【太陽の昇る国へ】近隣国の軍事的脅威に万全の態勢を 幸福実現党党首・釈量子
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/171109/mca1711092157026-n1.htm
サンケイビズ
--トランプ米大統領が訪日し、日米同盟の絆が改めて世界に示されました
日本を含む地域にとって最大の安全保障上の課題である北朝鮮問題について、首脳会談で対北圧力強化を確認したほか、中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋戦略」の推進で一致するなど、訪日には大きな意義があったといえます。
米国の一部では、「北朝鮮の核保有容認論」も出てきていますが、これは金正恩朝鮮労働党委員長をますます増長させるだけです。その考えにくみすることは断じてできません。日本として半島有事への万全の備えを講じるとともに、米国と結束を一層強め、北朝鮮の“無血開城”を実現せねばなりません。
また、今回、トランプ氏が拉致被害者のご家族と面会され、問題解決に向けて日米で協力していくことを内外に示せたことも、一定の成果であるとは思います。しかし日本の自力で被害者救出を図れないことに腹立たしさを覚えます。憲法の制約があるならば、私たちがかねて主張するように、北朝鮮に対する「憲法9条適用除外」により自衛隊を救出に動かしてしかるべきです。
いずれにせよ、アジア太平洋地域の安全保障環境の悪化を受け、抑止力の強化が必要なことはいまさら論をまたないことです。このような状況の中にあってなお、立憲民主党などは「安保法反対」を唱えていますが、現実軽視にもほどがあります。
日本の直面する国防上の国難は北朝鮮のみではありません。中国は、南シナ海で軍事拠点化を加速させるほか、尖閣諸島奪取もうかがっています。国難の本丸たる中国に対峙(たいじ)するにも、防衛力・抑止力の強化は急務です。
--その中国では、習近平総書記(国家主席)の2期目の人事が決定しました
党大会では、毛沢東・トウ小平以来となる現役指導者の名を記した思想が、最高規範である党規約に盛り込まれました。習氏の権力基盤が強化され、国内での自由抑圧傾向や、対外強硬姿勢がますます強まることが予想されます。香港の民主化勢力や台湾の動きをバックアップするとともに、日本として中国の“世界帝国への野望”を何としても阻止せねばなりません。
こうした近隣国の軍事的脅威と対峙するなか、はっきり言って、自公政権で十分な対処ができるのか、はなはだ心もとない限りです。公明は名うての「親中」であるため、対中防衛のブレーキになりこそすれ、決して国防強化には寄与しないでしょう。国家・国民を守り抜くために、「防衛は強化して当然」「自分の国は自分で守ろう」といった方向に国論を変えていかねばならないと思いますし、私たちとしてその主導的な働きをしたいと願っています。
日米同盟を強化しつつも、安全保障を米国に頼り切る体制は改めるべきです。日本に深く刷り込まれた「吉田ドクトリン」から脱却し、「自分の国は自分で守る」体制整備を急がねばならないというのが、私たちの考えです。
--さて、現政権の経済政策については
安倍晋三首相は先般の経済財政諮問会議で、3%の賃上げ実現を経済界に要請しましたが、筋違いだと思います。労使で決めるべき事柄に口出しをするのではなく、そのための環境整備に注力するのが政府の役割のはずです。自民党政権の社会主義的傾向はもはや危険な水準に達しているのではないでしょうか。
また、税制改正に向けて、観光庁が「出国税」を検討しているようですが、あきれるばかりです。出国時の課税は旅行需要に影響を及ぼし、経済の阻害要因となるおそれがあります。「確実に取れるところから取りたい」との思惑が透けてみえますが、東京五輪・パラリンピックを控え、これをてこに“収奪”しようとするなら、あまりにさもしい判断です。
消費税増税も含め、経済活動の足かせとなる増税を取りやめ、減税などにより民間の自由を拡大すべきです。併せて、歳出の無駄を省きながら、剰余金を積み立てるダム経営を行うなど、国家運営に経営感覚を導入することで、将来の「無税国家」を目指すべきだと考えます。
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【プロフィル】釈量子
しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。
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