Flower & Cafe の店「たっきん」
三重県名張市瀬古口字西地内
ハートアイランド内1階
設計施工/高原生樹建築設計事務所 高原生樹
施工協力業者/ 加芝建設 芝原幸万
くつろげる空間を求めて
flower & cafeの店「 たっきん」は11年前オープンした、複合商業施設「ハートアイランド」内のテナントです。此の複合商業施設が目指した、山間田園地帯の「都市のグリーン環境」はこの地の方に受け入れて貰えたかの答えが今、此のFlower & Cafe 「たっきん」で再び試されようとしています。周辺は次々に変化して行く中で10年以上も施設全体のリニューアルを施さず、お客さんを引きつけておくには、絶え間ないメンテナンスと、それ以上の魅力が施設に必要です。
同じ10年前出来たSCやFCそれに家電量販店なども次々に進出、撤退、改装を繰り返しています。それでも価格のみの競走と実際はなっているのが現状です、効率第1主義、建物内部に入ってもどちらを向いているのか、何処にいるのかも分からないSC,FCばかりが増えている中で、この地で中小の施設が生き残る事が出来る為には10年前も今もかわりがなかった様に思います。豊かな緑溢れる空間で、人々の感性に訴える、言葉に表し表現しなくても、確実に人々の心の中に、人間らしい空間を求める気持ちは、10年前よりも一層必要とされる時代になっています。
緑、水、花 太陽が溢れる中庭と、テナントの共有で豊かな空間の提供をする、これこそが此の施設で目指していたことです。
業種の複合化
フラワーショップとカフェ、彩りを添える食器の生活空間へのさりげない提案、心地よい、ゆったりくつろげる、大人の場の提供こそが経営者が求められていたお店だと思います。今お客様をもてなすのに飲み物の味は無論のこと使われる食器、インテリア、エクステリア、全てでその人のセンスが試される時代です、特に近年テーブルを飾る花の需要が多くなって来ています、今度の店舗はおもてなしへの提案として、花をはじめ食器も含めてトータルなくつろぎ空間を提案しています。
店舗内部は花を引き立てる素材として、硝子を多用し、繊細な花のイメージとクリスタルな硝子の輝き、それにふさわしい光照明の天井で、明るくさわやかな空間を作ることに心掛けました。
中庭を取り込む為の円形直径5mの硝子テーブルは、中庭を流れる水、流れ落ちる滝、行き交う人達を見つめながら友達同士でお喋りを楽しむ為の場の提供となればと思っています。 <高原生樹>
Flower & Cafe の店「たっきん」 データ
工事種別 : 内装 新築
床面積 : 153.56㎡ (うち フラワーショップ 38.50㎡ 厨房 15.00㎡)
工期 : 2001年4月1日~5月31日
施工協力 内装工事 /ショップ榎本 榎本明雄 硝子工事/ 角田アルミ製作所 角田太郎
電気工事/ 笹野電気 笹野幸生 空調工事/ 高城デンキ 高城義之 給排水衛生/ 菊屋 森前久生
フラワーキーパー/協和工業 厨房/ホシザキ東海 ネオン/アート工房
営業内容
開店 : 2001年7月20日 電話 : (0595)-62-27111
営業時間 : 午前9時 ~ 午後8時
定休日 : なし
経営者 : 田北利治 田北洋子
従業員 : フラワーショップ 10名 カフェ 7名 合計 17名
(うちパート ・アルバイト 10名 )
客席 : 30席 客単価 : 400円 客回転数 : 4回
主なメニューと単価 : コーヒー 350円 ハーブティー(約20種類)350円~400円
他飲み物(生ジュース カボスサワー等)
デザート・軽食約20種類 モーニングセット(パン・スープ・サラダ・デザート・飲み物)530円
毎週水曜日 抹茶デー (抹茶+和菓子)600円
物販 : 食器2000円~ 花器2500円~
フラワーショップ : 主な取扱商品と単価
バラ : 100円~300円 カーネーション 100 他30種類
フラワーアレンジ 1500円~
主な仕上材料
床 : 御影石貼り 400X400X12 (アーバン貿易) カーペットタイル貼り500X500X12 (タジマ)
巾木 : グラミカラー貼り H=100 (旭硝子)
壁 : グラミカラー貼り H=100 (旭硝子) PB厚12.5下地クロス貼 (サンゲツ)
天井 : PB厚12.5下地 クロス貼 (サンゲツ) 光天井 乳半アクリル厚3㎜貼
家具 : テーブル硝子厚15㎜ フロストフイルム貼り
レジテーブル 強化硝子厚10㎜
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商店建築掲載
素材で透明感&浮遊感を創出
通りにアピールするバーチャル空間
都市計画道路により買収された残りの敷地は奥行き4.5m、間口17.5mとなった。駐車の苦手な女性客が車で来ることを前提に1階部分は全て駐車場とし、美容室と一部テナントを2階部分に計画した。1階部分を全て駐車スペースとするため、スパン17mを2階部分の階高を梁成とするトラス構造とした。更に部材はH形鋼の梁成40㎝以内に2階天井部分の設備を全て納められるように上弦、下弦材を決定し、斜めのラティス材を使い全体をリズミカルに表現した。意匠的なものをできる限り排除することで、単純な構造がこの建物のデザインを決定付けた。
室内は奥行き3.6mとなった。限られた空間をできるだけ狭さを感じさせないようにと仕上にガラスを多用し、その映り込みによる奥行き感を利用した。セットブースと着付け部分のパーティションは乳半フイルム貼りガラスで高さ1.6mに抑え、シャンプーブースとセットブース部分は間仕切を兼ねた収納家具で高さ1.2mのカラーガラス張りとし、トイレの間仕切り壁はスモークミラーガラスとした。
外壁に用いた全面ハーフミラーガラスは内部仕上げの全面張りとともにバーチャルな空間を作りだしている。昼から夜にかけて逆転するバーチャル空間は、道行く人の目を店舗内部に引きつけ、店舗内の人は映し出された内部空間で道行く人の存在を一時忘れる。ミラー効果によるクリスタルな左右2個の立方体をトラスのフレームが包み込む浮遊感は男性的なトラスに対して女性的な透明感となった。内部の仕上はガラスと御影石のみとなったが、ガラスのいろいろな表現方法によって清潔さとソフトな感じを表現出来たのではないかと思う。 <高原生樹>
オーナのひとこと
旧店舗前の道路の拡張工事が実施されるまで、ごく一般的な美容室として30年営業してきました。小さくなった敷地に計画した総ガラス張りの2階建てのコンパクトな建物は、通りから結構目立ちます。長い間、固定客中心の ”守りの営業” でしたが、新しい店舗になって一見のお客様が一日に2,3人は来られ、思いがけず新規顧客開拓にもつながっているようです。電話で予約制で営業しているのでお断りするケースも多く、早急にこの対策を考えねばなりません。また総ガラス張りの店舗デザインにはお客様にも好評で満足しています。 <玉置喜宣>
■「ビューティーサロン バーベナ」 データ
三重県名張市平尾3166-6
Beauty salon VERBENA Hirao Nabari-shi Mie Designer Seiki Takahara
設計/高原生樹建築設計事務所 施工/倉口建設 西尾実 里中伸弘 内装/ショップエノモト 榎本明雄
工事種別 : 一戸建て 新築「
用途地域地区 : 商業地域
容積率 : 制限80%>実効76.54%
容積率 : 制限400%>実効145.37%
構造と規模 : S造 地上2階建
敷地面積 : 88.84㎡ 建築面積 : 68㎡
床面積 : 1階68㎡ 2階61.15㎡ 合計129.15㎡
工期 :1995年6月1日~9月30日
施工協力 : 空調・電気設備/逸光電気商会 給排水・衛生設備/中勢設備工業 サイン/アート工房
■営業内容
開店 : 1995年10月10日
営業時間 :午前9時~午後6時 従業員 :2人
定休日 : 月曜日 第1日曜日 第3火曜日
電話 : 0595-63-3178 経営者 玉置善宣
主な設備 : セット台4台 シャンプー台1台
客単価 : 5500円 1日延べ来客数 : 10人
主なサービスと料金 : シャンプー600~900
パーマ4300~9500 カットブロウ2500~3500
カラーリング4500~7500 着付け3500~5500
■主な仕上材料
屋根 : デッキプレート下地合成ゴムシート貼
外壁 : ハーフミラーガラス t10 (旭ガラス)
外部床 : 2階ホール階段/合成ゴムタイル t 4貼り(コンフォートスクエア/日東商会)
床 : コンクリート下地御影石貼400角 (ミツヤ商事)
壁 : スクリーン/ガラス t 10乳白フィイルム貼
天井 : 軽鉄組PB t 12 クロス貼
什器 : シャンプーチェア&ドライヤー(タカラベルモント)
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