https://tocana.jp/2019/02/post_84496_entry.html 2019.02.25
サウジアラビアで7千年前の「史上最も古い建造物」が発見される! 使用目的など完全不明、ピラミッドより古くて学者も困惑!
古代の有名な建造物といえば、まず思い浮かぶのはエジプトの大ピラミッドではないだろうか? だが、実はそれよりさらに2,000年ほどさかのぼり、今から7,000年前に造られたと推測される大小約400もの石(岩)からなる不思議な建造物が中近東に存在している。
■サウジアラビア西部の「史上最も古い人工構造物」
グーグルアースの画像を確認すると、サウジアラビア西部・ハラットカイバルと呼ばれる一見したところ文明とは無縁に見える溶岩地帯に、長方形の石垣のようなデザインの構造物が広範囲にわたり複数点在しているのがわかる。
高さはどれも低いが、長さは最短で13メートル程度のものから最長500メートル以上に及ぶものまでさまざまだ。形状は凧のようなもの、門のようなもの、滑走路のようなものとまちまちではあるが、多くは直線がひとつの特徴となっている。
西オーストラリア大学の考古学者、デビッド・ケネディ教授はグーグルアースを駆使して研究中だ。教授はこれらを“門”と呼んでおり、石が幾十にも積み重ねられている「史上最も古い人工構造物」のひとつではないかと語る。
だが、水が乏しく植物も育たない不毛なこの土地に、なぜこのようなものが造られたのかについては、「残念ながら現時点では全くもって不明である」という。
建造物のうち、いくつかは溶岩ドームのすぐ側に造られて、上部に溶岩をかぶっているものもあり、つまり、火山活動の始まる前、溶岩が押し出される前に完成していたかなり古いものだということが見てとれる。
■罠、墓、埋葬モニュメントの可能性
地上からでは判別しにくいこういった遺跡や構造物は、衛星写真の発達により、近年になり急激に調査が進むようになったのだが、“門”はもともと1980年代より同地域の地図を作っている火山学者らによって注目されていた
その後、サウジアラビアのアマチュア考古学者のグループ「The Desert Team」が、構造についての先駆けとなる調査を行い、2008年には地上および衛星からの画像を豊富に盛り込んだサイトを作成。ケネディ教授はこのサイトについて「英語で詳細を読めない(ほとんどがアラビア語のため)ので、翻訳に手こずりながらもかなり参考になる」といい、すでに10年以上たっているものの依然として優れた資料であると言及している。
サイト内では“彗星”や“三角”と名付けられた異なる形状の、数十から数百メートルに及ぶ構造物を空から俯瞰したり、地上から展望したりすることもできる。また、地上で撮られた画像には、積み重ねられた石が長方形にそろえられているのが写っているのだが、これらの石は何かしらの意図的を持って形成されたのであろうか?
現在までに“門”の現地での正式な調査は行われていないので正確な結果は不明ではあるが、
砂漠で動物を捕らえるための凧の形をした罠に似ているとの指摘や、墓や埋葬のモニュメント的なものの可能性もあるという。
今や考古学分野にも相当な貢献を果たしているグーグルアース。
ひょっとしたら、あなたも地球上に埋もれている古代遺跡を発見できるかも!?
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Grail」、「The Desert Team」、ほか