小川友幸選手はまさかの4位。野崎史高選手がトップで1ラップ目を終えた中国大会の試合は2ラップ目です。
予想された雨がなくグリップはいいのですが、人工物を主体としたセクションは、一瞬で5点になってしまいます。
2ラップ目第2セクションの、斎藤選手。

第3セクションの吉良選手。

斎藤選手。

藤原選手。

氏川選手は、1ラップ目に観客を驚かせた第2セクションで、またまた真正面からのトライ。

でも出口手前のヒューム管で、マーカー接触をとられてしまいます。

たしかにマーカーは揺らいでいるようですが、どこがマーカーに当たったのかよくわからない微妙な判定。
氏川選手は審判に食い下がりますが、判定は変わりません。

氏川選手は次の第3セクションでも5点をとって、順位を落としてしまいます。

「チャンピオンとかは全く考えていませんが、プロとして出るからには、当然勝ちに行きます」と言っていた黒山選手。
野崎選手のと2点差を追いかけて2ラップ目を走ります。

1ラップ目、右から斜めに攻めた第2セクションは、今度は発射台を使い正面から挑んでクリーンです。

黒山選手は第1から第7までを0点で終えて、第8セクション。

ここはアウトに続くヒルクライムにコンクリートブロックから直に挑むか、いったん右に降りて助走を長くとるか、ふたつのラインがあります。

1ラップ目はみな一旦ブロックから降りてターン、右から加速するライン。
柴田選手は、2点。

氏川選手、2点。

野崎選手は1点。

友幸選手はここは登るも、手前で1点。

黒山選手は1ラップ目、ここで2点をとってしまっています。

2ラップ目の同じ第8セクション。
黒山選手は右に降りず、まっすぐ登るラインを選びました。

助走は短くなりますが上の丸太に正面から入れるため、クリーンの可能性が増えます。
野崎選手に追いつくためにはこの方が有利、との判断でしょう。
でも結果は、横から狙った1ラップ目より悪い3点でした。


2ラップ目最後の第10セクション。藤原選手。

氏川選手はあいかわらず真正面から挑んで、今度もクリーン。

黒山選手は、ここは1ラップ目と変わらず斜めからのウイリージャンプ。

でも上で1点を着いてしまいます。

野崎選手を追いかける黒山選手の2ラップ目は、合計4点です。
1ラップ目を4位という、想定外の順位で終えた友幸選手。

その原因となった第2セクションは、2ラップ目はクリーン。フロントからヒューム管に突っ込んだ第7セクションも、0点。

第1から第7は0点でしたが、第8で2点。

でも2ラップ目の減点をこれだけに抑え、ラップ18点もとってしまった氏川選手を抜きました。

1ラップ目をトップで終えた野崎選手は、2ラップ目も乱れません。
第2セクション。

第3セクション。

黒山選手が勝負を賭けた第8セクション。黒山選手の3点に対し、右からのラインで0点で登ります。

最終第10セクションも0点で、ラップオールクリーンを達成です。

【2ラップ目終了時点】
1位 野崎史高 6
2位 黒山健一 12
3位 小川友幸 14
4位 小川毅士 19
5位 柴田 暁 25
6位 氏川政哉 29
7位 藤原慎也 39
8位 吉良祐哉 42
9位 斎藤晶夫 52
10位 平田貴裕 57
11位 成田 亮 58
12位 岡村将敏 59
13位 磯谷 玲 60
リタイア 平田雅裕
ところでこの試合、コースが短かったせいかIBの団体様とぶつかり、どのセクションも激しい渋滞に見舞われます。


対策として試合中に1ラップ目のタイム制限が撤廃され、選手の持ち時間は3ラップで5時間に変更。
1ラップ目のドタバタはなくなりましたが、その分選手たちは3ラップ目に持ち時間に追われ、ほとんど下見も出来ないままのトライとなります。
そのせいでしょうか、3ラップ目の野崎選手は、2ラップ目クリーンしていた第3セクションで3点。

友幸選手も2点。

他の選手も、なかなか減点を減らすことが出来ません。
第3セクションの毅士選手。

吉良選手。

氏川選手。

第7セクション、吉良選手。

第7セクションでは柴田選手のマシンが暴走。セクションから飛び出して土の斜面に激突します。

「アクセルを開けたらスロットルホルダごと回ってしまい、戻らなくなった」とのこと。
リヤフェンダーもボッキリ折れてしまい、精神的ダメージも。このためか第8セクションも斜面を登れません。

時間もなくなり、柴田選手にとってはクリーンセクションだという第9と第10をエスケープ。
「全く自分のせいなんですけど、20点も無駄にとってしまいました」とのことで、3ラップ目の合計は23点。8点でまとめた氏川選手に逆転されてしまいます。
逆転優勝を狙う黒山選手は、渋滞対策として2ラップ目から早周りをしていました。
この結果余裕を持てたのでしょう、3ラップ目はオールクリーンで走り切り、2ラップ目終了時点で6点だった野崎選手との差を2点に詰めます。

3ラップが終わり、スペシャルセクション出走枠の10人に残ったのは、以下の選手です。
【3ラップ目終了時点】
1位 野崎史高 10
2位 黒山健一 12
3位 小川友幸 17
4位 小川毅士 25
5位 氏川政哉 37
6位 柴田 暁 48
7位 斎藤晶夫 61
8位 藤原慎也 65
9位 吉良祐哉 75
10位 成田 亮 79
SSを待つ間のトップ3は、この表情。



ここまで5位と今回好調の氏川選手も、SSに向けて体調を整えます。

SSの第1は、この巨大タイヤ。

高さ自体はそれほどでもないのですが、このタイヤはどれもグラグラと動くロールプレイングゲーム状態。
成田選手は3点。

吉良選手も3点。

藤原選手も3点。

危なかった斎藤選手、何とか3点でアウト。

インターバルでしっかりマシンを修理した柴田選手は、クリーン。

氏川選手もクリーン。

毅士選手も0点。

まだ優勝の可能性も残している友幸選手ですが、1点を着いてしまいます。

野崎選手を2点差にまで追い詰めている黒山選手も、1点。

野崎選手はクリーンで走破し、黒山選手との差を3点に広げました。

最後の最後、SSの第2は第10セクションの改造版。細く複雑なコースが選手に足を着かせます。
成田選手は5点。

吉良選手も5点。ステア手前のマーカーに接触したらしいのですが、はっきりはわかりませんでした。

藤原選手は前輪を落としてしまい、ステア下の溝に頭から突っ込んでしまいます。


斎藤選手はタイムオーバー。

柴田選手はテープ切断。

この難セクションを氏川選手は3点でアウト。

自己最高位の5位獲得に、ニッコリです。

毅士選手も3点。4位を獲得です。

クリーンすればまだ2位になれるかもしれない友幸選手ですが、1点を着いてしまいます。これで3位が確定。

野崎選手との3点差を追いかける黒山選手。クリーンを狙い、他の選手が足を出したポイントを慎重に、丁寧に走ります。

ところがこの岩に上がったところで、5点の笛。審判は「後輪がゲートマーカーに接触した」と判断理由を説明します。

これに対し黒山選手は、「特に後輪は当たらないように注意した。当たっていない」と反論します。

改めてルールブックを確認すると、「ゲートの示す範囲は、ゲートに示されている矢印の先端と先端の間(矢印の先端 がマーカー端部に無い場合、マーカーの内側端部がゲートの示す範囲とする)と 解釈する。前後タイヤは厳密にこの間を通過すること」となっています。
MFJがビデオを判定の参考にしないことは知った上で動画を見ると、黒山選手が通過した際、ゲートマーカーは確かに少し動いています。
https://youtu.be/Hm_1O5NaoG4
この大会に利害関係のないオブザーバーライセンス保持者にこの動画を見てもらったところ、「5点をとったオブザーバーは、よくこれを見逃さなかった」「疑わしきはライダーに有利に、だけど、オブザーバーは自分の見たものについては減点を下ださなくてならない」とのこと。
ただこの事例では、審判は後輪がゲートマーカーに当たった、と言っています。
しかしタイヤは当たったようには見えず、触れているとするとステップか左つま先のようです。
ルールブックによると、ゲートマーカーに接触NGなのは前後タイヤであり、それ以外の部分はセクション破壊がない限り減点の対象とはならない、と読めます。
実際過去にも足先がマーカーに当たってもノーカウントだった判断は、いくつもあります。
また一旦はマーカー接触で5点になっても、「マーカーは風で動いた」「泥が当たった」などの意見により判定が覆った例もあります。

黒山選手は自分の通ったラインを示しタイヤが当たることは不可能だと説明しますが、判定は変わりません。

これで優勝が確定した野崎選手。「気が抜けてしまいました」というトライは、エンスト5点という幕切れ。

それでも第3戦九州大会に続き、彼にとっては初めてとなる1シーズン複数優勝を決めました。


優勝 野崎史高 15c21
2位 黒山健一 18c18
3位 小川友幸 19c18
4位 小川毅士 28c17
5位 氏川政哉 43c15
6位 柴田 暁 55c9
7位 斎藤晶夫 71c8
8位 藤原慎也 73c8
9位 吉良祐哉 87c8
10位 成田 亮 87c5
----以下SS不出走----
11位 岡村将敏 86c4
12位 平田貴裕 87c3
13位 磯谷 玲 89c3
リタイア 平田雅裕
試合前にハンドボールほどもある大っきな桃を食べていた、西村亜弥選手。


今回は、2位となった小玉絵里加選手の4分の1以下減点での圧勝。


レディースに初めて参戦のブラジル人、ソアレス米澤ジェシカ選手の挑戦も退けます。


3年間無敗で、早くも2018年のレディースチャンピオンを決めました。

宗七音響Wise Beta Teamは今回、レディースで西村亜弥選手、IBで宮澤陽斗選手、IAで山崎頌太選手による優勝独占という快挙。

IASだけ4位で、毅士選手はちょいと居心地悪いかな?
IASのランキングは、今回優勝の野崎選手が友幸選手に同ポイントに追いつき、後から勝った方が上ルールで野崎選手がトップ。

JTR史上初めてとなる6連覇を目指している友幸選手には、黄色信号が点滅。
対する野崎選手は、初めての経験となるチャンピオン争いをどう闘うのか。
残る中部大会、東北大会が楽しみです。
【第5戦終了時点でのランキング】
1位 野崎史高 87
2位 小川友幸 87
3位 黒山健一 71
4位 柴田 暁 62
5位 小川毅士 61
6位 斎藤晶夫 42
7位 氏川政哉 41
8位 藤原慎也 40
9位 岡村将敏 29
10位 野本佳章 28
11位 吉良祐哉 26
12位 久岡孝二 21
13位 平田貴裕 16
14位 成田 亮 14
15位 磯谷 玲 11
16位 砂田真彦 9
17位 平田雅裕 6
ところで、今回も問題となったマーカー接触による失敗の判定。
ライダーには接触の自覚がないため、スーパークラスに限らず揉める現場を多く見ます。
選手も審判も不愉快だし、観客もよくわからない判定でスポーツらしくない口論を見せられ、がっかり・・・
わかりにくいことを無理矢理判断するのは、いったい誰得?
これは2015年に見に行った世界選手権フランス大会のゲートマーカーです。

2本の針金で岩に差し込まれている日本と違い、支柱は1本。
これが岩に差し込まれていて、タイヤが触れるとくるくる回りますがその状態では減点はとられません。マーカーが吹っ飛ぶとさすがに5点ですが、そこまで行くとライダーも納得できます。
MFJもこういう事例を導入するか、あるいは独自の改善案をFIMに提示できないものでしょうか。
ちなみにこちらはSS第1でタイヤから飛び降りた瞬間の、野崎選手。

タイヤがテープに接触していますが、テープだと切れないかぎりOK。
なのにゲートマーカーでは一切NGというのは、ルールのダブルスタンダードにも思えます。
「ルールだから守る」ではなく、トライアルをこれからどうしたいのか考え、選手も観客も審判も楽しめるスポーツに変えていくことはできないものか、と思う次第です。
予想された雨がなくグリップはいいのですが、人工物を主体としたセクションは、一瞬で5点になってしまいます。
2ラップ目第2セクションの、斎藤選手。

第3セクションの吉良選手。

斎藤選手。

藤原選手。

氏川選手は、1ラップ目に観客を驚かせた第2セクションで、またまた真正面からのトライ。

でも出口手前のヒューム管で、マーカー接触をとられてしまいます。

たしかにマーカーは揺らいでいるようですが、どこがマーカーに当たったのかよくわからない微妙な判定。
氏川選手は審判に食い下がりますが、判定は変わりません。

氏川選手は次の第3セクションでも5点をとって、順位を落としてしまいます。

「チャンピオンとかは全く考えていませんが、プロとして出るからには、当然勝ちに行きます」と言っていた黒山選手。
野崎選手のと2点差を追いかけて2ラップ目を走ります。

1ラップ目、右から斜めに攻めた第2セクションは、今度は発射台を使い正面から挑んでクリーンです。

黒山選手は第1から第7までを0点で終えて、第8セクション。

ここはアウトに続くヒルクライムにコンクリートブロックから直に挑むか、いったん右に降りて助走を長くとるか、ふたつのラインがあります。

1ラップ目はみな一旦ブロックから降りてターン、右から加速するライン。
柴田選手は、2点。

氏川選手、2点。

野崎選手は1点。

友幸選手はここは登るも、手前で1点。

黒山選手は1ラップ目、ここで2点をとってしまっています。

2ラップ目の同じ第8セクション。
黒山選手は右に降りず、まっすぐ登るラインを選びました。

助走は短くなりますが上の丸太に正面から入れるため、クリーンの可能性が増えます。
野崎選手に追いつくためにはこの方が有利、との判断でしょう。
でも結果は、横から狙った1ラップ目より悪い3点でした。


2ラップ目最後の第10セクション。藤原選手。

氏川選手はあいかわらず真正面から挑んで、今度もクリーン。

黒山選手は、ここは1ラップ目と変わらず斜めからのウイリージャンプ。

でも上で1点を着いてしまいます。

野崎選手を追いかける黒山選手の2ラップ目は、合計4点です。
1ラップ目を4位という、想定外の順位で終えた友幸選手。

その原因となった第2セクションは、2ラップ目はクリーン。フロントからヒューム管に突っ込んだ第7セクションも、0点。

第1から第7は0点でしたが、第8で2点。

でも2ラップ目の減点をこれだけに抑え、ラップ18点もとってしまった氏川選手を抜きました。

1ラップ目をトップで終えた野崎選手は、2ラップ目も乱れません。
第2セクション。

第3セクション。

黒山選手が勝負を賭けた第8セクション。黒山選手の3点に対し、右からのラインで0点で登ります。

最終第10セクションも0点で、ラップオールクリーンを達成です。

【2ラップ目終了時点】
1位 野崎史高 6
2位 黒山健一 12
3位 小川友幸 14
4位 小川毅士 19
5位 柴田 暁 25
6位 氏川政哉 29
7位 藤原慎也 39
8位 吉良祐哉 42
9位 斎藤晶夫 52
10位 平田貴裕 57
11位 成田 亮 58
12位 岡村将敏 59
13位 磯谷 玲 60
リタイア 平田雅裕
ところでこの試合、コースが短かったせいかIBの団体様とぶつかり、どのセクションも激しい渋滞に見舞われます。


対策として試合中に1ラップ目のタイム制限が撤廃され、選手の持ち時間は3ラップで5時間に変更。
1ラップ目のドタバタはなくなりましたが、その分選手たちは3ラップ目に持ち時間に追われ、ほとんど下見も出来ないままのトライとなります。
そのせいでしょうか、3ラップ目の野崎選手は、2ラップ目クリーンしていた第3セクションで3点。

友幸選手も2点。

他の選手も、なかなか減点を減らすことが出来ません。
第3セクションの毅士選手。

吉良選手。

氏川選手。

第7セクション、吉良選手。

第7セクションでは柴田選手のマシンが暴走。セクションから飛び出して土の斜面に激突します。

「アクセルを開けたらスロットルホルダごと回ってしまい、戻らなくなった」とのこと。
リヤフェンダーもボッキリ折れてしまい、精神的ダメージも。このためか第8セクションも斜面を登れません。

時間もなくなり、柴田選手にとってはクリーンセクションだという第9と第10をエスケープ。
「全く自分のせいなんですけど、20点も無駄にとってしまいました」とのことで、3ラップ目の合計は23点。8点でまとめた氏川選手に逆転されてしまいます。
逆転優勝を狙う黒山選手は、渋滞対策として2ラップ目から早周りをしていました。
この結果余裕を持てたのでしょう、3ラップ目はオールクリーンで走り切り、2ラップ目終了時点で6点だった野崎選手との差を2点に詰めます。

3ラップが終わり、スペシャルセクション出走枠の10人に残ったのは、以下の選手です。
【3ラップ目終了時点】
1位 野崎史高 10
2位 黒山健一 12
3位 小川友幸 17
4位 小川毅士 25
5位 氏川政哉 37
6位 柴田 暁 48
7位 斎藤晶夫 61
8位 藤原慎也 65
9位 吉良祐哉 75
10位 成田 亮 79
SSを待つ間のトップ3は、この表情。



ここまで5位と今回好調の氏川選手も、SSに向けて体調を整えます。

SSの第1は、この巨大タイヤ。

高さ自体はそれほどでもないのですが、このタイヤはどれもグラグラと動くロールプレイングゲーム状態。
成田選手は3点。

吉良選手も3点。

藤原選手も3点。

危なかった斎藤選手、何とか3点でアウト。

インターバルでしっかりマシンを修理した柴田選手は、クリーン。

氏川選手もクリーン。

毅士選手も0点。

まだ優勝の可能性も残している友幸選手ですが、1点を着いてしまいます。

野崎選手を2点差にまで追い詰めている黒山選手も、1点。

野崎選手はクリーンで走破し、黒山選手との差を3点に広げました。

最後の最後、SSの第2は第10セクションの改造版。細く複雑なコースが選手に足を着かせます。
成田選手は5点。

吉良選手も5点。ステア手前のマーカーに接触したらしいのですが、はっきりはわかりませんでした。

藤原選手は前輪を落としてしまい、ステア下の溝に頭から突っ込んでしまいます。


斎藤選手はタイムオーバー。

柴田選手はテープ切断。

この難セクションを氏川選手は3点でアウト。

自己最高位の5位獲得に、ニッコリです。

毅士選手も3点。4位を獲得です。

クリーンすればまだ2位になれるかもしれない友幸選手ですが、1点を着いてしまいます。これで3位が確定。

野崎選手との3点差を追いかける黒山選手。クリーンを狙い、他の選手が足を出したポイントを慎重に、丁寧に走ります。

ところがこの岩に上がったところで、5点の笛。審判は「後輪がゲートマーカーに接触した」と判断理由を説明します。

これに対し黒山選手は、「特に後輪は当たらないように注意した。当たっていない」と反論します。

改めてルールブックを確認すると、「ゲートの示す範囲は、ゲートに示されている矢印の先端と先端の間(矢印の先端 がマーカー端部に無い場合、マーカーの内側端部がゲートの示す範囲とする)と 解釈する。前後タイヤは厳密にこの間を通過すること」となっています。
MFJがビデオを判定の参考にしないことは知った上で動画を見ると、黒山選手が通過した際、ゲートマーカーは確かに少し動いています。
https://youtu.be/Hm_1O5NaoG4
この大会に利害関係のないオブザーバーライセンス保持者にこの動画を見てもらったところ、「5点をとったオブザーバーは、よくこれを見逃さなかった」「疑わしきはライダーに有利に、だけど、オブザーバーは自分の見たものについては減点を下ださなくてならない」とのこと。
ただこの事例では、審判は後輪がゲートマーカーに当たった、と言っています。
しかしタイヤは当たったようには見えず、触れているとするとステップか左つま先のようです。
ルールブックによると、ゲートマーカーに接触NGなのは前後タイヤであり、それ以外の部分はセクション破壊がない限り減点の対象とはならない、と読めます。
実際過去にも足先がマーカーに当たってもノーカウントだった判断は、いくつもあります。
また一旦はマーカー接触で5点になっても、「マーカーは風で動いた」「泥が当たった」などの意見により判定が覆った例もあります。

黒山選手は自分の通ったラインを示しタイヤが当たることは不可能だと説明しますが、判定は変わりません。

これで優勝が確定した野崎選手。「気が抜けてしまいました」というトライは、エンスト5点という幕切れ。

それでも第3戦九州大会に続き、彼にとっては初めてとなる1シーズン複数優勝を決めました。


優勝 野崎史高 15c21
2位 黒山健一 18c18
3位 小川友幸 19c18
4位 小川毅士 28c17
5位 氏川政哉 43c15
6位 柴田 暁 55c9
7位 斎藤晶夫 71c8
8位 藤原慎也 73c8
9位 吉良祐哉 87c8
10位 成田 亮 87c5
----以下SS不出走----
11位 岡村将敏 86c4
12位 平田貴裕 87c3
13位 磯谷 玲 89c3
リタイア 平田雅裕
試合前にハンドボールほどもある大っきな桃を食べていた、西村亜弥選手。


今回は、2位となった小玉絵里加選手の4分の1以下減点での圧勝。


レディースに初めて参戦のブラジル人、ソアレス米澤ジェシカ選手の挑戦も退けます。


3年間無敗で、早くも2018年のレディースチャンピオンを決めました。

宗七音響Wise Beta Teamは今回、レディースで西村亜弥選手、IBで宮澤陽斗選手、IAで山崎頌太選手による優勝独占という快挙。

IASだけ4位で、毅士選手はちょいと居心地悪いかな?
IASのランキングは、今回優勝の野崎選手が友幸選手に同ポイントに追いつき、後から勝った方が上ルールで野崎選手がトップ。

JTR史上初めてとなる6連覇を目指している友幸選手には、黄色信号が点滅。
対する野崎選手は、初めての経験となるチャンピオン争いをどう闘うのか。
残る中部大会、東北大会が楽しみです。
【第5戦終了時点でのランキング】
1位 野崎史高 87
2位 小川友幸 87
3位 黒山健一 71
4位 柴田 暁 62
5位 小川毅士 61
6位 斎藤晶夫 42
7位 氏川政哉 41
8位 藤原慎也 40
9位 岡村将敏 29
10位 野本佳章 28
11位 吉良祐哉 26
12位 久岡孝二 21
13位 平田貴裕 16
14位 成田 亮 14
15位 磯谷 玲 11
16位 砂田真彦 9
17位 平田雅裕 6
ところで、今回も問題となったマーカー接触による失敗の判定。
ライダーには接触の自覚がないため、スーパークラスに限らず揉める現場を多く見ます。
選手も審判も不愉快だし、観客もよくわからない判定でスポーツらしくない口論を見せられ、がっかり・・・
わかりにくいことを無理矢理判断するのは、いったい誰得?
これは2015年に見に行った世界選手権フランス大会のゲートマーカーです。

2本の針金で岩に差し込まれている日本と違い、支柱は1本。
これが岩に差し込まれていて、タイヤが触れるとくるくる回りますがその状態では減点はとられません。マーカーが吹っ飛ぶとさすがに5点ですが、そこまで行くとライダーも納得できます。
MFJもこういう事例を導入するか、あるいは独自の改善案をFIMに提示できないものでしょうか。
ちなみにこちらはSS第1でタイヤから飛び降りた瞬間の、野崎選手。

タイヤがテープに接触していますが、テープだと切れないかぎりOK。
なのにゲートマーカーでは一切NGというのは、ルールのダブルスタンダードにも思えます。
「ルールだから守る」ではなく、トライアルをこれからどうしたいのか考え、選手も観客も審判も楽しめるスポーツに変えていくことはできないものか、と思う次第です。
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