サンケイビズ、日銀は国債引き受けでデフレ退治を 【ついき秀学のMirai Vision】
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□幸福実現党党首
日銀は今月23~24日に金融政策決定会合を開き、
金融政策の現状維持を決定すると共に、経済成長見通しを
引き下げ、2011年度の実質GDP成長率を昨年10月
段階のプラス0.3%からマイナス0.4%へと下方修正
しました。
デフレ脱却がいまだなされず、1ドル70円台の円高が
続いている中、年度を通じた成長率がマイナスに陥る見通し
となったにもかかわらず、日銀は「2011年度の成長率は、
海外経済の減速に加え、過去の実績値の改定の影響もあって、
下振れるとみられる」(1月24日付「当面の金融政策運営
について」)と他人事のように述べるだけで、現状維持の
まま何の対策も打たないのですから、「国民経済の健全な発展」
(日銀法)に対してヤル気がないと言うしかないでしょう。
◆デフレこそ経済停滞の最大要因
幸福実現党はかねてより、経済政策として長引くデフレからの
脱却を最優先とするよう訴えています。デフレの最大の問題は、
人々の収入が名目で年々減っていくことです。民間の平均年収は
1997年の467万円をピークに減少傾向にあり、直近
2010年の数値は412万円です
(国税庁「民間給与実態統計調査」)。
収入が減っていけば、先行きに不安が生じるのは当たり前で、
消費を増やすこともなかなかできません。したがって、
日本経済停滞の最大の要因はデフレであると言えるでしょう。
逆に緩やかなインフレであれば、人々の収入が名目で増えると
共に、物価も上がるので、値段が高くなる前に品物を買おうと
いうインセンティブが働き、消費や投資の活発化にもつながります。
そこで我が党は年率3%程度のインフレ目標を設定し、その
実施について日銀に責任を負わせること(インフレ目標政策)を
提言しています。
経済をインフレ状態に持っていくためには、日銀が通貨をより
大量に供給すればよく、特に効果的なのが
「日銀による国債引き受け」です。国債を市中の銀行が引き
受ければ、銀行の持っている通貨が政府に渡るだけで、世の中全体で
通貨の量は変わりません。
ところが、国債を日銀が引き受ければ、日銀が新しく発行した
通貨が政府に渡るため、世の中全体で通貨の量が確実に増えます。
通貨の量が増えれば、相対的に、通貨の値打ちが下がってモノの
値打ちが上がるので、物価が上昇するインフレとなるのです。
もちろん、日銀引き受けをやり過ぎれば、インフレが激しくなって
経済が混乱をきたすため注意を要しますが、日本経済がデフレ
から脱却するに当たっては是非とも実施すべき政策です。
◆日銀法改正で総裁の交代が必要
しかし、残念ながら日銀は国債引き受けに後ろ向きです。
白川方明日銀総裁は最近のインタビューで次のように述べて
います。
「現実に日銀が(国債を)引き受ければ、やがて金利が上がり、
国債を大量に保有する日本の金融機関の自己資本が毀損され、
貸し出しが抑制されることを通じて実体経済に悪影響が出ること
が懸念されます。
その先にはインフレの問題が出てくると思います」
(1月1日付日経ヴェリタス)。
銀行を考査する日銀が、金利上昇・国債価格下落により銀行に
損失が出ることを心配するのは仕方がない面もありますが、
この論法では景気が良くなって金利が上がること自体が不可と
なってしまいます。金利が上がれば銀行は貸付からの収入を
増やすことができるので、金利上昇をそれほど心配する必要は
ありません。
景気拡大で銀行が保有する株式も値上がりするでしょうから、
国債の値下がり分の一部はこれによっても埋め合わせされます。
また、白川総裁は上記発言の後段でインフレを警戒していますが、
今の日本経済はデフレ脱却が喫緊の課題なのですから、的外れな
問題意識です。白川氏の日銀総裁就任から4年近く経って、
いまだデフレ退治がならず、もはや日銀法を改正して総裁を
罷免可能とし、適当な人に交代してもらった方がよいでしょう。
なお、デフレ下にあって増税という最悪の政策が実行されるのを
阻止すべく、我が党は明日28日13時より東京・大阪・名古屋の
3カ所で野田政権の退陣を求めるデモを開催します
(詳細は http://www.hr-party.jp/new/2012/18816.html)。
多数の皆様のご参加をお待ちしております。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120127/mca1201270503005-n1.htm
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