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中国の強硬姿勢の背後にある「弱さ」
http://kurokawa-hakuun.hr-party.jp/news/
黒川白雲氏ブログ転載
12/28のレコードチャイナに
「欧米諸国は『矛盾している中国』への理解が必要」との記事が
掲載されています。
(以下、抜粋)
欧米諸国は「矛盾している中国」への理解が必要―米メディア
2010-12-28 17:01:44 レコードチャイナ
2010年12月26日、環球時報によると、このところ中国が
ことあるごとに強硬な姿勢を見せているが、米ワシントン・
クオータリー誌はそうした姿勢を中国が抱える矛盾による
ものだとし、理解が必要だと指摘している。
記事によれば、中国は欧米やアジア、さらにはアフリカや
南米の国々に対しても強硬な態度をとり、緊張した関係が
生まれているが、そうした新たな姿勢は中国国内における
熾烈な論争の産物であり、中国の保守主義者と民族主義者
の共通認識を体現したものであるとされ、そうした姿勢は
今後も続くものと考えられている。
中国の国際的な立場は依然として確固たるものではなく、
海外からはその経済力などに応じた責任や役割を求められている。
国内からもさまざまな新たな要求が生まれており、中国の
外交政策の重点がよく変わるなど、多くの矛盾を抱えている。
中国に対して強硬な姿勢をとれば、中国からはさらに強硬な
反応が返ってくることが予想される一方で、弱い態度をとれば
中国の利己的な面を助長させる可能性があることを国際社会は
あらかじめ理解しておく必要があると、記事は指摘している。
本年2010年は中国の強硬姿勢が極めて目立った一年でした。
中国政府は、国力が弱い間は「平和的台頭」という
プロパガンダ戦略を取ってきましたが、「微笑外交」の裏で
膨大な軍事費を投入し、「軍事大国」を目指して来ました。
そして、いよいよ中国が経済的にも、軍事的にも「大国」とな
ったと自負を深めた本年、中国は手の平を返したように、
荒ぶる本性を見せ始めました。
尖閣諸島の事件を巡る強硬な対日圧力(閣僚級の交流停止、レア
アース禁輸、東シナ海のガス田交渉中止、日本の民間会社
社員4人の拘束等)、ノーベル平和賞をめぐる関係各国への
授賞式欠席圧力(計19ヶ国が欠席)、南シナ海での覇権主義的
領海・領土の拡張、頑なな元高拒否等、中国の横暴ぶりばかりが
目立った一年でした。
中国のこうした態度について「中国は200年ぶりに『大国』
の地位を手に入れたことで、酔っぱらっているのではないか」
とする見方もあります。
しかし、中国のこうした強硬姿勢は中国包囲網を強めるだけ
であり、中国自身にとってもマイナス面が多いことは中国は
自覚しているはずです。
中国の横暴な振る舞いによって、日本は保守回帰し、
国防意識が高まりつつありますし、東南アジア諸国は中国に
対抗して軍備拡張・対米協調路線を強めており、共産主義国
のベトナムでさえ、親米姿勢を強くしています。
しかし、なぜ、それでも中国はこうした強硬姿勢を続ける
のでしょうか?
本記事によれば、こうした強硬姿勢は
「中国国内における熾烈な論争の産物であり、中国の保守主義者
と民族主義者の共通認識を体現したものである」と述べられています
中国においても、もはや共産主義イデオロギーは賞味期限切れで、
共産党幹部でさえ信じていません(「マルクス主義の正統性の死」)。
その結果、中国共産党政府はその空白となった精神的支柱・求心力
を「ナショナリズム」で埋めようとしており、「反日思想」や
「日本叩き」こそが中国共産党にレジティマシー(正統性)を与え
ているのが現状です。
だからこそ、中国共産党政府は日本や諸外国に対する「弱腰姿勢」
を国民に見せられないし、強硬な姿勢を取り続けていると記事
は分析しています。
すなわち、中国共産党政府は、その強硬的態度とは真逆に、
「国内における本質的な立場の脆弱さ」があるのです。
だからこそ、他の国がどう反応しようが、お構いなしに強硬
姿勢を取り続けなければ国家を維持できないのです。
その意味で、日本は中国の強硬姿勢の背後にある本質
(『矛盾している中国』)をよく理解した上で、中国の強硬姿勢
に対峙していくと共に、独裁政権からの中国国民の解放、
民主・自由化を進めるべく、国内外での努力を続けていくべ
きであります。