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沖縄は日本ではない…に翁長雄志県知事はなぜ抗議しないのか? 八重山日報編集長・仲新城誠

2017年01月14日 00時09分41秒 | 尖閣・沖縄

http://www.sankei.com/premium/news/170107/prm1701070012-n1.html

2017.1.8 16:30 【月刊正論2月号】

沖縄は日本ではない…に翁長雄志県知事はなぜ抗議しないのか? 八重山日報編集長・仲新城誠

報道は客観的な事実を読者に伝えるものであり、それが「国益」にかなっているかどうかを考慮する必要はない、というのも一つの考え方だ。しかし、自国の国益を害するだけでなく、敵対的な他国の国益に一致するような報道に対しては、読者は「この報道は果たしてまともなのか」と身構えてかからなくてはならない。

 2016年11月、日本が進めている「奄美・琉球」(奄美大島、徳之島、沖縄本島北部、西表島)の世界自然遺産登録に対し、中国が妨害の動きを見せていることが明らかになった。外交ルートで日本政府に懸念を伝え、国連教育科学文化機関(ユネスコ)にも反対の意向を伝えているという。  

 事の発端は石垣市が2013年3月に策定した「海洋基本計画」にある。市の行政区域である尖閣諸島について、世界遺産登録を視野に入れた調査研究を進める方針を明記した。  

 尖閣諸島は貴重な自然の宝庫だ。固有動物としてはセンカクモグラ、センカクサワガニなど、固有植物としてはセンカクツツツジやセンカクアオイなどが知られている。1940年に無人島化して80年近くが経過しており、環境には人の手がほとんど加えられていない。世界自然遺産としての価値を検討する余地は十分にある。  

 世界自然遺産登録の意義はもう一つある。尖閣が日本の領土であると、国際的に公認させる効果だ。副次的な効果だが、日本にとって見逃せないメリットである。石垣市は当然、海洋基本計画の策定時にそのことを意識していた。

 中国は即座に猛反発した。「釣魚島(尖閣の中国名)は中国固有の領土であり、日本が世界遺産登録を申請する権利はない」と訴えたのだ。

 2018年に実現するスケジュールで、日本が国として作業を進めてきた「奄美・琉球」の世界遺産登録について、中国は将来、登録範囲が尖閣諸島に拡大される可能性を警戒。日本が「今回の世界遺産登録に尖閣は含まれない」と再三説明しているにもかかわらず、反対姿勢を崩していないという。  

 さらに沖縄県民を驚かせたのは、中国紙「環球時報」が11月16日に掲載した専門家の論文だった。「琉球は日本固有の領土とは言えない」「琉球は独立国で、中国が長く宗主国だったが、日本に占領された」などと主張。「日本が琉球諸島を自国の領土にする目的で世界遺産登録を利用するなら、戦後の国際秩序への挑戦だ」とまで極言した。石垣市が尖閣の世界遺産登録を目指していることに対する「意趣返し」と見るべきだろう。  

 沖縄県民としては敢然と中国に反論しなくてはならないが、この約3週間前、県紙「琉球新報」は10月29日付で、奇妙な社説を掲載していた。米軍北部訓練場の部分返還をめぐるヘリパッド移設工事で、機動隊員が反対派に「土人」と発言したことを批判する文脈で、こう書いていた。

「差別発言を契機に、『自治権確立』、さらに『琉球独立』の声すら高まりつつあるように思われる。独立論の高まりは『日本』対『沖縄』の対立をさらに深めることになるだろう。日米両政府は沖縄への差別政策をやめるべきだ。沖縄に基地を集中する『構造的差別』が続く限り、県民の分断、『日本』対『沖縄』の亀裂は埋まらない」  

 中国の「専門家」とやらも、沖縄メディアのこうした論調を意識した上で「沖縄は日本ではない」と言い放ったのではないか。日本がいくら「沖縄は日本だ」と強調しても、当の沖縄メディアが「自治権確立だ」「独立だ」と騒ぎ立てていれば「だって、沖縄県民もそう言っているのではないか」という話になる。中国紙の荒唐無稽な言い分を、沖縄側が理論的に補強する形になっているのである。 

 「琉球独立」の主張も、もちろん言論の自由に含まれる。確かに日本の国益を損ねる一面はあるが、新聞がいくら独立論を書き立てようと、それを抑圧することは許されない。ただ現在の国際情勢では、その主張は必然的に、尖閣を狙う中国の国益と一致する。沖縄メディアはこの点で慎重であってほしいし、沖縄県民にも、こうした報道を鵜呑みにしてほしくない。 

 この件は県議会でも取り上げられ、自民党の座喜味一幸県議が「翁長雄志知事が中国に直接抗議することも必要ではないか」とただした。しかし県の謝花喜一郎知事公室長は「記事は専門家の一論文に過ぎない」と自民党の要求を一蹴し、問題視しない考えを示した。メディアもメディアなら、県も県というほかない。 

 「環球時報」は中国共産党機関紙の「人民日報」系列紙であり、いずれにせよ論文は中国政府の意向に沿っているに違いない。反論しないということは黙認するに等しいことに、翁長知事は気づいていないのだろうか。「日米両政府には威勢がいいが、中国には物を言わない」と評されて久しい翁長知事だが、この期に及んでも頑固に「親中」を貫いている。

尖閣での遺骨収集も実現せず

 この問題を受け、私は石垣市の中山義隆市長に対し、尖閣諸島の世界自然遺産登録に対する考えを再度聞いてみた。「まずは上陸して調査しないと分からない部分がある。現時点では何らかのアクションを起こす段階ではない」というのが答えだった。 

 海洋基本計画策定時、中山市長は「まず尖閣の学術調査をしたい。学術調査なら中国から異論は出ないのではないか」と同じようなことを話していた。3年経って状況が何も変わらないのは致し方ないとしても「言いだしっぺ」の石垣市に世界遺産登録に対する強い意欲が感じられないのは残念だ。  

 関係者によると尖閣を世界遺産登録する構想が報じられて以降、日本政府は日中関係や、「奄美・琉球」の登録作業に対する悪影響を懸念し、石垣市にも積極的な発言を控えるよう求めているという。  だが石垣市は、そうしたリスクも承知の上で世界遺産登録を打ち出したのではなかったか。国ばかりではなく県や石垣市まで、いちいち中国の顔色をうかがう悪弊に毒されるべきではない。

中略

尖閣周辺での中国漁船による巡視船衝突事件や、尖閣国有化直後のような「尖閣を守れ」という国民的熱気はだいぶ薄れた。地元自治体でさえ逃げ腰になっている現状を見ると、尖閣防衛の先行きを憂慮せざるを得ない。

 中国は確信犯的に領海侵犯を積み重ねており、2016年には尖閣周辺での軍艦航行や200~300隻の漁船襲来など、新たな手も打ってきている。尖閣周辺の武装公船にも新型が投入されるようになった。対する日本は、もともと防衛戦ということもあるが、ひたすら自制ムードである。じわじわと歩を進める中国側に対し、どこまで持ちこたえられるか不安だ。

自衛隊配備問う住民投票が

 日本として現時点で最も有効な対抗策の一つは、石垣島への自衛隊配備である。防衛省は2015年11月、中山市長に陸上自衛隊の警備部隊500~600人と地対艦誘導弾部隊、中距離地対空誘導弾部隊の配備を打診した。  

 警備部隊は有事の際の初動対応に当たる。地対艦誘導弾部隊などは八重山諸島に迫る敵の軍艦や攻撃機などに対し、ミサイルで防御する。  石垣市議会は2016年9月、自衛隊配備を求める決議を与党の賛成多数で可決した。中山市長に早期の決断を促す狙いがある。

 11月には推進派の市民約20人が市役所を訪れ、漁業者の具志堅用治さん(59)が「中国は好き放題で我が物顔。沖合での漁業が脅かされている。安心安全に操業できない。抑止力として自衛隊を誘致してほしい」と市に訴えた。

同年10月には、市主催で配備推進派と反対派の「公開討論会」が開かれた。尖閣諸島を抱える国境の島々で、住民自身が安全保障のあり方を問う初めての試みだ。

 反対派は次のように主張した。 

 「有事の際は軍事施設が攻撃の対象になり、動き回るミサイル車両が標的となれば、狭い島の中で避難はできない。『備えあれば憂いあり』の施設だ」「尖閣問題は日中の領土問題であり、それぞれに言い分がある。話し合いで解決しなくてはならない」 

 さらには「万一の有事に備えるより、九千九百九十九の無事に備えたほうが成功率は高い」という発言も飛び出した。  

 推進派は尖閣諸島への中国の脅威や、配備による防災面のメリットなどをアピールした。だが、市が当日の参加者約700人を対象に実施したアンケートでは、回答者300人中、4割以上が配備に反対と答え、賛成は3割弱にとどまった。また、多くの反対派が住民投票を要求していることも明らかになった。

 石垣島の各家庭には、自衛隊配備で島が「火の海になる」「石垣島の部隊は全部破壊されるので抑止力はありません」「有事の際に攻撃を受けて死亡、負傷、家屋財産の消失、経済への打撃等の損害を受けた時、国は補償してくれません」などと書かれたビラも配布されている。中国の工作員が島に極秘潜入してばらまいたのかと思えるような内容だが、反対派の主張は島で浸透しそうなのである。 

 反対派は著名人を招いた配備反対の講演会を頻繁に開催しており、世論工作を着々と進めている。沖縄の主要メディアも自衛隊配備に反対する論調だ。  

 中山市長は近く受け入れ表明すると見られる。反対派が住民投票に持ち込めるかは不透明だが、仮に実施されて賛成が多数を占めても、2018年には市長選があり、自衛隊配備の是非が争点になる。反対派の市長が誕生すれば配備は絶望的になろう。 

 「国境の島の守り」は世論の「風」に委ねられる。これは民主主義社会の宿命であり、是非を問うべきことではない。ただ、中山市長が打診から1年以上も受け入れ表明を引き延ばした結果、必然的に選挙の時期が近づき、この問題が争点化するのも事実だ。

 中国国営放送は12月、日本の2018年度防衛費予算案が過去最大の5兆1千億円に達したことに関連し「日本が新型ミサイルを宮古海峡(宮古島と沖縄本島の間)に配備すれば、中国の釣魚島を標的にできる」と報道した。  

 中国政府自らが、絶えず国民に尖閣問題を想起させて危機感を煽り立てている。相手方がそのような姿勢である以上、反対派が言う「話し合い」で緊張緩和を図る余地はほとんどない。日本政府としては粛々と宮古島や石垣島への自衛隊配備を進めるべきだ。

沖縄2紙との軋轢に

 「オール沖縄」を名乗る反基地勢力の盟主である翁長知事だが、米軍北部訓練場(国頭村、東村)の部分返還をめぐり、珍しく沖縄メディアとの軋轢が生じ、右往左往している。  

 2016年11月、部分返還の条件となっているヘリパッド移設工事について「苦渋の選択の最たるものだ。4千ヘクタールが返ることに異議を唱えるのはなかなか難しい」と述べた。これが翌日の県紙「沖縄タイムス」「琉球新報」で「知事、ヘリパッド容認」と報じられ、波紋を広げた。  

 翁長知事は2014年の知事選出馬時、ヘリパッド移設に反対する方針を明言しており、容認であれば公約違反となる。沖縄メディアは猛反発した。  

 沖縄タイムスは記事で「『公約撤回に当たる』という批判は避けられない」と糾弾。琉球新報も社説で「返還される約4千ヘクタールは米軍が『使用不可能』とする土地だ。返還されて当然の土地であり、ヘリパッド新設反対と過半の返還を受け入れることは矛盾しない」「本来ならば、知事は北部訓練場の全面返還を求めてしかるべきである。『異議を唱えるのは難しい』とすること自体、理解に苦しむ」などと主張した。 県紙がここまで露骨に翁長批判を展開するのは珍しい。翁長知事はその日のうちに記者団に「報道は不本意だ」と訴え、会見や県議会での答弁でこう釈明した。 

 「(ヘリパッド移設を北部訓練場の返還条件とした)SACО合意に含まれていなかったオスプレイが、環境影響評価を経ることなく飛び交っている。工事で自衛隊ヘリの導入や工期の一方的な短縮を行う政府の姿勢は到底容認できない。そのようなはざまで県政を担う状況を苦渋の選択と申し上げたところであり、決して容認したわけではない」

 挙げ句に「オスプレイの県外配備を実現することでヘリパッドの存在価値は失われ、この問題は収れんされていくと考える」と強弁した。  ヘリパッド反対は印刷された公約集には掲載されていなかったというが、当時、記者の質問に対して「反対」と発言していたことから「発言をしたものをすべて公約と言えば公約になる。恐らく私の記憶するところ(反対と発言したのは)1回ではないか。それ以外のところでは容認できないという言葉を使っている」と説明。謝花喜一郎知事公室長は「反対とはなかなか言い切れないが、分かりましたと言える状態ではないという思いで、容認できないと言わせてもらっている」と代弁した。 「苦渋の選択だが容認ではない」「容認ではないが反対でもない」という苦し紛れの答弁のオンパレードに、自民党県議は呆れ「言葉遊び県政だ」という指摘が飛び出すほどだった。

 県議会で島袋大県議は「知事の説明は多くの県民が理解できない。ヘリパッドを容認したと受け止められても仕方がない」と指摘。「与党やマスコミが知事の都合のいい解釈と、いいとこ取りのダブルスタンダードを甘やかしてきたツケだ」と知事発言の矛盾に切り込んだ。

辺野古移設反対派の論拠の一つに「辺野古の代替施設は現在の普天間飛行場にない軍港などの新機能が付加されており、基地機能が強化された『新基地』だから反対する」というものがある。  

 島袋氏が移設されるヘリパッドについて「訓練しやすいように6カ所を集中し、新たに海からの上陸訓練に備えて、歩行ルートまで整備している。これは基地機能の強化ではないか。あなた方の論理から言うと、明らかに新基地だ」とただすと、謝花知事公室長は「埋め立てに伴う新たな基地の造成とは質が異なる」と答えた。

 これも「辺野古は新基地だが、高江は新基地ではない」という「容認」のための理屈としか言いようがない。反地派の常套句となっている「辺野古新基地建設」という用語の胡散臭さも際立つ。 

沖縄2紙の政治支配

 「容認」報道があった翌日、安慶田光男副知事が沖縄タイムス、琉球新報両社を訪れ「容認ではない」と理解を求めていたことも県議会で明らかになった。報道を受け、支持者から真意を問う声が相次いだといい、安慶田副知事は「『苦渋の選択』発言の解釈が違う。意見交換したいと申し入れて、向こう(新聞社)が了解した」と説明した。

 自民党の県議からは「前県政だったら100%『政治の不当介入』と新聞に書かれている」「なぜ2紙から批判が出ないのか不思議だ」と皮肉る声が出た。照屋守之県議は「翁長県政にとって都合の悪い報道をされると、いちいち新聞社に調整しに行くのか。県政は毅然として仕事をしないといけない」と追及した。

 この件は、図らずも県政と沖縄メディアの近過ぎる「距離感」をあぶり出した。県政のナンバー2が報道に慌てふためき、自ら新聞社詣でする姿は、政治から報道への圧力ではなくて、逆にすり寄りのように見える。  

 副知事と両新聞社との「意見交換」の結果、2日後の12月2日に知事の釈明会見がセッティングされたという。これが奏功したのか、県紙は「返還と基地機能強化とのはざまに立ち、ヘリパッドに反対するよう求める与党や県民の声にも苦悩しているだろう」(12月5日付琉球新報社説)などと知事批判のトーンを落とした。ただ「県内移設を前提としない、新たな返還計画を日米両政府に求めるべきだ」と知事にくぎを刺すことも忘れていない。

 自民党の末松文信県議によると、辺野古移設受け入れた名護市の故・岸本建男元市長は「苦渋の選択ではない。決断だ」と語ったという。

 「苦渋の選択」と口を滑らせたために集中砲火を浴びた翁長知事は、県議会で弁明に次ぐ弁明の果てに「私が喋り過ぎて理解しにくいのかもしれないが、それは県民が判断する。就任から今日まで2年やってきたことを考えると、民意にはしっかりと支えてもらっている」と開き直った。

 辺野古移設にせよヘリパッド移設にせよ、県民の負担軽減の側面には一切目を向けず「基地機能の強化」と一刀両断にする沖縄メディアの報道はあまりにも近視眼的だ。翁長知事は「苦渋の選択」としての「ヘリパッド容認」の正当性を堂々とアピールしてもいい。

 

しかし、翁長県政は報道に一喜一憂し、風に舞う木の葉のように揺れ動いた。真に「オール沖縄」の主導権を握っているのは事実上、沖縄メディアそのものだと感じる。

 米軍基地問題で翁長知事に妥協を拒否するよう迫る県紙からは、暗に再選を人質に知事を脅すような論調も現れた。 

 「知事発言がさらに内部の亀裂を深め、『アリの一穴』になるおそれがある。政府・自民党がその先に見すえているのは、2年後の知事選だ。その動きはすでに始まっている」(11月30日付沖縄タイムス社説)。  

 これ以上おかしなことを言うと火だるまにしてやると凄む顔が見えるようだ。「容認」と言いたくても言えない知事の事情、かくのごとしである。メディアの政治支配という沖縄の構図こそ異常だ。

■仲新城誠(なかあらしろ・まこと) 昭和48(1973)年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、平成11年に石垣島を拠点とする「八重山日報」に入社、22年から同紙編集長。

 

 

 

 


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