空想と現実が同じ世界になる病気があるようだ
科学界追放か…世界の研究者も呆れた小保方さんの実験ノート
8日、理化学研究所の調査委員会は、小保方晴子さん(30)の不服申し立てを退ける決定をした。STAP論文の画像に「捏造(ねつぞう)」と「改竄(かいざん)」があったと指摘された小保方さんは、「悪意のない間違い」「不正ではない」と不服を申し立てていたが、「悪意があったことは明らか」と一蹴した。
理研が突きつけたのは、小保方さんの“前科”だ。
小保方さんは、STAP論文をネイチャー誌に投稿する前の2012年7月、同じ趣旨の論文をサイエンス誌に投稿して却下されている。その時、審査した専門家から「画像を加工する場合は、加工の有無が分かるよう両側に線を入れるように」と注意されていた。
ところが、その7カ月後、ネイチャー誌に投稿した時も、画像に線を入れなかった。データの正しい提示法を認識していながら、意図的に線を入れなかった「確信犯」というわけだ。
東大の上昌広特任教授はこう言う。
「理研の判断は妥当だと思います。“不正はなかった”という小保方さんの主張に一つ一つ根拠を示しながら“不正はあった”と結論づけている。世界中の研究者が、理研の主張に納得したと思う。正直、理研には感心しました。たしかにマネジメントには問題が多い。でも、返り血を浴びてでも、科学者として真摯に調査しようという態度だった。記者会見も3時間応じた。一方の小保方さんは、求められた資料を提出しないなど調査に協力しなかった。いま小保方さんに同情する研究者は、ほとんどいないでしょう」
■7月、早大「博士論文」調査がトドメ
小保方さんにとって致命的なのは、自ら公開した「実験ノート」だという。「ちゃんと実験していることを示したい」と公開した。
ところが、<陽性かくにん! よかった><10の5乗ずつ移植(ハート)>などと、中学生のメモ書きのような中身。
さすがに、ワシントン大生物学部の鳥居啓子教授が「絵日記のような実験ノートにびっくり。理科の観察日誌?」とツイートするなど、世界中の研究者が呆れている。
もはや小保方さんを雇う研究機関はないのではないか。
「あのノートを見たら、引き受ける研究所はないでしょう。それに小保方さんには理研だけでなく文科省もカンカンになっている。理研と文科省を敵に回す組織はない。7月には、早稲田大学が小保方さんの博士論文に不正がなかったか結論を出す。コピペは明らかだから、博士号は剥奪される可能性が高い。博士号を失ったら、そのまま科学界から追放される恐れがあります」(民間シンクタンク研究員)
この3カ月間のバカ騒ぎは、一体なんだったのか。
(日刊ゲンダイ2014年5月9日掲載)
科学界追放か…世界の研究者も呆れた小保方さんの実験ノート
2014年5月10日(土)10時26分配信 日刊ゲンダイ
本人は「なにを言っても通らない」と、うちひしがれているという。本当はグーの音も出ないのではないか。8日、理化学研究所の調査委員会は、小保方晴子さん(30)の不服申し立てを退ける決定をした。STAP論文の画像に「捏造(ねつぞう)」と「改竄(かいざん)」があったと指摘された小保方さんは、「悪意のない間違い」「不正ではない」と不服を申し立てていたが、「悪意があったことは明らか」と一蹴した。
理研が突きつけたのは、小保方さんの“前科”だ。
小保方さんは、STAP論文をネイチャー誌に投稿する前の2012年7月、同じ趣旨の論文をサイエンス誌に投稿して却下されている。その時、審査した専門家から「画像を加工する場合は、加工の有無が分かるよう両側に線を入れるように」と注意されていた。
ところが、その7カ月後、ネイチャー誌に投稿した時も、画像に線を入れなかった。データの正しい提示法を認識していながら、意図的に線を入れなかった「確信犯」というわけだ。
東大の上昌広特任教授はこう言う。
「理研の判断は妥当だと思います。“不正はなかった”という小保方さんの主張に一つ一つ根拠を示しながら“不正はあった”と結論づけている。世界中の研究者が、理研の主張に納得したと思う。正直、理研には感心しました。たしかにマネジメントには問題が多い。でも、返り血を浴びてでも、科学者として真摯に調査しようという態度だった。記者会見も3時間応じた。一方の小保方さんは、求められた資料を提出しないなど調査に協力しなかった。いま小保方さんに同情する研究者は、ほとんどいないでしょう」
■7月、早大「博士論文」調査がトドメ
小保方さんにとって致命的なのは、自ら公開した「実験ノート」だという。「ちゃんと実験していることを示したい」と公開した。
ところが、<陽性かくにん! よかった><10の5乗ずつ移植(ハート)>などと、中学生のメモ書きのような中身。
さすがに、ワシントン大生物学部の鳥居啓子教授が「絵日記のような実験ノートにびっくり。理科の観察日誌?」とツイートするなど、世界中の研究者が呆れている。
もはや小保方さんを雇う研究機関はないのではないか。
「あのノートを見たら、引き受ける研究所はないでしょう。それに小保方さんには理研だけでなく文科省もカンカンになっている。理研と文科省を敵に回す組織はない。7月には、早稲田大学が小保方さんの博士論文に不正がなかったか結論を出す。コピペは明らかだから、博士号は剥奪される可能性が高い。博士号を失ったら、そのまま科学界から追放される恐れがあります」(民間シンクタンク研究員)
この3カ月間のバカ騒ぎは、一体なんだったのか。
(日刊ゲンダイ2014年5月9日掲載)