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トランプ大統領がプーチン大統領に寛容な理由 イラン、シリア、中国の解決糸口は米露会談にあった【寄稿】 2018.08.10

2018年08月11日 00時00分00秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  

トランプ大統領がプーチン大統領に寛容な理由 イラン、シリア、中国の解決糸口は米露会談にあった【寄稿】

《本記事のポイント》

  • 米露会談は失敗だったという評価が大半
  • 実は、会談によって中東問題が新たな局面を迎えている
  • トランプ大統領の真の目的は、ロシアを中国から離すこと

「7月にヘルシンキで行われた米露首脳会談は大失敗」。現時点で、このような評価が世界の大半を占めています。

しかし、一カ月近く経った今、冷静に振り返ってみると、違った見方ができます。

「アメリカ好き」なロシア人が急激に増えている

まず、「当事者」である両国民の変化を見てみましょう。

ロシアの民間の大手研究所が7月に行った世論調査によると、米露会談後に「アメリカ好き」なロシア人が急増しています。

会談の2カ月前の5月時点では、アメリカをポジティブに見る人が20%、ネガティブに見る人が69%。しかし会談後には、ポジティブに見る人が42%にまで増え、ネガティブに見る人の40%を上回っています。アメリカへの好感情が悪感情を上回るのは、実に4年ぶりです。

2014年に起きたウクライナ危機とロシアのクリミア併合を受け、アメリカをはじめとした国際社会はロシアに経済制裁を課しました。特に、オバマ前大統領はロシアを猛烈に批判。これ以来、ロシア人はアメリカを嫌っていたのです。

ロシア人の対米感情が、米露会談を受けて変わりつつあるようです。

変化はアメリカでも起こっています。共和党支持者によるトランプ大統領への支持率が88%まで上がっています。

これは、歴代大統領の自政党内での支持率としては二番目に高い数値です。最も高かったのが、ジョージ・W・ブッシュ大統領の96%。しかし、これは「9.11同時テロ」直後の異常値なので、実質的にはトランプが1位だと言えます。人気があったオバマ前大統領でさえ、民主党支持者からの支持率が81%だったことからも、トランプ大統領への支持率がいかに高いかが分かります。

日本では報道されませんが、ロシア国民やアメリカの共和党支持者は、会談をポジティブに評価しているようです。

米政界とマスコミによるヒステリックなトランプ批判

一方、米政界やマスコミでは、今なおロシアを敵対視する勢力が大多数。トランプ大統領による親露政策への強いバッシングがあることも事実です。

米露会談の3日前、米司法省は、ロシアの軍関係者が2016年の米大統領選挙にハッキングで介入したと発表しました。あえて会談直前に発表するなど、ロシアへの敵対姿勢が見て取れます。

これに対して、トランプ大統領がとった行動は、選挙介入の事実を否定するプーチン大統領の弁明を受け入れるというもの。プーチン大統領を責める様子を見せない自国のトップに対し、米政界とマスコミは激怒しました。

共和党の重鎮であるジョン・マケイン上院議員は、「米国の大統領による最も恥ずべきパフォーマンス」と、痛烈に批判。元カリフォルニア州知事で、ハリウッドスターのアーノルド・シュワルツェネッガー氏も、自身のFacebookページに動画を投稿し、「一番酷いことに国家を売り渡した。あなたはアメリカ合衆国の大統領だ。そんなことをするべきじゃない」と述べ、「売国奴」呼ばわりしています。

同じ共和党で、トランプ大統領に近かったポール・ライアン下院議長ですら、「大統領はロシアがわれわれの同盟国でないことを十分理解しなければならない」とコメントせざるを得ないほどでした。マスコミも、左右を問わずトランプ批判を繰り広げました。

「シリア問題」と「イラン・イスラエル問題」の解決

では、これだけの批判を受けながら、トランプ大統領はいったい何をやろうとしているのでしょうか。

まず言えるのが、「シリア問題」と「イラン・イスラエル問題」の解決です。複雑に絡み合う二つの問題を、プーチン大統領の協力を得て解決に導こうとしているのです。

トランプ大統領はすでに、シリアを拠点に活動していたテロ組織「ISIS」を、ロシアと協調して壊滅状態に追い込んでいます。あとは、混乱に乗じてシリアに乗り込んだイラン軍が撤退すれば、シリア問題は解決に近づき、イラン・イスラエルの対立も改善します。

このイランを抑えられるのが、同国との関係が強いロシアでありプーチン大統領なのです。

W杯の裏側で、中東の新たな秩序づくり

ロシアが中東問題解決の「カギ」である――。これを実感できる動きが、米露会談の直前に起こっています。

ワールドカップ・ロシア大会が開かれていたモスクワを、イスラエルのネタニヤフ首相、イランの外交団、パレスチナのアッバス大統領が次々と訪問。各国との会談が行われました。

この場でロシアが受け入れたのが、ネタニヤフ首相による、「イスラエルはシリアのアサド政権を認める。その見返りに、シリアのイラン軍を撤退させてほしい」という要求。ロシアの軍事レーダー装置の半導体はイスラエルから輸入しており、これがないとロシアの最新兵器は機能しません。自国の安全保障の要とも言えるイスラエルの要求を、プーチン大統領は呑みました。

こうした取引を前提に米露会談が行われ、両首脳間で最終的な合意がなされました。

第一に、大量のシリア難民の祖国への帰還。トルコやレバノン、ヨルダンにいる難民をシリアに運ぶため、米露が共同軍事作戦をとることが決定しました。さらに、シリアのゴラン高原付近で対峙しているイラン軍とイスラエル軍に関しては、ロシアが仲介して停戦させることになりました。

トランプ大統領とプーチン大統領が手を結ぶことで、中東問題への新しいアプローチが可能になったのです。

トランプの真の狙いはロシアを中国から引き離すこと

しかし、いくら中東問題を解決するためであったとしても、米政界やマスコミが批判するように、トランプ大統領はロシアに譲歩し過ぎているのではないか。そう思う方もいらっしゃるでしょう。

ここまで親露に傾くのには、ワケがあります。それは、ロシアを中国から引き離すという"真の狙い"があるからです。

なぜトランプ大統領の行動がロシアを中国から引き離すことにつながるのかは、オバマ政権の動きを振り返るとよく分かります。オバマ前大統領はウクライナ問題でプーチン大統領を追い詰め、国際社会からロシアを孤立させました。その結果、ロシアは中国に接近せざるを得なくなりました。

トランプ大統領がやろうとしているのは、この逆。覇権を拡大する中国と結託することがないよう、ロシアとのつながりを強化しているのです。

親露政策を批判する米政界やマスコミは、トランプ大統領の「真意」を理解していないのでしょう。むしろ、世論調査を見る限り、ロシア国民やアメリカの共和党支持者の方が、「未来」を読んでいると言えるかもしれません。

筆者 及川 幸久

(おいかわ・ゆきひさ) 1960年生まれ。上智大学文学部、国際基督教大学行政大学院修了。米メリルリンチ社、英投資顧問会社勤務を経て幸福の科学に出家。2012年より幸福実現党外務局長を務める。YouTubeに「及川幸久のトランプ・チャンネル」、Twitterでは「トランプ和訳解説@及川幸久」を開設し、トランプ情報を伝えている。著書に『あなたも使いこなせる トランプ流 勝利の方程式 ―考え方には力がある―』がある。

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