シン・ケニーのひとりごと通信

平野啓一郎原作X柄本佑X鈴木杏X阿部サダヲ主演「空白を満たしなさい」第5話/最終話

芥川賞作家・平野啓一郎の骨太な原作を柄本佑・鈴木杏・阿部サダヲら当代きっての演技派キャストの競演で映像化した土曜ドラマ「空白を満たしなさい」第5話/最終話見ました。




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自分の死の真相を受け入れた徹生(柄本佑)。息子・璃久(斉藤拓弥)との溝も埋まり始め、妻・千佳(鈴木杏)と共に家族の絆を確かめ合う。復生者(生き返った者)の会で出会った木下(藤森慎吾)と新しいビジネスも始めることになり、NPO法人の池端(滝藤賢一)の支援を受けながら前向きに生き直そうとした矢先(やさき)、世界中で復生者が次々に消えているというニュースが飛び込む。残された時間が少ないと悟った徹生は…。

 

 

自殺を扱っていますので、ちょっと不謹慎ですが、非常に面白かったですね。死んだ理由がわかった全開で最終回化と思ったのですが、今回が最終回である意味がよくわかりました。人間って、いわゆる自分の中に様々な分身がいて、対する人(友人、知人、その他)や対する集団(家族や会社、学校)で異なる分身が対応している前提で、自分の中にいる分身が嫌いになってしまい、他の分身がその嫌いになった分身を処分することから自殺が生まれるという考え方は、僕にはすっきり腑に落ちましたね。僕もアメリカ駐在時代に、それまでなんでも仕事は出来ると思っていたので、自分のキャパ以上の仕事をして、家内の前で弱音を吐いたことを思い出しました。あの時、家内がいてくれたおかげで、精神的な病に落ち込みませんでしたし、息子の笑顔を見て、勇気をもらえたこと、ちょうど徹生が千佳や璃久に対していたのと同じでしたね。あの時、僕は31歳でしたけど。なぜ、復生するのかの謎はわかりませんでしたが、復生者を事故や災害で行方不明になってしまった被害者、失踪者にあてはめたとしても、戻ってきた人との心や時間を共有できなかった分のギャップ、再生への時間など、非常に考えさせられるドラマでした。

 

 

☆☆☆☆


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