夢さえあれば 人生再起できる
熟年演歌野郎 しかむらひろし 再デビュー
一時はどん底にまで突き落とされた体験を好きな演歌で余生に再起をかけた歌手・しかむらひろしの『男のあかり』(高橋直人作詞、竹田喬作曲)が巷の話題になっている。
♪夢さえ捨てなきゃ 出直しできる これで人生 終わりにゃしない・・・と哀調をおびたメロディーにせつせつと語りかけるこの歌は、ある意味、人生の応援歌だ。
「あと何年生きられるか判らないが、人生捨てたもんじゃない。先祖から戴いた人生、失敗の過去があったとしても、成せばなるで起ちあがった体験を生かして頑張れるという波乱万丈から生まれた演歌人生の集大成」と位置ける。
昭和50年代にrcaビクターから歌手デビュー。38歳で芸能プロ社長歌手で話題になり、小川宏ショーなどのワイド番組で“動く宣伝マン歌手”で活躍。また、頭部の中央を丸く刈り上げ“かっぱ”スタイルで、そのユニークな形態から“かっぱちゃん”の愛称で人気を呼んだ。
人生七転八起。成功して頂点を極めた時期もあったが、挫折も味わった。スポンサー無しで、テレビ番組制作に取り組み、視聴者の評判は良かったものの、資金が続かず借金を重ねて文無しになり、全てを捨てて彷徨。
しかし、あるきっかけが運命を変えた。野宿をしながら出逢ったのが山梨・甲府市のそば店。その店を手伝いながら、ようやく昼カラオケ喫茶店を経営するまでに立ち直った。まさに拾う神ありの縁で、再び好きな歌で第二の人生を歩み始めた。
七十代半ばに差しかかって、好きな歌で余生に賭けたいま、店を終えた夜は、時間を惜しまず、キャンペーンに東奔西走の毎日だ。
『同世代だけでなく、誰でも夢さえ持ち続ければ、あかりが灯ると言うメッセージを託して歌っていきたい。人生再挑戦をあきらめないで』と、“熟年演歌野郎”は魂の雄叫びをこの曲に全力注入で訴える。