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「気持ちだけで能力が伴わない」 金正恩氏が異例の言及
2017年1月2日 10時13分 朝鮮日報
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が1日、異例にも自らの「能力不足」に言及した。金委員長は1日午後0時30分(北朝鮮時間では正午)、朝鮮中央テレビで放送された肉声の新年のあいさつで「どうすればわが人民を神聖に、より高く尊べるかという憂いで心が重い」「いつも気持ちだけで能力が伴わないというもどかさしさと自責の中で、昨年1年を過ごした」と語った。首領が神格化されて「首領の無謬性」が支配する北朝鮮において、「首領」自ら公の席で能力不足を認めるのは極めて異例。
■「忠実な僕になりたい」と愛民主義を浮き彫りに
また金正恩委員長は「全人民が『この世にうらやむものはない』と歌っていた時代が、過ぎ去った歴史の中の瞬間ではなく、こんにちの現実になるようにするため、献身奮闘するだろう。人民のまことの忠僕、忠実なる僕になることを厳粛に盟約する」と語った。自分が政権を取った今より、金日成(キム・イルソン)時代の方ががよかったと認めたのだ。
これについて韓国統一部(省に相当)は、分析資料を発表して「成果の不振に対する非難を回避し、『人民重視』を金正恩時代のブランドにして大衆的(支持)基盤を構築しようとする狙い」と解釈した。キム・スン元統一部長官政策補佐官も「愛民の指導者というイメージを浮き彫りにしようとするもの。経済強国建設の失敗に伴う非難を弱めようとした」と語った。
韓国の「ろうそくデモ」に危機感を抱いたという分析もある。キム・ヨンヒョン東国大学教授は「崔順実(チェ・スンシル)氏国政介入事件を通して、怒れる民心が政権を崩壊させるという教訓を得たようだ」と語った。一部からは「韓国の北朝鮮専門家が『今年は偶像化がさらに強まるだろう』という見方を打ち出したので、敢えて『低姿勢』を見せた」という分析も登場した。
■韓国関連では野党に政権が渡ることが前提?
また金正恩委員長は、新年のあいさつでは韓国の政治状況について具体的に言及しないというタブーを破り、「弾劾・ろうそく政局」を取り上げた。金委員長は「昨年の(韓国における)『全民抗争』は、保守当局に対する、積もり積もった怨恨と憤怒の爆発」「朴槿恵(パク・クンへ)のような反統一事大売国勢力の蠢動を粉砕するための全民族的闘争を、力強く繰り広げなければならない」と主張した。金委員長が朴大統領の実名を口にしたのも、今回が初めて。統一部の元関係者は「朴大統領弾劾と政権交代は確定的と判断した結果」と語った
続いて金委員長は「今年は(2007年の南北首脳会談における)10・4宣言の発表から10年になる年。全民族が力を合わせて自主統一の大通路を開いていかなければならない」と述べ、さらに「破局状態の現在の北南関係を、手をこまねいて傍観するなら、どの政治家も民心の支持は得られない」と主張した。これは結局、朴槿恵政権の後を継ぐ韓国の次期政権に向けたメッセージだと解釈できる。南成旭(ナム・ソンウク)高麗大学教授は「韓国の大統領選挙を意識して、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の10・4宣言を強調したものとみられる。北朝鮮に有利な政権が成立するよう、保守対進歩の南南対立(韓国国内での対立)を誘発し、偽装平和攻勢を仕掛けている」と語った。その一方、「最高位級の会談もできない理由はない」(2015年)、「誰とでも向き合い、民族問題・統一問題を虚心坦懐に話し合う」(2016年)などと言っていたこれまでの新年の辞に比べ、韓国に向けた提案の具体性は低下した。
米国に向けては、「時代錯誤的な対朝鮮敵対視政策を撤回すべき」という従来の主張を繰り返しつつも、トランプ政権については言及しなかった。米国を狙う「ICBMカード」で「われわれの核保有国の地位を認めて関係改善に乗り出さなければ、高い代償を払うことになる」というメッセージを送りつつも、トランプ次期大統領を不必要に刺激することは避けたわけだ。
■「ICBMは最終段階」
さらに金正恩委員長は「大陸間弾道ロケット(ミサイル。ICBM)の試射準備事業は最終段階。米国とその追従勢力が戦争演習騒動をやめない限り、各武力を中枢とする先制攻撃能力を引き続き強化していくだろう」と主張した。北朝鮮が新年の辞でICBMに言及したのは初めてだ。
これまでは、国際社会の視線を意識して「人工衛星の開発」を装っていたが、今後はこれ見よがしにICBM開発に拍車をかけるということを公にしたのだ。
世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)統一戦略研究室長は「北朝鮮は、早ければ金正恩委員長の誕生日(1月8日)もしくは米国のトランプ政権発足(1月20日)前に長距離ロケットを発射する可能性が高い」と語った。
将軍様が、
アメリカンジョークを・・・