ゲームシナリオライターMistaの制作メモ@将棋ミステリー「千里の棋譜」PS4/Switch

ハロウィンの起源とフォークスソウル

ハロウィンは元々はケルトの祭祀サウィンが起源で異界(死後世界)信仰のためのもので、現代の流行にはケルト人もびっくりしているでしょう。異界は他界と訳した方が日本人に馴染み深いですね。
私が携わったフォークスソウルではアイルランドの寒村を舞台にこの万霊節の夜に異界(死後世界)への扉が開くという伝承をベースに、死者に会うことができる男女の主人公と、現代と過去の村で起きた事件の謎を解いていく、ファンタジーとミステリーの中間的なシナリオを書いています。久々に過去のケルト系資料本を読むと、線が引いてあったり折り目があったり等、懐かしい思いがします。

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※ケルト神話と中世騎士物語・田中仁彦氏著作より引用)
11月1日、北国の冷たい冬が始まる日は、時間が消滅し、この世のあの世の境界がなくなり、シイが口を開けて地下の住人たちが地上にさまよい出るとともに、地上の住人の方も地下の世界に迷い込んだり連れ込まれたりする恐ろしい日である。この日、人々は集まって夜を過ごし、様々な宗教的儀式を行うのであるが、それは元々は「ダナの息子たち」の音量を封ずる鎮魂の儀式だ。
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※ケルト生きている神話・フランク・ディレニー氏 著作より引用)
この夜、大地は口をあけ、魑魅魍魎が闊歩する。闇がすべてを覆い、神々がむつみ合う音にも地がふるえる。悪霊がさまよい出る夜、万霊節。サウィンは原初の混沌に通じる。
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夜集まること以外は、今のハロウィンとは雰囲気違うでしょう^^
「ダナの息子たち」とはケルト人以前に存在した謎の民族でストーンヘンジなど先史文明を築いたが、ケルト人によって滅ぼされ、妖精伝承の元となったとも言われています。フォークスソウルをプレーした人は誰のことかは分かるでしょう。
最後にフォークスソウルのシーンより、主人公エレンが村での過去を思い出すために退行催眠を受けるシーン。プレー動画では23分半くらいのところですね。

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エレン "よく覚えています。万霊節の日・・サウィンの火の祭り・・
わたしは一人、皆と離れて・・"
エレン "遺跡に行って、祈りを捧げていた。

学者 "思い出せるかい?
君はそこで何かを見たんだね?"
エレン "暗くてよく見えない場所に何かが・・
最初は動物の骨かと思ったのですが、動いていた。"

エレン そう・・それは・・妖精だった。
学者 妖精を見た・・?
エレン "・・いえ、違うと思います。だって、妖精なんていない
そうでしょう・・?"

学者 "すると・・こういうことかな?
そこには何かがいた。それは一見すると妖精に見えた。
だけど、よく見ると、それは妖精ではなかった・・"

学者 "でも、もし、それが妖精ではなかったとしたら、
君はいったい何を見て、そう思ったのだろうね・・?"

* 突如、目を見開き、取り乱すエレン。
エレン "わたしの見たのは・・・もっと怖いものだった
・・あああ・・・!!"

* #急に錯乱が止まって真顔になるエレン。場は静寂。 固唾を飲んで彼女の言葉を待つ
エレン 思い出した。わたしが見たのは・・

* エレンの顔がアップになる。エレンの口から真相が漏れようとする瞬間、そこに異界への入口が出現する

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このように日常の何気ないところから地続きで異界への入口が開いているというのがFolksSoulの設定コンセプトです。実際には尺が長いので興味がある方はゲームやムービーを見てもらえると幸いです。
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