は早周りを始めます。

第2、第3、第4はクリーン。


第5セクション。友幸選手のひとつ前を走った久岡選手は、失敗です。。


友幸選手もここでは、2点を着いてしまいます。

でもこれが、友幸選手にとっては2ラップ目唯一の減点となりました。

1回目に1点をとった、第6セクション。

今度はクリーンです。

2ラップ目の友幸選手は、このあともクリーンを続けます。
1ラップ目に大失敗をした第9も今度は0点で、ラップ合計減点を2点にまとめました。

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1ラップ目を合計2点で、2位で折り返した野崎選手。
1回目に1点をついた第3セクションを、今度はクリーン。


斎藤選手が2回目も失敗した、第5セクション。


野崎選手は、1点で登ります。

野崎選手にとっては、これが2ラップ目唯一の減点。
第6セクション。

第9セクション。

第11セクション。

野崎選手は2ラップ目の後半を、全てクリーンで走ります。

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1ラップ目をオールクリーンで終えた、黒山選手。

このまま行けば、もう長らくご無沙汰になってしまっている優勝を手に入れることができます。実は黒山選手が前回優勝したのは、昨年の開幕戦関東大会。すでに1年間優勝から遠のいてしまっているのです。

友幸選手と同じくメンタルを気にしたのでしょう、黒山選手もライバルたちから離れます。
早周りを選んだ友幸選手とは逆に、もう周りに誰もいなくなった一番最後のトライです。


第2を0点で終え、第3セクション。
慎重な下見の後、アシスタントの黒山二郎さんの息子、陸一(りくと)君に「チェーン真っ直ぐになってる?」とチェックさせてから、ようやくトライです。


きっちりクリーン。

この試合、黒山選手はスタートから1回も足を着かない完璧なトライを続けながら、2ラップ目の第5セクションにやって来ました。

陸一君から「野崎さんはここで1点」と報告。

そのポイントを、しっかりチェックしたのですが…。

この岩に行く手前の加速路で、黒山選手は足を出してしまいます。

ついにオールクリーンが崩れ「うおおお!」と吠える黒山選手。

野崎選手、友幸選手が足を出したポイントはノーミスでクリアして、減点は1点です。

よほど悔しかったのでしょう。3ラップ目はないのに黒山選手はバイクを停め、足を出したポイントを睨みつけていました。

黒山選手はもう選手活動を始めている陸一君に、「難しいポイントを気にしすぎると、あんなふうに手前で足が出てしまうんや」と、トライアルの難しさを教えます。

いや、もしかしたらその言葉は陸一君にではなく、自分に言い聞かせていたのかもしれません。

気持ちを入れ替え、第6セクションはクリーン。


第7、第8も0点で、黒山選手は第9セクションにやって来ました。


友幸選手、野崎選手はクリーンでしたが、柴田選手は1点。

油断のできないセクションに、黒山選手は集中力をさらに高めて挑みます。

ところが…

なんと、失敗。一気にトップから陥落してしまいます。

これでここまでの順位は
 1位 野崎史高 3点
 2位 黒山健一 6点
 3位 小川友幸 8点

試合は2ラップ目の最終セクションを迎えました。
早周りの友幸選手はクリーンでしたが、吉良選手は、5点。


1ラップ目5点の砂田選手は、3点。


1ラップ目3点の久岡選手は、2点。


1ラップ目クリーンの氏川選手は、1点。


1回目は落ちてしまった柴田選手、今度はクリーン。


野崎選手も、0点。


黒山選手もクリーンしますが、このままでは優勝を手にすることはできません。


2ラップが終わって、SS出場枠に残った10人の減点は、以下のとおり。

 1位 野崎史高 2点
 2位 黒山健一 6点
 3位 小川友幸 8点
 4位 小川毅士 24点c12
 5位 氏川政哉 24点c9
 6位 柴田 暁 26点
 7位 斎藤晶夫 34点
 8位 藤原慎也 47点
 9位 成田 亮 51点
 10位 武井誠也 52点

残すは2つのスペシャルセクション。
まだまだ順位が動く可能性があります。

雨は結局2ラップ降らずに耐えましたが、14時50分開始を予定されていたSSは観戦を考慮。
雨の降らないうちに、ということで35分早め、14時15分のスタートとなります。