疾走してきたオフロードバイクの人は50歳くらいの身なりのよいおじさまで、
「君、こんな小さいのでよくここまで来れたなぁすごいよ。」と言ってくれました。
引き返そうかどうしようか迷っていたのですが、この一言で勇気百倍さらに先へ行くことを心に決めました。
「すみません、このさきこのゴロタ道まだまだつづきますか?」と聞いてみると
「あと5、6Kmで三国峠の頂上になるからそこから先は川上村まで舗装されているよ」というありがたい情報をいただいた。
「ありがとうございました」と頭を下げて走り出そうとすると、おじさまにまた呼び止められ
「君、この先天候がくずれてくるかもしれないから気をつけたまえ」と親切にもまたありがたい情報をいただく。
考えてみると、迷っていた時点で引き返せばよかったのでしょうが、このおじさまの一言が魔の世界に入っていくきっかけだったとは神ならぬ誰が知ろうか。
ダックスホンダを引っ張ってゴロタ道をあと5Km、あと4Kmとメータを見ながら進んでいきますと、ゴロゴロ、バリバリと突然肚に響く雷鳴が。
ピーカンだった空はにわかに暗くなりポツリポツリと大粒の雨がほほにかかり出しました。
「な~に月形半平太、ぬれて行こう」などとバカなこと考えている間にすっ飛ばされそうな稲妻と同時にものすごい轟音の雷鳴がなり出し、ポツポツだった雨が滝のような豪雨となりました。
辺りは避難できるような処はなく豪雨で先が見えなくなったゴロタ道がうねって続いているだけ。
「どうしよう」………
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます