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中国臓器移植「自分だけが死から免れることのないように」

2010年04月12日 01時18分13秒 | 海外2017年まで

2009年度人権賞受賞式でスピーチするカナダの弁護士デービッド・マタス氏

「自分だけが死から免れることのないように」
09年国際人権協会人権賞受賞者がスピーチ

 【大紀元日本1月26日】国際人権協会(IGFM、本部ドイツフランクフルト)は1月16日、2009年度の人権賞をカナダの国際人権弁護士デービッド・マタス氏とカナダ外務省アジア大洋州局長のデービッド・キルガー氏に授与したと発表した。中国共産党政権による法輪功学習者から臓器を摘出売買する事件の調査・公表に尽力したことを評価した授賞となった。ユダヤ系のデービッド・マタス氏は授賞式で、人権侵害を公表することが人権侵害を根絶する唯一の方法だと、自らの生い立ちを回想しながら、臓器売買の調査に対する思いを語った。その真摯な気持ちは、多くの参加者の胸を打つものだった。

 以下はスピーチの全文:

 「聖書」の「ヨブ記」に次の一節がありました。ヨブ家に、ある日突然、不幸が見舞うことになります。使用人の一人が、野原で牛とロバが暴徒に襲われ、牧童たちが切り殺され、家畜が奪われた、とヨブに報告に来ました。報告が終わらぬうちに、別の使用人が来て、野原で羊を世話していると、雷が落ち、羊も羊飼いも焼け死んだ、ということでした。話し終わらないうちに、次の使用人が来て、暴徒が、らくだの群を襲い、牧童たちを切り殺して、ラクダを全部奪っていった、というのです。その報告が、まだ終わらぬうちに、さらに次の使用人が来て、長男の家に猛烈な旋風が吹きつけ家が倒れて、全員下敷きとなり即死した、と告げました。

 使用人はいずれも「自分だけが免(まぬが)れた」と口にしています。

 ユダヤ人である私の祖父母は第一世界大戦が勃発する前にカナダに移住しました。この意味では、私はナチス大虐殺の生存者ではありません。ユダヤ人を絶滅させようと始まったこの虐殺の中で、600万人のユダヤ人が命を失いました。もし、第二次世界大戦が連合軍の勝利に終らなかったとしたら、私を含むすべてのユダヤ人が、現在ここで生きていることはありません。

 私は死から免れました。しかし、600万人のユダヤ人は私ほど幸運ではありませんでした。「大虐殺が二度とあってはならない」、これは口で言うほど簡単なことではありません。第二次世界大戦後、カンボジア、ルワンダ、ボスニア、ソマリアで相次いで虐殺が繰り広げられ、そして今は法輪功学習者が虐殺の標的とされています。

 人権侵害に対して、決して沈黙してはいけません。それがどこで起きているかにかかわらず、すべての人権侵害事件に対して私たちは勇敢に立ち向かうべきです。これが虐殺を防ぐための良策です。そのために私は今、人権を守ることを自らの使命としています。人権侵害の加担者という人類が自ら作り出した犯罪者との戦いで、私は自分の勝利を確信しています。

 法輪功学習者に対する人権侵害の深刻さには、しばしば驚かされます。遠い彼方の地で起きたこの迫害に対して、できることは少ないと感じる人は多いでしょう。しかし、一人ひとりの声が改善に繋がる貴重なものなのです。国連または政府に対応を任せたほうがいいと思う人もいますが、人権とは一人ひとりの権利であり、一人ひとりに大切にされることなくして、改善は望めません。

 法輪功学習者の臓器狩り事件への調査を依頼されたとき、微塵の迷いもなく即諾しました。これが果たして真実なのか、確信を持たないままに引き受けることにしました。しかし、法輪功学習者が中国で迫害されていること、中国政府がこの迫害を正当化するために法を設定したことは知っていました。もちろん、これまでNGOに携わってきた経験から、この調査の前に多くの困難が立ちはだかっていることも重々承知していました。

 まず、この事件では、目撃者による証言を入手できません。実行犯と被害者しかいない犯行現場に目撃者というものが存在しません。臓器を摘出された遺体はその場で焼却され、法医学的検査も不可能となります。さらに、この事件で被害に遭った人は例外なく死に追いやられ、密室で行われた犯罪を自らの口で語る人が現れることはありません。犯罪現場にいかなる痕跡も残されていないでしょう。使用された手術室は犯行後、何もなかったかのように、いつもと変わらぬ部屋に戻されます。

 中国には言論の自由がありません。人権問題に関心のある記者と運動家は抑圧され、監禁されています。国家機密漏えいの罪で投獄される人々は後を絶たない状態です。

 中国の囚人はいかなる団体との面会も許されていません。国際赤十字委員会もその例外ではありません。

 私が所属しているNGO団体も同様の理由で、調査に乗り出すことができません。調査なくしては、事件を公表することができません。これを遂行するNGO団体がなければ、私はキルガーさんとともに、個人としてこの難題に挑むしかないと決意した次第です。

 調査報告を読めば、事件を裏付ける証拠がどのように採取されたか、その信憑性について納得していただけると思います。結論から申し上げれば、大規模に法輪功学習者の臓器を摘出する犯行が事実として存在し、今もなお続いています。

 中国政府と全国各地の公安部門は法輪功への弾圧を開始した1999年以来、大量の法輪功学習者を殺害してきました。具体的な数字は今でも確認できていません。彼らの腎臓、肝臓、角膜と心臓は違法に摘出され、高く売り飛ばされています。購入者には外国人もいます。これは2006年7月に私たちが得た結論です。

 この結論は一つの事件の証拠から導かれたのではなく、採取したすべての証拠に基づいて、慎重に慎重を重ねて下されたものです。すべての証拠は確認することができ、しかも争う余地がないほど明確なものです。これらの証拠をつき合わせると、事件の全容が浮かび上がりました。

 人権活動家でもある私たちは、罪なき者が臓器摘出・殺害されているという犯行を前に、手をこまねいているわけにはいきません。その後、さらに新しい証拠を入手し、2007年7月に調査報告を更新し、2009年11月に三回目の修正を完成させ、『血まみれの臓器狩り』(Bloody Harvest, The killing of Falun Gong for their organs)という本にまとめました。

 調査の開始を宣言した2006年5月から、臓器移植に関して中国、そして海外に様々な動きが見られました。

 ・2006年7月1日、中国で臓器売買を禁止する法律が施行される。
 ・臓器移植を実施する民間病院は、衛生部で事前登録を行う必要がある。未登録の病院は手術を実施してはならない。
 ・2007年6月26日、中国政府が、中国人患者は外国人患者より、優先的に臓器移植を受けると発表。
 ・2006年7月1日に施行された臓器移植に関する法律に、脳死患者の臓器移植を認める法案が盛り込まれる。
 ・待ち時間が短いなどの謳い文句で臓器移植を宣伝するウェブサイトが削除された。私たちは証拠として保存した。
 ・2009年8月、中国政府は10都市で実験的に臓器提供制度を開始。調査が始まった当初、臓器提供制度が確立されていないものの、中国政府はすべての臓器がドナーの自由意志によって提供されたと主張していた。現在、その大部分が受刑者からのものであることを認めた。
 ・中国政府は、受刑者をドナーにするのは不適切だと認めている。中国衛生部の黄潔夫副部長は2009年8月、それについて明確な態度を表明した。

 調査が始まって以来、中国以外の地域にも注目すべき変化が見られました。

 ・イスラエルは、臓器の売買とその仲介を禁止する法律を制定した。
 ・イスラエルは、中国で臓器移植を受ける場合、保険の適用対象外になると発表した。
 ・台湾政府は臓器移植に関わる中国医師の訪台を禁止した。
 ・オーストラリア・クイーンズランド州の臓器移植実施病院は、中国からの医師を対象とする研修プログラムを中止した。
 ・ベルギーのパトリック・ファンクルンケルスフェン下院議員とカナダの国会議員が、自国の国会に対して、臓器移植のための海外渡航禁止法案を提出した。法案が採択されると、ドナーの意思に基づいて提供された臓器ではないと承知しながらも、移植手術を受ける患者を処罰することができるようになる。
 ・世界医学協会は、受刑者の臓器は親族以外の人に移植してはならないという内容を盛り込んだ協議を中華医学学会と締結した。
 ・臓器移植学会は、受刑者をドナーにすることと、受刑者を対象とする移植研究のデータと標本の公開を禁止する方針を打ち出した。

 しかし、これらの変化は、中国の臓器移植問題の解決を意味するものではありません。むしろ、法輪功学習者が置かれている状況をさらに悪化させたのです。調査を開始した当初と比べて、処刑される受刑者の数が急速に下降したにもかかわらず、移植手術の回数は一時的に減少したものの、ほぼ以前と同じ水準を維持しています。ドナーのほとんどが法輪功学習者と受刑者である中国では、処刑された受刑者が減少していれば、法輪功学習者から略奪した臓器が増えたことを意味しています。

 調査を開始して以来、中国共産党による法輪功学習者への迫害が深刻化する一方であるにもかかわらず、中国国内外の政策に変化が見られたことは、調査を続ける大きな原動力となっています。変化の兆しが現れつつあり、我々は臓器狩り事件の完全解決を目指し、今後も変化を促しつづけていきたいと決意しています。

 人権協会から授与されたこの賞も、我々にとって大きな励みとなっています。私は与えられたすべての賞を誇りに思っていますが、この賞は特別です。授賞式に合わせて開かれたシンポジウムを通じて、我々の調査は周知されることとなり、国際人権協会も我々とともに最後まで戦っていくと約束してくれました。実に心強いことです。

 現代は「最短」という言葉が好まれ、報告にじっくり目を通し、証拠を確認し、自ら結論を導き出す人はあまり多くありません。しかし、嬉しいことにこの調査報告と真剣に向き合っている人がいます。ミネソタ州の学者エリソンさん、イギリスの移植外科医テリーネさん、エール大学のハワード・ワンさんです。

 マスコミ、議員、政府幹部は、私とキルガーさんの取り組みを称賛していますが、十分重視しているとは言いがたいのです。二人だけで孤軍奮闘しているため、調査の信憑性が疑われてきました。国際人権協会のような人権問題に真剣に取り組むNGO団体の加入によって、私たちの信頼度が増したと同時に、私たちへの圧力も軽減され、より効果的に宣伝活動、調査活動を展開することができるようになりました。ベルギーに本部を持つ国境なき人権インターナショナルからも多大な支持をいただいています。

 最後に、我々にこの賞を授与してくれたことに感謝します。法輪功学習者に対する臓器狩り事件が完全に解決されるまで、皆様と一緒に努力していく所存です。

(翻訳編集・高遠)


 (10/01/26 09:03)


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