当時は大学院1年でWindows95パソコンがたまたま研究室で与えられました(まだ研究用はUNIXの時代)、またRPGツクール95がリリースされた年であり、ツクールを入手した私は研究室のパソコンでせっせとゲームを作り始めたということになります。それが97年の8月1日だったと記憶しています。その後、大学院を休学してゲーム制作に打ち込むわけですが(本当に研究室で指導いただいた先生には申し訳ないことをしたのですが)、当時はとにかく前のめりでハングリーでしたね。元々から販売する気が満々でした。自分が作ったものが誰にどこまで評価されるのか、というのを確かめたい気持ちが強く、それにはお金を払ってもらうことでしか評価できないと思っていたのが一つ、あとは、現実的に同世代の友人などは新卒で働いているので、制作に時間をかけるからには彼らと同等以上の収入を得なければならないという焦燥感に似た気持ちがありました。旧版のCreaturesを作っていた時などは手伝ってくれていた大学の友人のTさんに「なんでこんなにリリースを急ごうしているのか分からない」と言われたことを思い出します。今は全く逆になっており、それはそれで問題だろうと思います。
途中、ゲームリパブリックにお世話になりFolksSoulなどのゲーム機に携わったり、モバイルなど大手企業と提携や受託で制作を行うこともありましたが、基本的にはオリジナル作の制作で正直あまりやっていることは当時と変わってないのですが、そうしたモチベーションに関しては大きく変化はあります。前のめり過ぎるのも時として問題ですが、でも、制作というのはそうあるべきなのかなと思いますね。ゲーム機などもファミコン時代はダメなゲームもありつつも、各社が色々なゲームをどんどん出したのが良かったでしょうし、丁寧に作ろうという意識よりも荒削りでも力のあるものを速く出すべきなのでしょう。
とはいえ、ここは理屈の問題ではないので、難しいところですが、理屈で割りきって進めるというのも技術でそれが自分に欠けているかなと思います。
昨日oboroさんとも話しましたが、モチベーション面で大きな変化は、今は長年の投資運用等の結果で、経済的にはゲーム制作で収益を得る必要がない点でこれにより現在の無料配布が実現されているわけですが、同時にそのことはビジネスを志向してハングリーだった97年の状況の真逆となります。では、お金のために制作をやってきたのかというと、これは全くそうではなく、収益とはあくまでも制作を継続的に行うために必要なものであり(もう一つはユーザーの評価の確認)、お金のためだけに制作を行ったことは一回もないことは断言できます。(これは多くのユーザーさんが同意してくれるでしょう)
しかし、となると、内面的な問題ということになり、ここに現状の難しさはあるでしょう。クリエイター系の職種だと、例えば、私の好きな漫画家さんなどでも一作書いても後が続かないケースや打ち切りでなくても連載が中断するケースがあります。一方で長く続けられる方も多いですし、これはクリエイター共通の課題として乗り越えねばならない壁なのだろうと思います。
というわけでたまにはネガティブなことを書きましたが、昔の制作を始めた夏の荒々しさを思い出すのと、これまでと違った新しい展開も模索していきたいですね。
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