北イタリア美術巡り 絵画編 3

2016-10-11 20:48:55 | 美術館
ベネチアのアカデミア美術館のこの↓看板を見た時には
わが目を疑いました
えっ???ボス????
間違いなく私の一番好きな画家の特別展に出会えるなんて!!
私って そんなに普段の行いはよくないのだけど
神様が なんだかご褒美をくださったみたいです








そもそも 特別展で展示されている絵は ドゥカーレにあるものです
ドゥカーレはとても広くて 大体はみなさん 
ティントレットやベロネーゼを目指すので ボッスは片隅にある
だから 見つかるかどうか不安だったのです
それがなんと 労せずして目の前に並んでくれてたわけです
まぁ 決して私のためというわけではありません (あたりまえか)
ボッス生誕500年を記念して ボッスの絵の修復事業が行われたのでした
おそらく劣化の激しいこの三点が選ばれたらしいのです
鮮やかな色で 絵たちはよみがえりました
ちなみに 昔はボッシュ 今は ボッスを経てボスと言われてます 

まずは聖女リベルタの祭壇画です
修復により内側の青いドレスの金色の刺繍がよみがえりました
とても繊細な表現で美しかったです




次は聖人の三連祭壇画です
左から 聖エギデウス 聖ヒエロニムス 聖アントニウスです
どれもそれぞれのアトリビュートによりその人とわかります・・はずです




アントニウスはリスボンの祭壇画があまりに有名で
こちらのアントニウスは影が薄いかもしれない
中央のヒエロニムスは他の画家が描くヒエロニムスより静謐でした




ボッスの魅力はなんといっても 魑魅魍魎でしょう
とくとご覧ください




三作品の最後は 大洪水の祭壇画と呼ばれるものです
もともと三連祭壇の扉絵の表裏と考えられています
ボッスの絵の中でも出所の謎の多い作品です
四枚の絵からなっていますが どれも非常に幻想的です

写真右から 
亡びる者と救われる者 大洪水後の世界
悪の世界 家の中の悪魔と屋外の悪魔 
と題されています



特に右側の絵の大きな光トンネルであらわされた天国が
独特の世界観を作っています




四枚のうちでこの絵が ホッとできる気がします
色遣いやテーマが プラドにある快楽の園に似ていると思いました




とにかく ボッスと劇的な出会いができてよかったです


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