報道陣などに公開されたロシアの新型ミサイル「9M729(NATOの呼称はSSC8)」=1月23日、モスクワ近郊(ロイター)
露、反発も本音したたか INF全廃条約破棄 対中牽制可能に
【モスクワ=小野田雄一】米国がINF全廃条約の破棄方針を示して以降、ロシアのプーチン政権は自らの条約違反を否定して米国を批判し、条約維持を訴えた。ただ、中国が条約に縛られずに中距離ミサイルを開発していることへの懸念は米国と共有する。ロシアは、条約失効の責任を米国に押しつけつつ、配備が可能になるINFを対中牽制(けんせい)などに利用するしたたかな本音を抱いている。
ロシアは、米国が問題視する新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」について、射程は480キロで条約の対象外だと主張。逆に、米国が欧州で配備を進めているミサイル防衛(MD)システムは「攻撃に転用可能であり、条約違反だ」などと反発した。
米国が欧州にINFを配備した場合、ロシアは対抗策を取らざるを得ない。その財政負担を避けたいというのが本音の一つだ。同時に、ロシアはすでに、条約が対象としない航空機発射型や海中・海上発射型のINFを有しており、条約失効の影響は限定的だとの見方も強い
→https://www.sankei.com/world/news/190201/wor1902010027-n2.html
別名サタン2「10発で米全滅」…ロシア開発中
http://news.livedoor.com/article/detail/15965856/
【モスクワ=工藤武人】ロシアは、米国のミサイル防衛(MD)網を突破できるとされる大陸間弾道弾(ICBM)などの開発も進めている。
プーチン露大統領は2日、2020年の配備を目指すICBM「RS―28 サルマート(別名サタン2)」などを挙げながら兵器開発に取り組む考えを改めて表明し、米国をけん制した。
サルマートは射程が1万1000キロ・メートル以上で、10以上の核弾頭が搭載でき、弾頭部分はマッハ20(時速約2万4500キロ)で滑空飛行してMD網をかいくぐることも可能という。
サルマートに関しては、露国防省系の軍事ニュースサイト「週刊ズベズダ」が1月末、「10発ですべての米国民を殺害する能力がある」とのロシア軍事専門家の見解を伝えていた。
この専門家は、サルマート1発が搭載できる核弾頭の威力について、計6・75~7・5メガトンと推計し、人口密集地域であれば、単純計算で最大3750万人が命を落とすとの試算を示した。米国の人口は約3億2500万人で約10発で全滅に追い込めるという。
ロシアは昨年12月末、マッハ20の極超音速で飛行する新型兵器「アバンガルド」の発射実験に成功したと発表した。プーチン氏は2日、アバンガルドにも言及した。
。