出版社/著者からの内容紹介
悪い子だ。発情してしまったのか?
自覚のあるろくでなし・三浦倖夫は、うだるように暑い夏のある日、会員制のデートクラブ「Pet Lovers」から「犬」として、寡黙で美しい男・轡田の屋敷に派遣される。そこで倖夫を待っていたのは厳格な主人轡田の厳しい躾の日々だった。人でありながら犬扱いされることへの屈辱と羞恥。そして、身体の奥底に感じる正体不明の熱・・・次第に深みにはまっていくふたりだったが!?
大好きで、はまりまくってる一品
買ったのは結構前なのですが、もう、すっごいハマッて何度も何度も読み返しています。毎日読んでた時があった。
榎田さんの作品はこれしか読んだ事ないです。
しかし、正直、ほかのも読みたいと思うものはないのです。50冊以上発行してる作家に失礼な話だがストーリーも読者の感想読んでも私の好みとは違うものですから・・・・
たまたま、本書はFANである志水さんの絵と題名に惹かれに手に取りました。
紹介文を読むとやはり、あまり私の好みではない。紹介文だけだったら、たぶん買わなかった。ただ、パラ読みし始めたら、止まらなくなりました。
・・・・・・泣きました。まじで。
私のちょーツボだった。(BLかなり読んでますが、泣かせられたのは、このともう1冊だけです。)
とにかく、主人公*倖夫(ゆきお)が、切ない。
轡田と出合って、犬としてしつけられながらも初めて他人に愛されること、甘やかされること、見守られるという安心感・・・・・・人が当たり前に親からもらう愛情を知る。
轡田に与えられるまで、自分自身が愛されたくて、孤独で干からびていた事に、渇き過ぎていて気付かなかった倖夫。
~二十三年間生きてきて、「ああ幸せだな」と思った記憶がない。
それでも親に殴られて死ぬ子供よりはだいぶいい。戦争の絶えない国の人よりは全然ましだ。だから、不幸とは思わない。だた、幸福でもない。
・・・・・そんな人生を送ってきた倖夫。
また倖夫とは違う理由だけども、やはりどうしようもない孤独を胸に抱いてる轡田。
寂しさから生まれる自分の独占欲が尋常ではないから、デートクラブで人を買い、一時だけ人間を「犬」に見立て愛情を注ぐ。
お互いに『正常』ではないとわかっていながら、そんな形でしか孤独を埋められない不器用さに胸が痛くなる。
「犬」に向けられる轡田の愛情。
その愛情が欲しいから、轡田の『犬』でいることを望む倖生。
倖生が初めて感じた幸福は、轡田の傍らにあった。
だからこそ、高熱にうなされてまで、犬であろうとする・・・・・
一途に慕う、必死な倖生の姿が私的にはちょー泣きツボ。
刷り込みでもなんでもいい。
お互いがいることで満たされるなら、いいじゃないか。
多分、わからない人にはわからない感情だと思うので、ハマれる人とそうでない人に分かれそうな一品。
しかし、せつな系(最終的にHappy end)好きには