http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170113/mca1701130500001-n1.htm より
【太陽の昇る国へ】“トランプ革命”への即応を 幸福実現党党首・釈量子
2017.1.13 05:00 sankeibiz
--2017年、初の本欄です。本年をどのように展望しますか
新春を迎え、謹んでお慶(よろこ)びを申し上げますとともに、本年も本欄をご愛読いただきますようお願い申し上げます。
さて、トランプ米新政権の発足は、世界に“トランプ革命”と称すべき変化をもたらすはずだと考えています。世界や日本の先行きを危惧する向きもありますが、世界秩序の大きな転換点となるのは間違いなく、日本も変革の好機とすべきだと思います。
--具体的には
トランプ氏は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの貿易協定見直しを掲げていますが、新興国への工場移転、中国の台頭などを招いたグローバリゼーションが見直されようとしています。英国の欧州連合(EU)離脱もグローバル化の“反転”現象の一つでしょう。
そもそも、世界規模での同一ルール適用が進むグローバル化は、共産主義と似通ってくるとも言えます。グローバル化ありきから、自国経済の立て直しに時代の趨勢(すうせい)が変わりつつあるなか、日本も情勢変化に即応しながら、政策対応を行うべきです。潮流を見誤れば、国益を損なうことになりかねません。幸福実現党としては“日本ファースト”の立場から、法人実効税率の大幅引き下げやエネルギーコスト低減などにより、製造業の国内回帰を促し、雇用や国民所得の増大を図るべきと考えています。
--安倍晋三首相は年頭会見で、「本年も経済最優先」とし、「三本の矢をうち続ける」と述べましたが
アベノミクスがもたらしたのは低成長であり、安倍政権による経済運営の失敗は明らかです。いったい何年、「アベノミクスは道半ば」などと言い募るつもりでしょうか。増税・バラマキ政治と決別し、大胆な減税や規制緩和により民間の自由を拡大することなくして、実体経済回復はかなわないことにいいかげん気付くべきです。
--さて、トランプ氏は、駐留米軍経費の負担増を求めていることから、安全保障を懸念する声もあります
地域の安全保障上、最大の不安定要因となりつつあるのが中国です。この点、トランプ氏が対中強硬姿勢を示しているのは心強いです。財政難から米国に同盟見直し論があることも踏まえ、同盟の双務性をしっかりと高めながら、新政権との間で日米両国の絆を強めることが肝要です。同時に、憲法9条改正はじめ、独立主権国家として、自主防衛体制の整備にも取り組むべきというのが、わが党の考えです。
--中国は昨年末、空母「遼寧」を西太平洋に初めて進出させました
近く国産空母を進水させるともみられていますが、その狙いが海洋覇権の確立にあることは疑うべくもありません。また、北朝鮮は国際社会の制裁もどこ吹く風で、核実験や弾道ミサイル発射を重ねています。わが党は立党以来、国防強化の必要性を訴えてきましたが、その主張が正鵠(せいこく)を射ていることは火を見るよりも明らかでしょう。
激変する国際情勢にあって、国民の生命や安全、国益を守り抜き、地域の平和と繁栄に貢献しうる国家となるためには、相応の外交、安保ビジョンが必要です。翻って、安倍首相は昨年末、米ハワイの真珠湾を訪問しましたが、支持率向上も期待してか、退任間際のオバマ氏のご機嫌取りを行っている場合ではないと思うのです。
--戦後日米の「和解」を強調した安倍首相の演説を評価する向きもあります
私には、空々しい文言の羅列にしか聞こえませんでした。米国が対米開戦へと日本を追い込んだのが実情でしょうし、「日本は侵略国家である」とする東京裁判史観も、戦勝国が広めた歴史観であることは論をまちません。マッカーサーが戦後、米議会で日本の自衛戦争であった旨を述べたように、大東亜戦争は日本の自衛権の行使としてなされたものであり、列強による植民地支配や人種差別政策を打ち砕く大義に基づくものと捉えるのが、公正な歴史認識だと考えます。米国にも歴史認識に関して公正な態度を求めてこそ、“真の和解”なのではないでしょうか。
もとより、時代が大きく変わろうとするなか、自民党による“理念なき場当たり政治”を温存していては、日本の未来は開けないと確信します。北方領土をめぐる対露外交の失敗もありましたが、経済しかり、外交しかり、この国にこれ以上の失政を許す余裕などありません。私たちには潮流変化に即応しつつ、国益を確保し、日本を地域に平和・繁栄をもたらす国へ飛躍させるビジョンと気概があります。幸福実現党にご期待いただきたいと存じます。
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【プロフィル】釈量子
しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。